購読 -3章前半
※講読内容は講読担当者に、各回の内容は掲示板やメーリングリストの舛谷の書き込みを参考に肉付けをして下さい。
第3章〜前半(P62〜91)「情報化社会の夢と現実」 作 江原君

  • <主要産業国における産業構造・労働構造の変化>
    第1次産業・・・二次大戦前より減少
    第2次産業・・・2次大戦中大きく成長、オイルショック後低下
    第3次産業・・・二次対戦中、後共に規模拡大
     *物的・人的に高い供給能力を必要とし、経験が不必要なため、非正規雇用形態が増加。

    世界的には・・・多国籍企業や国際金融資本と正反対の。地域主義、中小・ベンチャー企業の  
         重要性が説かれている。

  • <大衆消費社会の形成=フォーでリズムの時代>
    フォーディズム・・・生産性の向上→賃金・消費・雇用・投資の拡大→需要増加→生産性の向上
     ↓
    「大量生産−大量消費」の社会形成→高度経済成長の原動

  • <製造業の黄金期の終焉>
    70年代に耐久性消費財を中心に、工業製品の消費が一巡  
       ↓
    需要は所得・価格に応じなくなる  
       ↓
    労働力を海外で調達。国内雇用力の飽和=脱工業化

  • <「脱工業化社会」と「情報化社会」> < br>前工業化社会(農業)→工業化社会(製造業)→脱工業化社会=情報化社会(サービス業) < br>情報化社会・・・「誰もが生きがいを追求し、自己実現の喜びを享受する  
          高度な知的創造社会(増田米ニ)」
    しかし、上記とこれまでのサービス産業が歩んできた道は大きく違う。
    ↑理論と現実の齟齬・・・インターネットの可能性にも同じ危惧

  • <消費による自己実現−高度消費社会の到来>
    ○ボードリアール「記号の経済学批判」
    現代社会とは・・・物の持つ1次的機能性・有用性より、物への意味作用により  
           生成される記号的価値が重視される「物の記号化した社会」
  • *「機能主義」から「記号主義」へ=高度消費社会

    情報の価格決定・・・お布施の原理(梅棹忠夫)の逆

  • <フォーディズムは死なず>
    高度消費社会も「工業化モデル」が深く根差した社会
    →少品種大量生産から多品種少量生産へシフトしているが、
     有体物の流通・消費が行われており、それを十分に安価に提供できる  
    背景には、フォーディズムの技術革新・製造コスト低下がある。

    高度消費社会と大衆消費社会の違いは・・・
    新しい工業製品を開発し消費されるか、新しい機能的価値に記号的価値が付加された 商品を開発し消費されるか、というだけである。

  • <情報通信技術と「コントロール・制御の発想」>
    情報化社会論・・・情報・知識がモノから切り離され、自律的な価値を持つ
    高度消費社会・・・知識・情報が記号としてモノに体化され、工業化モデルに組み込まれている

    情報通信技術=モノの製造・流通・購買・消費の過程の「コントロール・制御」と密接に結びついている
    *商品輸送の鉄道の管理や、コンビニなどの商品・在庫管理(POS)など
    購読3章後半
    本間君作
  • <高度消費化における雇用創出のメカニズム>
     産業国の雇用創出について日本社会を例にとると大きく三つの領域に分かれる。
    一、製造業自体の内部における変化。
    二、商品の爆発的な多種多用化。
    三、「家族の外部化」である。

  • <サービス産業に潜む二極化へのベクトル>
     サービス業は生産性をあげるために、少数のコア人材と多数のパートタイム労働という二分化の傾向が見られる。
    例としてマクドナルドが挙げられている。

  • <サービス産業の政治経済学−垂直方向へと広く分散化する社会階層> 
    SME(小、中規模事業者)が個人向けサービスを提供した場合に、それを受けることができるのは高所得者であり、
    所得に関係ない水平方向へのサービスの広がりと共に、所得に応じた垂直方向へのサービスの分化が広がってきている。

  • <「リストラクチャリング」−80年代アメリカにおける格差の拡大> 
    アメリカは80年代前半のリストラクチャリングにより雇用関係の在り方を考えるものさしが大きく変わった。(図表3−7参照)
    80年代初頭の大きな社会的変化とサービス産業の特性とが結び付いた結果、貧富の差が大きく拡大し、垂直方向へと広く分散化するようになった。

  • <デジタルデバイド−アメリカ社会における必然性> 
    アメリカでは誰もがインターネットを利用できるわけではなく、一定以上の所得階層しか利用することができなかった。
    これを利活用できる高所得者とそうではない低所得者との格差は広がる一方である。

  • <「サービス経済のトリレンマ」−社会的意思決定を求められている日本社会> 
    主要産業国経済において、所得均衡、雇用確保、財政均衡の三つは「トリレンマ」であり、どれか一つは犠牲にならざるを得ない。
    アメリカ社会で、デジタルデバイドが起こったのは所得格差を犠牲にすることを選んだためである。現在懸念されていることは、日本がアメリカと同じ選択をして、同じようにデジタルデバイドを引き起こしてしまうかもしれないことである。

  • <コラム・サービス産業の分類> 
    サービス産業は、具体的にどのような産業があるかを国際標準産業分類に基づきサービス産業を分類している。
    サービス産業は大きく四つの部門に分類し、さらに四つずつの分野に分けられる。