立教大学理学部75年誌
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本日は、理学部創立75周年そして記念礼拝、式典の開催おめでとうございます。理学部には本学の自然科学系の研究・教育を牽引していただきました。これについて本学を代表して御礼を申し上げます。1949年に本学が新制大学としてスタートし、今日まで総合大学としてその名を馳せることができたのは、まさしく理学部のおかげと感謝しております。理学部には他学部が見習うべき素晴らしい点が多々ありますが、本日はその中でも特に2点について申し上げたいと思います。まず1つは、先進的な取り組みをされているということです。理学部の4学科がそれぞれ、日本はもちろんのこと、世界でもトップレベルの研究をされています。また大型の研究資金も多数獲得されていますし、国内外の学会の権威ある賞を先生方はもちろん、学生の皆さんも多数受賞されています。さらに、サイエンスコミュニケーション科目の設置や、市民と研究者を繋ぐ立教サイエンスカフェ、小中学生に向けたおもしろサイエンスワールドの開催など、研究活動のみならず研究の知見や科学そのものを分かりやすく伝える努力もされている点は、非常に素晴らしいと思っております。2点目は、学生に向けた丁寧な教育をされているということです。研究室制度における学部生、大学院生への丁寧な指導があるからこそ、学生が様々な賞を受賞することができているのだと思います。また、メンター制度によって一人ひとりの学生に寄り添った教育をされています。私は経営学部に所属しておりますが、理学部のメンター制度を経営学部にも取り入れようと、今まさしく教えを請うているところです。加えて、アジア教育やリーダーシップ教育、キャリアコーディネーターを配置した学部独自のキャリア教育など、理学部は最先端の知識・スキルを教育するだけではなく、それをいかに使うか、そこまできちんと丁寧に指導されている学部だと感じております。このような理学部の最先端の研究と教育は、本学の建学の精神をまさに体現しているのではないかと思います。立教の楯のマークの中に書かれている「立」の文字、その下に十字架と開かれた聖書が描かれておりますが、その聖書の中に書いてある言葉が建学の精神である、「Pro Deo et Patria」です。この言葉は、直訳すると「神と国のために」ですが、その真意は、「真実を追い求め、世界、社会、隣人のために尽くす」ということになります。理学部がまさしく今まで実践してきたことは、本学の精神そのものではないかと感じております。皆さんもご存じの通り、立教学院は150周年を迎えました、次の50年に向け、従来のLiberal Arts教育をさらに発展させ、Global liberal arts and sciencesを極める大学を目指します。これには、まさしく理学部の力が必要となります。ぜひ、Global liberal arts and sciencesを極める大学になるため、立教大学を牽引する学部になっていただきたいと思います。そして、2026年4月、本学池袋キャンパスに環境学部が設立されます。環境学部は文理融合では17理学部創立75周年記念祝賀会スピーチ立教大学 統括副総長、経営学部 教授 石川 淳

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