【四号館】立教大学理学部は1949年に創立され、2024年に創立75周年を迎えた。2024年は立教学院創立150周年の記念すべき年である。同年に理学部が創立75年(学院のちょうど半分)を迎えることができたのは、ひとえに、これまで理学部を支えて頂いた皆様のおかげである。この場を借りて心より御礼申し上げる。この75年間、立教大学建学の精神「普遍的なる真理を探求し、私たちの世界、社会、隣人のために」のもと、キリスト教精神に基づいたリベラルアーツ教育を実践してきた。1979年には「立教大学理学部30年誌」、1999年には「立教大学理学部50年誌」が発刊され、それまでの理学部の歴史を記録している。創立50周年から25年が経過し、大学も理学部も大きく変化した。コンピュータや人工知能(AI)の急速な発展は各学問分野に大きな影響を与えている。2011年には東北地方太平洋沖地震、2019年末から2021年には全世界に新型コロナウィルス(COVID19)の大流行など、理学部も未曾有の状況に直面した。50周年時を記憶している教員が在籍しているいま、25年間の記録を後世に残すことが大切であると考え、この「立教大学理学部75年誌」を出版する。本誌は、立教学院150周年事業の一環であり、同事業の支援を受けて刊行する。本稿では、まず理学部創立から50周年までの歴史を「理学部50年誌」をもとに要約し、「専門性に立つ教養人の育成」を推進してきた2000年以降25年の歴史を中心に述べる。立教学院は、1874年(明治7年)にアメリカ聖公会派遣の宣教師アーヴィング・ウィリアムズ主教が築地に私塾「立教学校」を開いたのに始まる。1883年(明治16年)には「立教大学校」を名乗った。同年に関西では、新島襄が「同志社大学設立趣意」を公表した。同じキリスト教主義の学校が「大学」を名乗り、キリスト教に根ざした高等教育が萌芽した。なお、2024年5月7日、同志社大学と立教大学は相互協力・連携に関する協定を締結している。その後、大学としては1907年(明治40年)に専門学校令による立教大学が開設され、文科、商科、予科をおいた。立教学院では、1944年に立教理科専門学校(1945年より立教工業理科専門学校)を設立し、理学部の前身となった。1946年には新制大学の学部に昇格を決定し、その後、多くの優秀な教授陣を迎えて1949年(昭和24年)4月1日に理学部が誕生した。このときの入学定員は数学科20名、物理学科40名、化学科40名、助手以上の教員は数学科6名、物理学科10名、化学科7名であった。理科専門学校から受け継いだ27はじめに理学部創立から50年理学部75年の歩み〜20 0 0年から202 4年を中心に〜
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