立教スポーツ第134号
<10月6日更新>

強豪健在 ―モーターボート・水上スキー部―

水上スキー部1  かつて「水の王者」と呼ばれていた本学が、完全復活に向けて確かな手応えをつかんだ。8月18日〜20日にわたり、千葉県小見川町の黒部川で開催された第45回全日本学生水上スキー選手権大会。男子は創部初となるトリックでの部門優勝を成し遂げ、4年ぶりとなる総合準優勝に輝いた。

2日目の快進撃

 ここ数年、優勝の座を明渡している本学。今年こそはと大会に臨む選手たちの意気込みには、例年以上のものが感じられた。 まず初日に行われたスラローム。激しく太陽が照りつける水面を、選手たちが勢いよく滑っていく。この部門で好成績を残してリズムに乗りたい本学だったが、主将・松本(社4)が34人中20位と出遅れるなど、波乱の幕開けとなった。しかし、途中から吹き始めた強風のため競技が中断。翌日、残る三村(社4)(=写真)に期待をつないだ。 翌日、順延で時間が空いたことが逆に気持ちをリラックスさせたのか、三村4位と健闘。これにより本学慶大、日大に次ぐ部門3位というまずまずの位置につけた。 続くトリックでは、選手たちがバランスを保ちうまくロープを操りながら次々にこう何度の技へ挑んでいく。三村のスラロームでの好成績で勢いに乗った本学は梅本(経3)が4位松本が7位そして浅村(理3)が2位。見事部門優勝を果たした。総合でも2位に浮上し優勝への夢を最終日につなげた。

価値ある準優勝

水上スキー部2

 2種目終えた時点で首位慶大との差はわずか55点。「逆転優勝は十分可能。部員一丸となって狙う」と松本。いよいよジャンプ部門が開始された。 本学はまず伊藤(経1)が1年生ながら上級生に劣らぬジャンプを見せて、チームの雰囲気は徐々に盛り上がる。一方慶大は2人連続で今大会初となる30b台の記録を出し本学以下を引き離しにかかる。ここで本学3番手三村が31.8bの好成績を出すと、続く松本は37bの個人トップの大ジャンプ優勝にむけて慶大の結果を待つ。しかし慶大最終ジャンパーに今大会最高37.4bを出され、結果ジャンプ部門は2位となった。 すべての競技が終了し、優勝こそ逃したものの総合準優勝という快挙に「悔いは残っていない」と選手たちは笑みを浮かべた。優勝への夢は来年への課題として確実に後輩へと引き継がれた。ここ数年続く慶大の勢いをとめることができるのは本学であるに違いない。

(女良・井上)
〜記事抜粋〜
 


完全燃焼 杉山・銅

フォアは6位入賞

―ボート部―  この夏、あの男がやってくれた――。戸田漕艇場で8月24日〜27日に行われた全日本大学選手権。本学ボート部は男子シングルスカル杉山(理4)が3位、舵手付きフォアでは昨年の成績を上回る6位という好結果を収めた。この記録をえるまでの決して平たんではない道程を熱いレースの模様とともにお伝えしたい。

不屈の漕手

「悔しい」――。昨年、インカレのダブルスカルで3位という成績を取った時、杉山(=写真)はそう口にした。心機一転、練習を再開するも昨年末あばら骨を折るというアクシデントに見舞われる。いったんは治ったものの再び同個所を骨折。本格的に練習を開始したのは7月だった。それから1ヵ月後、最後のインカレを迎える。種目は2年前のインカレで杉山自身が7位と健闘したシングルスカルだ。ボート部1 まずは予選。前半から他校を寄せ付けないレースをし、1位を独走。準決勝進出を決めた。その準決勝も同様に、後続を大きく離す余裕の展開で勝利し、いよいよ決勝を迎えることとなった。

そして決勝戦。「スタートが大切。スタートで前に付いていく事が出来れば後半のスパートには自信があるから勝機はある」。レース前、杉山はその日の戦略を語った。相手は予選から突出した実力を見せている日体大、予選タイムで杉山とわずかな差の日大、そして明大の三校だ。

レース開始直後やはり日体大が頭一つ飛び出した。しかし杉山のスタートも順調。日体大には遅れをとるものの2位の日大に付き、勝負を持ち味のラストスパートにかける。ところがレース後半、逆風に体力を奪われた杉山はスパートをかけることができず逆に日大に離されてしまう。そして、そのままゴール。3位、銅メダルという結果に終わった。

ボート部2 この結果について「満足していない」という杉山。だが一年間けがに悩まされ、一ヵ月の短い練習期間だった事を考えるとこの結果は高く評価できるはずだ。その点を尋ねると杉山は「やれることはやったからそういう意味では満足している」と、さっぱりした表情を見せた。

この一年間、黙々とけがと戦ってきた杉山。昨年に続いての銅メダルだったが、今年の銅は一段と輝いて見えた。

フォア充実の夏

  今大会、男子舵手付きフォア(以下フォア)においても本学は奮闘を見せた。 初日の予選でのライバル・明大との接戦に敗れ敗者復活戦に回った本学だが、ここからその底力を発揮することになる。敗者復活戦を1着で乗り切ると、3日目の準決勝では強豪の龍谷大に続く2着に食い込み順位決定戦にコマを進めた。そして迎えた最終日では混戦の中、粘り強さを見せて2着でゴール。昨年の8位を上回る、6位入賞という好成績を残して大会を終えた。

昨年、一昨年とインカレ直前になってメンバーを変更するなど、フォアのクルーは常にけがと戦ってきた。しかし、今年は一貫してメンバーを固定し、まとまった練習ができた。結束がもたらした好成績といえる。

「課題は浮き彫りになっているので、来年は頑張ってほしい」。リーダーを務めた松永(法4)は「インカレ優勝」の夢を後輩に託す。それを受ける小野沢(経3)は「何としても勝つという気持ちが必要」と精神面の改善を自覚していた。

さまざまな苦境を乗り越えてきた本学のフォア。メンバーを鼓舞してきた舵手の渡辺(観4)は「充実していたし結果には満足している」とこの夏を締めくくった。苦労は成果を生み、クルーに充実感を与えた。

(篠原、黒川)
〜記事抜粋〜
 


関カレ・インカレ つかんだ!BEST16

−テニス部女子−

テニス部女子1  8月5日〜13日に昭和の森テニスクラブで全日本学生テニス選手権大会が行なわれた。この晴れ舞台で平原(経3)・広瀬(観2)組(=写真)がダブルスで頭角を現した。インカレベスト16。1部校として、見事本学の実力を示したことになる。 また8月28日〜9月3日、萩山テニスコートで関東学生テニス選手権大会が開催され、吉井(法1)がこちらもシングルスでベスト16と大健闘を見せた。

8強の壁厚く

 うだるような暑さの中、平原・広瀬組が出場したインカレダブルスは1回戦、相手を圧倒して幕をあげた。続く2回戦は駒井・堀内組(京産大)と対戦した。第1セットはリズムをつかめず落としたものの、セットが進むにつれて相手の戦法を読み、自分達のテニスを取り戻し勝利を収めた。この調子で波に乗りたかった3回戦。ベスト8の懸かったこの試合の相手は、阿部・尾藤組(愛知学院大)。しかし技術で勝る相手の前に太刀打ち出来ずベスト16に終わった。「目標はベスト8。もう一つ勝ちたかった。」と語る平原。2人とも調子が良かっただけに悔しさの残る結果となった。熱い夏を終え、大きな自信をつけた彼女たちのさらなる活躍を期待したい。

勝利を自信に

テニス部女子2  吉井(=写真)は2回戦で関カレ最大のヤマ場を迎える。ラリーの応酬が続き両者一歩も譲らない。しかしついに相手にマッチポイントを握られる。ここで吉井の打ったボールはネットをかすめて相手コートにポトリと落ちた。ネットイン。「最後まであきらめないで良かった」奇跡的にマッチポイントを逃れた吉井に流れは傾く。体力の限界まで戦った末の勝利であった。

 1回戦青学大・今井にストレートで快勝。翌日2回戦も気力と根性で勝利。吉井は一年生ながらシングルベスト16という好成績で関カレを終了した。今大会の吉井の成長はチームの大きな新戦力となり、大座奪取という目標に向かってまた一歩近付いた。「ベスト8、さらに上位へ勝ち進みたい。」と次の大会への意欲を見せる吉井。テニス部女子が1部優勝という栄光を勝ち取るその瞬間がとても楽しみだ。

                             

(野島、井上)
〜記事抜粋〜


負け知らずの男 −ボクシング部−

ボクシング部  後楽園ホール。決勝進出を果たせば、この地にたどり着く。5月21日から6月11日にかけて、関東大学ボクシング3部トーナメント予選が神奈川県立体育センターで行われた。

 2年連続での優勝を目指すライトウェルター級の永井(文4)(=写真)は初戦を危なげなく突破する。準決勝での地口(東大)との対戦では、1Rから冷静に試合を運び、3Rにはフェイントを織り交ぜながら強烈な左フックを繰り出す。精神面でも地口を圧倒し、判定勝ちを収めた。

 堅実なボクシングを見せるバンタム級・押田(社2)の最大の武器はスピードだ。迫りくる相手に対し、ジャブ、ワンツーなどを駆使しながらの軽快なフットワークで近づくことを許さない。初戦はこのスタイルがぴったりはまり、終始優位に試合を運び判定で勝利する。圧巻だったのは準決勝での石川(創価大)との対戦である。距離を詰めようとする石川の出足に合わせ的確にワンツーで応戦していく。3Rには焦りから大振りになった石川のストレートに合わせて、カウンターをヒットさせる。その直後猛烈な連打でダウンを奪いRSC勝ちを手にした。

 本学の主将・フェザー級の神宮(経3)は、準決勝で乱打戦の末敗れ、残念ながら決勝には残ることができなかった。結局本学からは3名の出場選手のうち2名が決勝進出を果たした。

 そして王者決定の日、7月8日、舞台は後楽園。まず押田の試合が行われる。相手は渡辺(慶大)。1R、押田はジャブで様子をうかがう。だが渡辺に積極的な攻めを繰り出され不利な状況となる。その形勢のまま2Rに突入。押田は距離を取ろうとするが渡辺はなおも攻撃の手を緩めない。決定的な一打は右ストレートだった。直撃した押田にスタンディングダウンが取られる。その後右ストレートで、コーナーに叩きつけられた押田は戻り際にストレートを受け、ダウン。RSC負けという無念の結果となってしまった。

 続いて本学からリングに上がったのは永井。対戦するのは川田(専大)だ。1R、永井は自身のスタイルである相手の様子をうかがうことから始める。川田は小出しに攻めてはくるものの警戒しているのか大きな攻めはしない。比較的静かな雰囲気で1Rは終わった。その静寂が2Rに壊される。永井の攻めがヒットすると川田もそれに呼応したのか攻め始める。しかし、永井は優勢だった。そのまま3Rに突入しても攻め続け、距離を取ろうとする川田をコーナーに巧みに追い詰めるもダウンは取れず判定に持ち込まれる。

 判定――。永井の手が高々と挙がった。優勝だ。だが当の本人は「今回の大会は出たら勝てる自信はあった」と至って冷静だ。そこには2年連続で優勝した王者の鋭い目があった。

                                    

 (木村、篠原)
〜記事抜粋〜







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