【13号館】1987年の理学部教授会では生命理学科を出来るだけ早く設立する方向性が確認されていたが、財政面の問題で進展がなかった。1999年の教授会で再度、審議了承され、2000年1月には文部省との打合せを行うなど、本格的に設立に向けて動き出した。2001年1月6日に中央省庁が再編され、文部省と科学技術庁が統合さて文部科学省が発足した。2001年4月、先端科学計測研究センターが設立された(初代センター長:本林透教授)。先端科学計測研究センターが申請母体となり、文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業「ハイテク・リサーチ・センター整備事業」に、研究プロジェクト「光・イオン計測法の研究および可搬型測定器の開発」と「高度相関データ処理」(2001年度~2005年度)が選定された。さらに、理学研究科が申請母体となり、同じく文科省私立大学学術研究高度化推進事業の「学術フロンティア推進事業」に研究プロジェクト「環境変動に対する生命の適応戦略」(2001年度~2005年度)(代表:檜枝光太郎教授)が採択された。これらの私立大学学術研究高度化推進事業の予算の一部は13号館の建設に使用され、理学部の教育研究環境は大きく改善された。この後にも、2019年まで各研究センターの大型研究プロジェクトが採択され、研究環境が充実した(表1)。2001年4月に、これまでの実験職員が廃止され、実験技術員の職種が制定された。その後、実験技術員は理学部の実験・実習教育を支える重要な役割を担っている。2001年7月31日付けで文科省に申請していた生命理学科の設立が、10月30日に認可された。経済学部会計ファイナンス学科と同時の申請・認可であった。2002年4月に理学部生命理学科が設置され、現在の4学科体制となった。化学科生命理学コースから25人、他学部から20名の入学定員を移動し、生命理学科が出発した。それまで、コの字型の4号館に囲まれた中庭には、テニスコートがあり理学部テニス会等が活動していた。そこへ13号館が建設され、2002年4月12日に竣工式が執り行われた。4号館から13号館への移転が開始され、数学科、物理学科、化学科、生命理学科が4号館と13号館に配置された。その後、改修された4号館2階西ウィングに自然科学系図書館が設置された。これによって、理学部の全ての機能が4号館と13号館に集約され、一体感が構築されたことは大きなことであった。2005年には、文部科学省「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)」に教育プロジェクト「理数教育連携を通じたCBLSプログラム」(2005年度~2007年度)(代表:押見輝男総長、事業推進責任者:北本俊二教授)が採択された。CBLSとはCommunityBased Learning in Science Educationの略で、「地域に根ざした科学教育」を意味する。理学部内にCBLS推進室を設置し、2006年度からは「理数教育企画1・2」を開講し、理学部の学生が豊島区内の小中学校と協力して、児童・生徒を対象に「科学の楽しさ」がわかる企画を実施した。これらの活動を通じて、学生の教育活動への参加及び企画能力を養い、児童・生徒たちにさまざまな学習機会を提供し、理数科目への関心を高めることを目的とした。ここから始まった豊島区との連携と理数教育企画は「理学部共通教育推進室」へ受け継がれ、現在も継続されている。2006年に生命理学科の教員を中心とした極限生命情報研究センターが発足し、文科省「学術フロ29
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