立教スポーツ第130号

<12月11日更新>

悲願の優勝 −硬式野球部−

ベストナイン受賞の上野裕平投手  9月11日から明治神宮野球場を舞台に繰り広げられた東京六大学野球秋季リーグ戦。本学硬式野球部はじつに9年18季ぶり12度目の優勝を果たした。大混戦のリーグ戦、優勝の原動力となったのが、両先発エースの活躍だ。

 上野裕平(法3・金沢辰巳丘高出身)ベストナイン受賞投手:開幕戦、九回二死から同点本塁打を浴び涙を見せた。その後は力投を続け、リーグ最多の4勝を挙げる。成長し続ける若き上野は今やチームを支える大黒柱だ。速球が自慢の本格派。

 多田野数人(観1・〈甲〉八千代松蔭高出身)投手:キレのあるストレートとスライダーを武器に3勝を挙げ、先発の柱に。秋は対慶応2回戦で自身初完封など成長の跡を見せた。安定感はエース上野を上回り、防御率1.19をマークする。

 優勝とその死角  「信頼」と「勢い」。これが今回の優勝を語る上でのキーワードだ。  安定感抜群の絶対的な投手力、そしてワンチャンスをモノにする勝負強い打線。投打の歯車がかみ合い、必ず抑えてくれるという「信頼」が、必ず点をとってくれるという「信頼」が生まれる。勝ちに飢えていた集団は、接戦を制することで「勢い」を得た。

順位表  日替わりヒーローの登場がその「勢い」を象徴する。特に清水、野口の本塁打は効果的だった。投手陣は打線を「信頼」して投げ続けた。対早大2回戦の多田野の力投はその最たるものであろう。

 実力主義が貫かれ、6月の紅白戦で結果を残した一年生が台頭。これにより戦力の底上げがなされ、チーム内での競争が激しくなり士気が上がる。これもまた「勢い」の源であった。

 さい配面では、走者が出塁すると徹底的に送る作戦がとられた。27を記録した犠打のうち、一死後からは13を数える。作戦の徹底は、送る意識を浸透させ、勝利に結び付いた。機動力野球も実践され、盗塁のみならずソツのない走塁で相手を追い込んだ。

 しかし、本学にはまだまだ課題が多い。犠打の成功率はけして高くなく、接戦の原因を自らつくっていた。リーグ戦後半にもなると新戦力の弱点が露呈され、守備のほころびも垣間見えるようになった。

 まだまだ遠い常勝軍団への道を模索しつづける日々は当分続きそうだ。

                         

(坂本)
〜記事抜粋〜
(写真=ベストナイン受賞の上野裕平投手)


優勝を支えた4年生の勇姿

高石亮介主将(左)と矢島崇投手  主将・高石亮介(法4・長崎海星高出身)外野手

 今春、本学は屈辱の八連敗を喫した。主将という重責を担う高石は、春季一度も笑顔を見せなかった。勝つために必要なことだけを考え、この秋に臨んだ。そして見事、悲願達成。「思い残すことはありません」そう語った高石の笑顔はほかのだれよりも輝いていた。

 矢島崇(社4・立教高出身)投手

 今季は中継ぎとして優勝に貢献。防御率は1.43で、上野、多田野の二本柱を強力にサポートし、自身も2勝を挙げた。

  矢島は昨春5勝を挙げ、ベストナインに輝いた。だがその後はけがなどもあり、思うような成績を残せずにいた。その間に、上野や多田野が成長する。今季は先発を彼らに譲り、中継ぎに回る。勝気な彼だけに、悔しかっただろう。

  しかし矢島は自分の気持ちを抑え、チームのことだけを考えた。試合中は、上野、多田野の緊張を和らげようと笑顔でアドバイスを送る。

 最終戦となった対東大2回戦。矢島は「一回でもいいから投げたい。せめて一人でもいい」と心の中で願った。そして九回裏二死、まさにあと一人の場面で登板。見事に三振を奪う。

 試合後、感極まって涙を見せる。だが、勝気な彼らしく「目にゴミが入っただけ」とうそぶいた。

(宮本)
〜記事抜粋〜
 (写真=チームを優勝へと導いた高石亮介主将(左)と最後、見事三振を奪った矢島崇投手)


最強の道爆進中 ―少林寺拳法部―

全日本学生大会で四組入賞

全日本学生大会で入賞した最強の拳士  拳士たちは突き、蹴り、投げ技、関節技をを組み合わせた演武を行う。それを正確度と、構成、体構え、運歩の各項目での表現度で1分30秒の時間内で競うのだ。午後の本戦に進むためには、まず午前の予選を勝ち抜かなくてはならない。

 4年生である男子三段以上の部の梅木(文4)・吉川(文4)組と男子単独の部の白水(しろうず=社4)は、リラックスした様子を見せ難なく予選を通過。男子二段の部の渋谷(理3)・芹沢(法2)組も予選をブロック1位で突破した。また男子段外の部の武内(法1)・永島(法1)組と男女段外の部の鈴木(社1)・浅野(法1)組も初挑戦とは思えない健闘ぶりで予選を通過し、本学は出場全五組が本選に進出する結果となった。

 そして本選。大舞台での経験を積んで、演武にも貫禄のついた渋谷・芹沢組。始まりから動きが速い、インパクトのある演武を見せた。新潟の大会から時間が無かった二人。昇段するも二段の技を磨く間がなく、今持っている技で勝負するしかない。しかし二人はそんなことを全く感じさせない正確な、堂々とした演武を披露した。梅木・吉川組と白水は、今大会が四年間の集大成となる。そのせいか彼らの動きの一つ一つから気迫が感じられる。そしてその気迫は、今回の演武にかける彼らの情熱を思わせた。

 本選も終わり、入賞者が発表される。武道館が静まりかえった。緊張の一瞬だ。

 1年生の武内・永島組が初出場ながら優良賞に入賞したのを皮切りに、本学拳士たちの名が次々に発表された。梅木・吉川組、白水、渋谷・芹沢組もそれぞれ敢闘賞を受賞。とくに梅木・吉川組は学生としては最高レベルである男子三段以上の部で入賞を果たした。そしてその結果は、1年生の初入賞とあいまって、本学の拳士たちを大いに沸かせてくれた。

 「練習は自ら積極的にやるもの。何事も自分次第」と前主将・梅木は語る。これまで部を引っ張ってきた彼らは引退してしまう。しかし今回の活躍は、部の一層の躍進を予感させるに十分だ。

(石原)
〜記事抜粋〜
(写真=全日本学生大会で入賞した最強の拳士)


絶好調!! 馬術部とバドミントン部

頂点へ駆け抜けろ!全日本4位 ―馬術部―

跳べ!長谷川、ゴールは目前だ  30年ぶりの快挙。とうとう本学馬術部が四強の座をつかんだ。

 大会の始めにあった苦手とする馬場馬術をなんとか乗り切った本学。次の野外走行(耐久審査)では長谷川(理4・メジロカイザー騎乗)と金澤(社4・ブルームクラウン騎乗)の活躍もあって、危なげなく終えた。また最終種目の障害飛越(余力審査)においては長谷川と主将・磯貝(社4・ファーストレコード騎乗)が満点を出すなど、本学の実力が十分に発揮された。

  この結果、今回ついに団体総合4位を勝ちとり、並み居る強豪に肩を並べた。全日本で5位以上に進出できない時期が長く続いた本学だが、その高く厚い壁を打ち破り、新たな一歩を刻むときがやって来た。

(写真=跳べ!長谷川、ゴールは目前だ)


スマッシュを叩きつけ、力強く拳を突き上げるエース・近藤

9年目の結実 3部昇格 ―バドミントン部―

 4部昇格の実力は持ちつつも、あと一歩及ばない状況が続いたが、今季は一味違った。本来の実力の上に「勢い」と「目的意識」が加わった彼らは、コート上で見事なまでに全力を出し切った。

  リーグ戦を全勝優勝で締めくくり、心身ともに充実した状態で迎えた入れ替え戦。初戦、対東京理大戦は予想通りの接戦となるも、本学は粘り強さを発揮して競り勝つ。これで流れをつかみ、翌日の芝浦工大戦は3−0のストレートで勝利を収め、念願の3部昇格を決めた。

(写真=スマッシュを叩きつけ、力強く拳を突き上げるエース・近藤)







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