新田 輝美 さん
私は以前からアジア地域(とりわけ発展途上国)に対して関心を持ち、メディアを通して情報を得ていました。しかし、実際に自分の目で確かめることが何よりも大切であることを、この研修を通して学びました。
現地を訪れてみて、二つの大きなことを感じ取りました。経済的な貧しさや格差とそれを感じさせない人々の心の豊かさです。
貧困や格差の中でも、私が一番深刻だと感じたことは教育問題です。義務教育中でも家庭の金銭的な事情で学校に通えない子どもが多いのです。実際に訪れた小学校でも、通学することが困難な子どもたちが、校舎の中に勝手に入り込んでいたのを目にしました。また、学校に通っているはずの時間に、子どもたちが物売りをしていた姿を見かけたことは忘れられません。教育は人間として生きる術を学ぶ大切な機会です。日本ではあたり前のことが、フィリピンではなぜ難しいのでしょうか。未来ある子供たちが平等に学校に通い十分な教育を受けることが出来るにはどうしたらよいのかと考えさせられました。
このような問題を抱える一方で、現地の人々はそれを超える心の強さや豊かさを持っていたことにも気づきました。特に小学校で出会った子どもたちの無邪気で素直な笑顔は、本当に幸せそうでした。また、彼らは訪問者である私たちを温かい笑顔で盛大に歓迎してくれたのです。現地の方のお話では、私たちのような大人数の研修生は他におらず、彼ら自身が海外に学びに行ける機会もないため、私たちは貴重な訪問者だそうです。それを聞いて私は心から嬉しく、日本の学生の代表であるという責任の重さを感じました。
先進国に生きる私たちは、フィリピンの抱える深刻な問題を軽視してはいけないことも改めて痛感しました。そもそも先進国である私たちは、彼らを犠牲にしてここまで発展できたのではないか、これから成長を遂げようとしている国を支えていくべきではないか、など改めて日本の役割と私たち1人1人が出来ることについて考えるきっかけとなりました。実際に研修に参加したことで、フィリピンのすばらしさや問題点を肌で感じることができたと思います。
この研修は現地の子供たちに日本の文化を伝えることが主な活動内容です。活動の中には私が初めて経験するようなことが数多くあり、人にものを教える行為もその一つでした。英語や日本語に限らず、どのようにすれば子どもたちの興味をそそるような授業ができるのか、授業のつなぎ方、子どもたちとの接し方など、多くの課題と反省の日々でした。その中で仲間と協力し、話し合いを重ねることで自分の力の何十倍も質の高い解決策が生まれることを学んだと同時に、授業が成功した時の達成感は大きな自信となりました。フィリピンを訪れ現地の方々と出会えたことは、一生の財産です。この研修で学んだことを活かして、フィリピンに恩返しをしていきたいと思いました。そして最後に、フィリピン研修を仲間全員で無事に終えることができたことを嬉しく思い、随行し温かくサポートしてくださった先生方に感謝しています。