立教スポーツ第138号
<7月6日更新>

優勝目前 夢叶わず −硬式野球部−

 勝った方が優勝。破竹の6連勝で望んだ法大戦だったが、応援席の大声援もむなしく目前で法大の胴上げを許してしまう。
 4月14日〜6月3日に神宮球場で行なわれた東京六大学春季リーグ戦は、優勝候補に挙げられながら結局勝ち点3で3位という結果に終わった本学。だが神宮に大旋風を巻き起こした彼らに対し、来季への期待は一層高まった。

惜敗に泣いた春

 初戦の明大戦、先発のマウンドに登ったのは、昨秋ほとんど登板機会のなかった多田野(観3)。「久々の神宮はやはり緊張した」と多田野は語ったが、九回までに奪った三振は9個を数えた。しかし延長十回裏、本学はサヨナラのチャンスであと一本が出ず、初戦を落としてしまう。2回戦は逆転勝ちを収め3回戦へ。明大打線に攻め込まれ一挙4点を失うと、そのまま主導権を握られて大事な開幕カードの勝ち点を逃してしまった。
 続く慶大戦、東大戦では両校から勝ち点を奪い波に乗る。 
 次の相手はこの時点で首位に立っている早大。まず初戦は、本学不動の四番・和田(コ3)の2ランなどで先勝した。また2回戦では松倉(良)(経3)にも試合を決定づける本塁打が飛び出し、怒とうの6連勝を飾った。
 そして法大との事実上の優勝決定戦。春のリーグはついにクライマックスを迎えた。1回戦は攻撃の流れがつくれず、序盤に取られた2点が響いて敗北を喫してしまう。
 「このまま終わってしまっていいのか?」。斎藤監督のげきにナインは奮起した。2回戦はサヨナラ勝ちを収めて意地を見せる。そして3回戦、この大事な試合のマウンドを任されたのはやはり多田野だった。初回に2点を奪われるがその後は粘りの投球を見せる。本学は、九回二死から連続安打で望みをつなげるが反撃もここまで。惜しくも栄冠を手にすることが出来なかった。

熱戦を経て・・・

 悲願達成を逃した最大の要因に、監督は「投手を援護してやれなかった攻撃陣」を挙げた。
 走者は出るものの決定打を欠き、なかなか本塁までたどり着けない。勝負どころで犠打や走塁にミスが出て好機を逸するといった場面も多く見られ、詰めの甘さを露呈した。
 しかしそんな中でも一回り成長を果たした選手もいる。特に投手の多田野、打者の和田、松倉(良)がそれぞれ初となるベストナインを受賞。その実力は確かに証明された。
 昨年は怪我に悩まされた多田野だが、この春には期するものがあったはずだ。実際、今季は10試合に登板し防御率0・91という驚くべき数字を記録。並み居る好投手を抑えての、堂々の受賞となった。
 また期待されながら今まで本領を発揮しきれずにいた和田。初戦に今季初安打を放つと、その後本塁打を含む8試合連続安打。最終的には本塁打と打点の二冠王を獲得し、役割を充分に果たした。
 松倉(良)は安定したバッティングが光り、チーム1位となる打率3割2部5厘をマーク。「自分の納得がいくまで練習できたことが良かった」と理由を分析する。
 だが彼らの顔に笑顔はない。「もう優勝以外考えられない」口をそろえて言うその言葉の裏に、結実の秋に向けての絶対的な自信が感じられた。

(久野、岡本)
〜記事抜粋〜 

(写真=見事に復活を遂げた多田野。力投が光り、六大を代表する投手へ)


男子の雪辱果たす Bブロック昇格 −ゴルフ部女子−

  

 東ノ宮カントリークラブにて、5月15・16日に行われた関東大学春季Bブロック対抗戦では、わずかな差で2位となったゴルフ部男子。「一打の重み」を胸に5月19・20日、ユーアイゴルフクラブにて行われた関東女子大学春季Cブロック対抗戦では女子が奮起し、大差の優勝。悲願達成の瞬間であった。

小差に泣く

 女子の対抗戦が行われる4日前、男子がBブロックが先陣を切った。この大会で、昨秋Cブロックから昇格した彼らが奮闘する。
 2日間にわたる今大会。初日、本学は丸山(経3)矢作(社3)ら主力が安定した力を発揮、好調なスタートを切り、主将・鈴木(康)(経4)、期待の新戦力・内山(経2)が苦しんだものの、本学は1位・早大に5ストローク差の570ストーロク、2位で初日を終える。
 2日目、前半9ホール終了時点で本学はトップに立つ。初日に引き続き好調の矢作が77ストロークで回り、さらに初出場の鈴木(聡)(経3)も同スコアで続く。久々のAブロック昇格も目前と思われたが、強烈な追い込みを見せた神大に最終組で逆転され、つかみかけたAブロックの座は夢と消えた。
 総合スコアは1121ストローク、1位神大との差はわずか2ストローク差だった。これは、団体戦においても個人の1ストロークがいかに大切かを物語っている。このことは女子に大きな影響を与えた。

夢かなえた春

 男子の対抗戦に続いて、彼女たちの戦いが幕を開けた。
 初日、首相・大石(経4)がプレッシャーもあってか本来の力を出し切れず98ストロークを打ってしまう。しかし正確なショットが持ち味の田村(法4)が96ストロークで回り、その結果本学とともに優勝候補に挙げられる1位日本女大5ストローク差の291ストロークで2位につける。
 昇格を懸けた2日目、初日に調子の出なかった大石が91ストロークの高スコアで回り、三浦(法3)も92ストロークで続いた。そして今大会がデビュー戦となる原(経1)が本学の最高スコアである90ストロークを記録する。全員が安定したスコアを出した本学は、2日間の合計が564ストロークと2位に22ストロークの大差をつけ優勝。10年ぶりのBブロック復帰を果たし、昇格を逃した男子の無念を晴らした。

強さの秘密

「自分たちのゴルフができたから勝てた」。
 Bブロック昇格の要因を大石はこう語る。つらかったDブロック時代を経て、一昨年Cブロックに昇格。以来、彼女たちはBブロックを目指し日々励んできた。今春ついにその夢をかなえた喜びにあふれる彼女たち。では大石の言う「自分たちのゴルフ」とはどのようなものだろうか。
 まず本学ゴルフ部女子の強さは、全員で安定した力を出すことだろう。それは今大会の一人ひとりのスコアを見れば明らかである。突出した存在がいなくとも皆でスコアを出す。そこからくる一体感が彼女たちのもう一つの武器である団結力で上位に食い込むことが期待される。
 Bブロック昇格という一つの目標を達成した彼女たちが次に狙うのはAブロックだ。もっと上を目指すために彼女たちが取り組むべきは安定したチームづくり。だれがコースに出ても変わらぬ力を発揮できるチームをつくることがカギとなる。それができれば結果はついてくるはずだ。
 さらなる大きな夢をつかむべく、彼女たちは「自分たちのゴルフ」でその道を切り開いていく。

(写真=いつも部員を支えている田村。安定したスコアで優勝に貢献した)

                                    (野島)
〜記事抜粋〜


夏へ前進 フォア6位入賞 ペア8位 −ボート部−

 シーズン真っ盛りの5月31日〜6月3日、戸田漕艇場にて行われた第79回全日本選手権大会。
本学男子舵手つきフォアは堂々たるレースを展開し、見事6位入賞を果たした。また、男子舵手な
しペアも8位という好成績を収め、本学は活気づいた。
 熱い日差しの下で繰り広げられたレースを今、ここに再現する。

好漕、成長の証

真夏を思わせる太陽の下、全日本選手権は始まった。
 まず男子舵手なしペアが予選では他大に大差をつけ快勝した。続く準決勝では体力を前半で使い切ってしまったため4着、順位決定戦に回った。
 「自分たちなりに悪くないスタートを切れた」と中田(観3)は語ったが、他大と比べると出遅れてしまう。そこでの差が縮まることなくレースは佳境へ。ラストスパートを試みたが及ばず、4着、総合8位に終わった。
 続いて、男子舵手つきフォア(以下フォア)。予選では好発進を見せ、4着でゴール。迎えた準決勝、中盤でペースが落ちてしまうが、最後で盛り返して3着に滑り込み、順位決定戦に回ることになった。
 その順位決定戦では、好スタートを切る。しかし、中盤以降、立命大に追いつかれ、さらに水をあけられる。ラストスパートをかけ必死に追いすがるも結果は2着、総合6位入賞という成績で今大会を締めくくった。
 経験の浅いクルーにもかかわらず、この結果を出したことは大きな自身になったに違いない。成長を続けるクルーに、これからも目が離せない。

確かな手ごたえ

 クルーを組んでわずか2週間でレースに臨んだ本学フォアは、全日本総合6位という胸を張るべき結果を残した。「短期間の調整で全日本6位は評価したい」と主将・小野澤(経4)は語った。また、クルーのリード役である佐藤(理3)も「一レースごとにリズムが出てきて、試合運びもうまくいった」と振り返った。
 しかし、今大会で見えてきた課題もある。
 メダルへの期待に惜しくもこたえられなかったのは、スパートをかけるか否かの駆け引きで優位に立てなかったからだ。
 課題が見えてきたことで、それぞれが今後のレースへ向けて前向きな姿勢を見せている。今大会で初めてフォアを組んだ小太刀(法4)、全日本初出場の刑部(おさかべ=社3)、舵手・梅沢(法2)は、「全日本に出場できたことはいい経験になり、学ぶことが多かった」と表情は明るい。これからの本学クルーの成長に期待が持てる。
 「インカレ優勝」これが彼らの最終目標だ。ここでしっかりと目標を見据えて、今回見えてきた課題を克服してもらいたい。そしてインカレへ――。彼らの熱き戦いはまだ終わらない。

(金子、江幡) 
〜記事抜粋〜

(写真=水をつかみ、力強く艇を進める本学のフォア)

 





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