立教スポーツ第141号
<4月5日更新>

合気道部・丸山 全日本3位 

  まさに電光石火だった。1本目の技ありからわずか数十秒後、丸山(文3)の面打ちが鮮やかに決まると、会場は喜びの声に包まれた。昨年12月2日に国立競技場霞ヶ丘室内体育館で行われた第38回全日本合気道選手権大会。各地から猛者が集う中、丸山は堂々の3位を獲得し、全国にその名をとどろかせた。
 また、11月18日に日大商学部体育館にて開催された第20回日本学生合気道新人戦においても、渡辺(理1)が優勝するなど、本学の若武者たちが持てる力を存分に発揮した。

飽くなき闘争心

 丸山にとって、全日本選手権は純粋に自分の力を試すための大会であった。
 1回戦、2回戦を危なげなく勝ち上がった丸山。続く3回戦は一昨年の学生選手権の綜合乱取試合・決勝で敗北を喫した門野(札幌綜武会)との対戦だった。これまでの試合とは全く違う激しい打ち技の応酬の中丸山は会心の面打ちで技ありを取り、その後得意とする投げ技で勝負を決めた。そして迎えた準決勝、指導者の立場も兼ねる実力者の鈴木(坂戸綜武館)に対しても丸山は気後れせず積極的に攻める。しかし一瞬のすきを突かれ、決勝への道は閉ざされてしまう。
 3位決定戦へ回った丸山だったが、ここで彼は底力を見せる。相手は昨年の学生選手権・綜合乱取試合の優勝者である宮野(東京電機大)。昨年個人戦には出場していない丸山にとっては、これが因縁の対決となった。「相手は自分の得意な投げ技を意識しているはず」、そう考えた丸山は試合開始直後から素早い打ち技で相手を圧倒し、瞬く間に勝利を手中にする。全日本3位、そして学生ナンバーワンの実力をはっきりと証明した瞬間だった。
 素晴らしい成績を残した丸山だが、彼は決して満足してはいない。3位という結果を残したことへの喜びよりも、準決勝での敗北の方が強く胸に刻まれているのだ。
 「機会があればまた先生たちと闘いたい」と丸山は語る。今年度主将である彼の実力と飽くなき闘争心が彼自身、そして本学合気道部を突き動かす。
(写真=上段の構えから、一瞬の隙を狙う丸山)

伸びる若い芽

 昨年末活躍したのは丸山だけではない。1、2年生が出場した新人戦でも本学の選手は奮闘を見せた。
 特に好結果が期待された打込乱取試合では、小柄な体格ながら鋭い面打ちが武器の渡辺(写真小(左))が文句なしの優勝。また準決勝で渡辺に敗れたものの、3位決定戦では激しい打ち合いを制した中谷(経1)が3位に入賞した。
 「優勝できてうれしい」と素直に表現する渡辺だが一番大変だった試合は決勝ではなく、中谷との対戦となった準決勝だと語る。互いにやりたくない相手だったというこの試合はどちらも一歩も譲らぬ白熱した闘いとなった。相打ちの連続だったが、常に先に攻めた渡辺が小差で勝利したのだった。「勝てたのは運」と言う渡辺と「今度は絶対勝ちたい」と語る中谷。共に練習する仲間がライバルでもある。互いの成長が刺激となってさらなる成長が促される環境は彼らにとって何よりの強みだ。
 また綜合乱取試合では土屋(文2)が割澤(経2)との本学選手同士の対決に勝利し、3位をつかむ。同じく捕技乱取試合では本学から唯一出場した山崎(法2)が、そして組手乱取試合でも肩の脱きゅうを乗り越えた堀米(コ1)が最後まで闘い抜き、それぞれ3位を獲得した。
 結果に喜ぶ者もそうでない者も、現状に甘んじることなくさらに高みを目指していこうとしている。それぞれの課題を胸に、彼らの新人戦は幕を閉じた。

逆境に打ち克て

 彼らのこれからの目標は今年7月に行われる学生選手権での団体戦連覇だ。しかし昨年の優勝メンバーが3人抜け、部員の大半が1年生である現状を考えるとそれは容易ではない。団体戦を闘うには綜合乱取試合と捕技乱取試合、合わせて5人の戦力が必要となる。万全の陣容を整えるためにまずその二種目に転向する1年生を鍛えていくことから始めなければならないのだ。
 だが困難な状況もはねのけられることを、主将・丸山は身をもって示した。大会に向けて自分の練習ができたのは2週間のみ。上級生が少ないため、専ら新人戦に出場する後輩の指導に時間を割いてきた。その中で投げ技のない打込乱取を教えるうちに自らの打ち技も上達させたのである。これは今まで投げ技主体で闘ってきた彼にとって大きな意味のあるものだった。攻撃時にすきをつくりづらい打ち技の技術を上げ、彼の攻撃はより一層厚みを増した。逆境をバネにして自らを向上させた丸山は部員たちにとって最高の手本だ。
 昨年と今年のチームは違う。彼らもまた挑戦者なのだ。今、新たな栄光へと彼らは動き出した。

(仙田)
 

古豪の気迫 ―アメリカンフットボール部―

  1部で戦いたい。部員達のその強い思いは、あと一歩届かなかった。試合終了を告げるホイッスルが無情にも鳴り響く。入れ替え戦敗退―。
 しかし、昨年9月1日〜11月25日に本学富士見グラウンドなどで行われた関東大学アメリカンフットボールリーグ戦。そこでの激戦をくぐり抜け成長を遂げた彼らの姿は,敗れてもなお雄々しかった。

2季目の挑戦

 一昨年前は入れ替え戦出場さえ果たせず、2季目の2部でのプレーを余儀なくされた本学。本来ならば1部でのプレーを求められるチームとして、今季は本領を発揮したいところである。
 初戦から一気に四つの白星を挙げ勢いをつけるが、主将・宝木(観4)は「(敵が格下なだけに)もっと点差をつけたかったと毎試合のように満足はしなかった。
 第5戦は今季不調の防大と当たる。ヤードを稼ぐも、膨大のDFに要所で阻まれ、6−11で敗れる。予想外の敗戦に宝木は「弱いから負けたんです」の一言。これ以上の発言は古豪としてのプライドが許さなかったのだろう。
 続く相手は、2部最強の異名を持つ山学大である。雨天の中行われた一戦。雨は本学に味方した。第2Q(クオーター)、本学は敵陣45ヤードから柵木(ませき=経3)が独走し、先制点を奪った。この試合はDFもさえ、13−0で完封。勝ちたい気持ちがプレーに反映され、やっと満足のいく勝利をあげる事ができた。
 この時点で2位以上が確定したため、入れ替え戦出場が決まる。しかし最終戦の神大に惜しくも破れ、優勝は逃してしまった。
(写真=リーグ戦最大の盛り上がりを見せた山学大戦での柵木のタッチダウン)

注目の一戦

  12月8日、等々力硬式野球場にて、本学は2季ぶりの1部復帰をかけて入れ替え戦に挑んだ。
 対するは1部6位(7校中)の日大。常勝日大の不振はマスコミにも取り上げられ、この日の観衆は2000人を超えた。
 第1Q、日大のパスが次々と決まり先制される。第2Q、本学は並河(観2)へのロングパスが成功し勢いづくが、直後に反則を取られ乗りきれない。その後は第3Qまで一進一退のこう着状態が続く。第4Qで日大に再び得点され、本学は反撃するも力及ばず、0−14。1部復帰ならず―。夢は目前で絶たれてしまった。
 だが入れ替え戦出場による収穫は多い。ここで得たことをどう生かすか。真価が問われるところである。

激戦を越えて

 一方、今季を通して露呈された課題も収穫の一つだろう。特筆すべきはチームの痛手となったパスプレーの成功率の悪さ。また、今季は気持ちで負けていたところがあったことも否定できない。それを受けて、新主将・原(観3)はこれだけ練習したから絶対勝てるという自信をつけていきたい」と来季への意気込みを語る。
 新チームとなり、また新たに出発する本学。U−19日本代表に選出された須田(文1)を筆頭に、今季活躍した一年生たちの成長にも期待が持てる。しかし主力選手たちが抜け、まずは個々のレベルアップを図る事が最優先だ。チームプレーの組み立てには夏から取り組み始める。秋に始まるリーグ戦へと照準を合わせて、もう既に戦いは開始された。

(江幡、中村)
     〜記事抜粋〜

関東12位 日々挑戦 ―テニス部男子―

  昨年10月8日〜11月24日に本学富士見グラウンドなどで行われた関東大学テニス選手権大会。1部から7部まで参加しており、その数実に128チームにも及ぶ。4部に属する本学の力を試す絶好の場となった今大会。4連勝と幸先よくスタートした本学はトーナメントでも格上相手に健闘を見せた。結果は堂々の12位。多くの試合を通じて彼らは自信を手に入れ、深まるチームワークを感じていた。

前進あるのみ  

 関東全体の大学が参加する今大会。本学が掲げた大きな目標は、まだ見ぬ格上の相手と対戦することであった―。
 試合はシングルス3本、ダブルス2本の計5本が行われ、3勝した方が勝ちとなる。彼らは決勝トーナメントを目指し、リーグ戦形式の予選を一丸となって戦った。
 Jブロックの予選リーグで3連勝を飾り1位となった本学。しかし16校で構成される決勝トーナメントに進出するためには、Hブロック1位の成蹊大学を破らなければならない。
 試合はまずシングルスでエース・橘(観2)が圧倒的な強さを見せ1勝。続く四家(しけ=経3)も安定感抜群のテニスで相手を寄せ付けず、2−0とした。
 だが成蹊大学が一転、底力を見せる。シングルスの残り一本と、ダブルスの1本目を立て続けに取られ、2−2のタイに持ち込まれてしまう。
 勝負は飯島(経3)・宇賀神(うがじん=法3)組に託される。重圧の中、2人の集中力は研ぎ澄まされていった。この試合に勝利した本学は、見事決勝トーナメント進出を果たした。
(写真=「カモン!」気合で敵をねじ伏せる主将・宇賀神)

経験という財産

 そこで本学を待ち受けていたのは、1部に属する法大Aだった。試合は予想どおり相手が主導権を握る。
 結局、試合は法大Aからだれ一人勝つことができなかった。しかし本学が1部の大学と試合ができた経験は大きいものとなった。
 1回戦で敗れ、ベスト8の道は絶たれるも9位から16位をかけて激しい順位決定戦が始まった。相手は2部リーグ優勝を果たしたばかりの専大A.この強敵に対し、本学はシングルスで連敗してしまい後がない状態となる。しかしダブルスで反撃を見せる。見事に逆転勝利を飾った。 
 続いてベスト10をかけて法大から出場しているもう1つのチーム、法大Bと戦うも粘りが見られず完敗。最終戦の千葉大戦も惜敗し最終順位を12位として大会を終えた。
 この秋、彼らは結果以上に大きな自信を身につけた。彼らが見つめる先は、今年行われる夏のリーグ戦に絞られている。3部昇格への追い風は、間違いなく吹き始めている。

(木村、田代)
〜記事抜粋〜






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