立教大学理学部75年誌
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表1.2000年以降に実施した文科省大型研究プロジェクトンティア推進事業」に研究プロジェクト「極限環境生物の適応進化機構の解明とその応用―ゲノム情報解読を基盤に―」(2006年度~2011年度)(代表:黒岩常祥特任教授)が選定された(表1)。この年、池袋キャンパスに経営学部が、新座キャンパスに現代心理学部が新設された。文学部の改組や経済学部や観光学部に新学科が設立されるなど、大学組織の拡大が続いた。理学部では、2007年に文部科学省「がんプロフェッショナル養成プラン」に順天堂大学他との共同プログラム「実践的・横断的がん生涯教育センターの創設」(2007年度~2011年度)が選定された。立教大学理学研究科に医学物理士養成プログラムが設けられ、所定の単位を取得し研究科が認定した場合、順天堂大博士課程医学物理士養成課程への推薦資格を得られるようになった。2008年に、化学科を中心とした未来分子研究センター(初代センター長:入江正浩教授)が発足した。未来分子研究センターは、その後、文部科学省「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」に2つのプロジェクトが採択された(表1)。理学部では、同年に理学部共通教育推進室を設置し、学部共通科目の運営を担った。全国でもいち早く、サイエンスコミュニケーション教育を開始し、現在では他学部学生も参加する活発な活動を続けている。同年、池袋キャンパスに異文化コミュニケーション学部が設置され、立教セカンドステージ大学も開校された。2010年からの10年間に、立教大学は国際化とリーダーシップ教育を掲げ、大きなカリキュラム改革を行った。理学部は、さらなる教育研究体制の整備に取り組んだ。一方、東日本大震災に見舞われ、大学としても緊急の対応に迫られることとなった。2011年3月11日14時46分頃、三陸沖の宮城県牡鹿半島の東南東130 km付近で、深さ約24 kmを震源とするマグニチュード9.0の大地震が発生した。日本国内観測史上最大規模、1900年以降、世界でも4番目の規模の地震であった。東北地方沿岸部に巨大な津波が押し寄せ、死者1万5千人を超える大きな被害がもたらされた。さらに東京電力福島第一原発で水素爆発と思われる爆発が起きるなど、甚大な被害を受けた。池袋キャンパスのある東京都、新座キャンパスのある埼玉県は震度5強~5弱のゆれにみまわれたものの、幸いに302010年から2019年まで: 教育研究の更なる飛躍と東日本大震災

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