立教スポーツ第144号
<10月4日更新>

ボート部・結実の初V

 いまだかつて達したことのない境地。ずっとみていた夢―。
 8月22日〜25日に戸田漕艇場にて行われた第29回全日本大学選手権大会で、男子舵手なしフォアが悲願の優勝を成し遂げた。全日本級の大会で優勝することは、創部54年の長い歴史において初の快挙である。
 学生日本一を決めるゴール。その時、戸田が確かに揺れていた。

最強クルー誕生
 インカレ優勝という最高の勲章を手にした本学。そこに行き着くまでには前哨戦となる全日本選手権大会で大きな転機があった。
 7月4日〜7日に同会場で行われたこの大会。男子舵手なしペアで主将・佐藤(理4)と中田(観4)が出場した。予選、準決勝と危なげなく勝ち進んだが、決勝ではスタートで出遅れ、中盤で追い上げるも及ばず、4位という結果に終わった。レース後、中田は悔しさをかみ殺してこう言った。「目指すものは変わらない」。それは「インカレ優勝」を指し示していた。
 そして、本学は大きな決断をした。インカレを制するには実力と経験が不可欠と考え、4年生にすべてを託すかけに出る。ペアの2人に岡本(法4)、刑部(おさかべ=社4)を加えた男子舵手なしフォア(以下なしフォア)がここに誕生した。そして本学はインカレを迎える。(写真=優勝をつかんだ瞬間、四人はこぶしを突き上げた。左から刑部、岡本、中田、佐藤)

いざ決戦の時
 全国の強豪がインカレ優勝に照準を合わせ、戸田に集結する。
 本学なしフォアは予選で関西の伝統校・立命大と顔を合わせるが、強気の漕ぎで大差をつけて準決勝進出を決めた。
 続く準決勝。序盤から明大に差をつけられ、2位を争う展開となる。終盤に入り、東海大に抜かれてしまうが、自信に満ちた本学は残りわずか数メートルのところで東海大をかわす。際どいレース運びにも、刑部は「これで気を引き締めて明日に臨める」をあくまで前向きに話す。
 大会最終日。最後のレースを迎える四人は決勝を「集大成」と位置付け、意気込んでいた。レーンには今まで勝ったことのないそうそうたるクルーが並ぶ。すべてをかける勝負の時がついに来た。
 本学は絶好のスタートで他大学を突き放す。1000メートルに差し掛かり、佐藤がつぶやく。「行けるぞ」。その時クルーは勝利を確信した。他大の追い上げにも気を抜かない。ゴール寸前、佐藤がガッツポーズ。戸田で戦い続けた四人。念願の優勝を果たした瞬間、金メダルと共に彼らは最高に輝いていた。

(田代、新屋)
    〜記事抜粋〜
 

1部残留-この座、渡さない!-

 1部昇格から一年。今年は、残留を目指して関東学生選手権に挑んだ。
 初日、2日目と堺(法4)、清水(法2)、福田(経2)が得点を重ね、本学は9校中暫定7位に。この順位を守りきれば1部残留。最終日、命運は福田の泳ぎに懸けられた。

託すは自由形


 大会2日目の百b自由形では準優勝に輝くものの、二百bで経験が浅くペース配分が分からない。それでも、予選を余裕で通過し、決勝レースへと向かう。前半からハイペースで泳ぎきった結果に種目続けて準優勝を勝ち取った。大きく得点を伸ばした本学は、最後のリレーを待たずして1部残留を確実なものにした。
 背泳ぎを専門にしていた彼が自由形に転向したのは今年の6月。わずか2カ月の間に1部で十分戦えるレベルになった。ここで得た自信が今の彼の原動力だ。
 急成長を遂げている福田は自らの実力を未知数と分析し、今年を朝鮮の年と位置づけた。しかし。今回の残留は福田の力なくしてはありえなかったもの。自由形でようやく結果を出し、水泳への情熱は高まるばかり。その秘めた実力は計り知れない。(写真=福田の力強い泳ぎが本学を1部残留へと導いた)

強さを本物へ

 日本選手権出場レベルの選手が多数集う1部。2部との差は数字を見ても歴然だ。
 実際、1部のレベルの高さに本学は苦しんだ。しかしそのような中、主力選手である堺、清水、福田が決勝へ進出。威容を誇る1部の決勝で実力を見せつける。そして果たした1部死守。80余年の歴史を持つ本学水泳部は、近年1部にあがってもそれを守り抜けずにいた。昇格よりも難しい残留。その快挙を23年ぶりにやり遂げた。
 しかし得点源の一人であった堺は引退。今後は自由形の福田と背泳ぎの清水、この二枚看板が部を引っ張ることになるだろう。1部としての誇りを持ち強さを本物に出来るのか。越えるべき山は大きい。
(水上、塙)
〜記事抜粋〜

 

勝ち取った!3部昇格

 春季関東学生卓球リーグ戦が6月1日・2日、一橋大体育館で行われた。本学の前に立ちはだかるライバル・一橋大を破っての全勝優勝。夢に大きく近づいた本学は入れ替え戦に出場し、念願の3部昇格を果たした。今、激闘のリーグを振り返る。

宿敵に挑む

 「絶対に3部へ勝ち上がる」と昇格への気合十分に戦いは始まった。
 東京国際大との第1戦、主将・松柳(文4)と小椋(理3)のダブルスがフルセットまでもつれ込む接戦を制す。本学は勝負強さで順当に初戦をものにした。
 第2戦、対するのは昨年辛酸をなめさせられた一橋大。しかし実力校からポイントを奪うのは難しく、悔しくもセットカウント1−3で松柳は敗れてしまう。だが2番手の油原(経1)が貴重な勝ち星を挙げると、その勢いを受けてダブルスも絶妙なコンビネーションを発揮。食い下がる一橋大ぺアを執念で振り切った。そして鎌田(社4)のシングルスは残念ながら敗北を喫する。勝負はラストの小椋で決まることになった。
 最後の最後まで競り合いを続けた結果4点差で勝利。ここ一番で殊勲をたてた小椋を、ベンチは全員立ち上がり笑顔で迎えた。
 強豪への1勝で勢いづいた本学は茨城大、東京農工大、防大を次々に破る。9年ぶりに4部リーグ優勝を遂げ、入れ替え戦出場権を懸けた決定戦へと進出した。(写真=互いを信頼しあう名ダブルス。右から松柳、小椋)

激戦を勝ち抜き 

 6月16日、中央大体育館で東海大との決定戦が行われた。ゲームカウント3−1で勝ち、入れ替え戦にこまを進めた。
 そして同日、千葉大との入れ替え戦。鎌田の1勝に続いて松柳も大差をつけてのストレート勝ち。終始主導権を取る展開で2勝目を挙げる。3番手の金指(かなさし=理1)は負けはしたものの、先の二人がつくった良い流れを、本学が誇る名ダブルスにつなぐプレーを見せた。そしてダブルスは3セット目で9点を連取するなどの積極的な攻撃で相手ペアを破る。
 昇格への王手がかかったところで、ベンチの期待を受け戦うのは小椋。相手のミスで試合が決まったその瞬間追い続けてきた3部昇格の夢が実現。達成感と喜びで、部員たちの流す涙は止まらなかった。
 そして9月9日・10日、東経大東村山体育棟で行われた3部秋季リーグ戦において、本学は3位という結果を残した。リーグ終了と同時に、チームの主軸を務めた4年生が引退。得点源の補完と総合力の向上を課題とし、卓球部は3部で迎える春を待つ。
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(湯田)
〜記事抜粋〜






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