立教スポーツ第145号
<12月6日更新>

自転車部・絆の証

 2002年インカレ、この大会で本学は総合8位入賞という快挙を達成した。それはケイリン2位、タンデムスプリント7位、チームスプリント8位、そしてロードレース8位、15位という選手たちの大活躍のたまものだ。
 本学自転車部全員の団結なくしては語れない。まさにチームワークの結晶だった。

好発進
 今大会は8月30日〜9月2日、日本サイクルスポーツセンターで行われた。
 最初の種目はスプリント予選。これに出場した加藤(法4)は本戦進出こそならなかったが、自己ベストを大きく上回るタイムを記録。続くタンデムスプリントではこのペアとしては初挑戦の菅野(法4)・齋藤(経3)組が短い調整期間とは思えぬ快走を見せる。そして本学歴代1位の記録を出し、実力校も抑えて予選を3位で突破した。
 2日目、昨年5位に入賞したチームスプリント(旧オリンピックスプリント)予選では、齋藤・ボベラト(文3)・菅野組が出場。昨年とは違うメンバーながら8位に入り、2年連続の入賞を果たした。
 一方、タンデムスプリント1/4決勝(準々決勝)では強豪・日大と当たる。菅野と齋藤がペアを組んで始めての対戦形式となったこの戦いは、経験の差が響き敗退してしまう。
 また、菅野はケイリンにも出場。走力の高い彼は、予選を順当に2位で通過すると、続く1/2決勝でも3位でゴールした。その結果。3日目の決勝へとこまを進める。
(写真=主将・菅野、インカレの風を切る)

夢に近付いた日
 大会3日目。大事なレースが続くこの日、本学は強さを見せつけた。
 まず、菅野・齋藤組がタンデムスプリントの5〜8位決定戦に出場した。しかし敗北を喫し、7〜8位決定戦に回ることに。
 そして迎えたレース。鹿屋体大を相手に1本目を落としてしまうが、続く2本目3本目に連続で勝利し7位となった。
 圧巻だったのはケイリン決勝での菅野の走りだった。レースは序盤から息の詰まる展開が続いた。しかし勝利への執念を燃やす男は一瞬の隙を見逃さなかった。開いたスペースから一気に飛び出しうまく混乱を抜け出した菅野は、2着でゴールイン。「表彰台にあがるのが目標だったので嬉しい」と満足げに語った菅野。部員の誰もが彼をたたえ、共に歓喜した。
 三日間でトラック競技はすべて終了し、この時点で本学は総合10位。8位までが入賞のため、好位置につけたといえる。最終日のロードレースにすべてを懸ける。

結束は力なり
 ついに決勝の日。最終日の四日目、今大会最後の種目となるロードレースが行われた。
 開始早々、ボベラトが先頭集団を引っ張る。出遅れた福士(法3)もペースを上げ徐々に先頭に追い付いていった。チームワークがさえ渡った本学は、ボベラトが8位、福祉も15位に入る活躍を見せた
。この種目では、21年ぶりの入賞ということになる。
 四日目に及ぶインカレは幕を閉じた。本学が積み重ねた対抗得点は17位。強豪校がひしめく今大会で、総合8位という栄誉を手にしたのである。本学のインカレでの総合入賞は、実に25年ぶりののこと。さらに、表彰台に立ったのは16年ぶりだ。
 勝利のために仲間と力を合わせる姿。喜びを分かち合う姿。そこには、確かなきずながあった。

(仙田、大場)
    〜記事抜粋〜
 

やった!2部昇格―サッカー部

 1年で戻る――。降格した昨季、本学サッカー部はそう誓った。その悔しさを胸に、彼らは戦い続けた。9月1日〜10月13日に本学富士見グラウンドなどで行われた第35回東京都大学サッカーリーグ戦。本学は全勝こそ成らなかったが、無敗の優勝で有言実行の2部昇格を果たす。

信念が導く

 開幕から2連勝し、波に乗った本学。惜しくも第3節で連続無失点記録は途切れたが、着々と勝ち数を積み上げていく。
 10月6日の第6節、相手はここまで4勝1分けの東工大。前半は相手に再三攻められ、苦しい時間帯もあったが、主将のGK・島崎(文4)の好セーブでしのぐ。すると攻撃陣も奮起し、本学が得意とする左サイドからの木村(法3)の突破などで好機をつくり始めた。だが得点には結び付かぬまま前半が終了する。
 後半に入っても、こう着状態が続く。だが、この均衡を破ったのは本学だった。後半23分、大石(経3)のFK(フリーキック)を起点に、吉木(経3)がゴール。その貴重な1点を全員で守り抜き、勝ち点3を奪取した。これで最終節を引き分けても優勝、さらに2部昇格が決まる形となった。
 その最終節、勝たなければ優勝できない明学大が、終始本学のゴールに襲い掛かる。だが、何度も訪れたピンチを切り抜けた本学はこの試合を引き分け、欲しかった栄光を手にした。
 選手たちは自分たちのプレーをすれば一年で返り咲けると信じ、戦ってきた。そして、再び2部の舞台で戦えることが決まったその時、彼らの表情には達成感があふれていた。
(写真=あれから1年…、サッカー部に笑顔が戻った)

「勝つ」ために
 3部で戦ってきたこの一年間、彼らの中には「2部のプライド」が見え隠れしていた。「3部には負けられない」。突き動かされるように勝利を求め続けた。
 リーグ一の守備力を誇るDF陣は7試合で2失点という記録を残している。島崎の負傷により、第5節までゴールを守った1年生GK・岡田(社1)を助け、この好記録を生み出した。
 今季は、島崎に限らず負傷者が多かった。慣れないポジションでプレーする選手もおり、チームは決して万全な状態ではなかった。そうした中にあっても、彼らの意識の高さが「負けない」チームを維持し続けた。しかし今後2部で「勝つ」ためには、より一層の攻撃力の強化が求められる。
 優勝を喜ぶ一方で、選手たちは全勝を逃した悔しさも感じていた。その要因の一つが「得点力不足」だったことは否めない。特にFWの得点はチームを盛り上げる発火剤としても、勝敗を大きく左右する。FW陣のさらなる成長が望まれる。
 4年生不在の試合が5試合を占めた今季。そのため、大きな戦力ダウンもなく新体制を始動することができる。新主将・大石を中心に、「負けない」チームから「勝つ」チームへと着実に実力を伸ばしていくはずだ。逆境に打ち勝ったこの一年間を無駄にしないためにも。
(丹下、水上)
〜記事抜粋〜

 

現れた剛腕力士―相撲部・小澤

 近年部員不足に泣かされていた本学相撲部。だが今年、ようやく部員が5人そろい、人数を欠くことなく団体戦に出場することが出来た。部が活気づく中、新戦力である小澤(法1)がやってくれた。全日本、東日本という大きな土俵の上で躍進する。新星誕生はあまりにも鮮烈だった。

頂点を狙える男
 入部当初から本学のエースとして期待されていた小澤が頭角を現した。
 靖国神社相撲場で9月14日に行われた第29回東日本学生相撲個人体重別選手権大会。小澤は3回戦まで難なく進出、ベスト8入りを決め、全日本大会の出場権を手にした。
 3回戦の相手、日大・仲宗根(なかそね)はジュニア世界選手権の優勝者。しかし、果敢に攻めていったことが、押し出しで勝利。準決勝は昨年この階級を制覇した日大・田中と対戦する。立ち合い直後に前回しを取られ、耐え切れずに敗北を喫してしまう。3位が決定し、10月6日に大浜相撲場で開かれる第27回全日本学生相撲個人選手権大会へと気持ちを切り替えた
 全日本大会前、小澤は足を負傷し万全な状態ではなかったが、彼はこの大会でも優勝を狙った。1回戦を危なげなく勝つと、続く2回戦の相手は昨年この階級で日本一、そして今大会2位となる龍谷大・益(ます)だった。足の痛みがさらにひどくなり、小澤は思うように闘えず敗退。ベスト8という結果に終わった。しかし最高レベルの大会に出場し、勝ち星を挙げたことはよい経験になったに違いない。 
(写真=緊迫した空気の中、集中力を研ぎ澄ませる小澤。狙うは優勝だ)

全勝への道
 9月21日・22日にかけて靖国神社相撲場で行われた第51回東日本学生相撲リーグ戦においても、小澤がその実力をみせてくれた。3部で活躍し、団体戦において全勝した個人に与えられる敢闘賞を獲得したのだ。
 初戦の相手は日医大・加藤。小澤は押し出しで勝利する。続く2戦目、東大・大山は110`の巨漢。73`の小澤にとっては不利な相手だったが、40`近い体重差をものともせず、下手投げで見事に勝利。
 勢いづいた小澤は、この後も確実に白星を重ねていく。3戦目は東京慈恵医大・大村を押し出しで、4戦目は寄り切りで慶大・前田を下した。5戦目、6戦目はともに押し出しで勝利。落ち着いた試合運びでリーグ戦すべての試合に勝利し、敢闘賞を手にした。
 「全勝が目標だったので達成できて良かった」と喜びを語った小澤。高い目標を掲げたからこその偉業だ。1年生にしてのこの怪物ぶりには、今後も期待が持てる。
 今回、団体での成績は3部4位。まだまだ発展途上の部であることは確かだ。今後の試合でも小澤を筆頭に頑張ってもらいたい。

(丹下、中村)
〜記事抜粋〜

準硬式野球部・本領発揮

「あと一歩」。選手たちは涙をのんだ。
 東京六大学準硬式野球秋季リーグ戦が8月31日〜10月27日、大田スタジアムなどで行われた。本学は9勝3敗で全日程を終え、試合を残すライバル・法大の結果を待った。結局、最終戦で法大が勝ったため、本学に歓喜の瞬間は訪れなかった。
 だが、個々が持てる力を存分に発揮し、シーズンを通して抜群の攻守バランスを見せるなど、実力の高さを見せつけた。

蘇った勢い
 今春の結果は本学ナインにとって屈辱そのものだった。投打のバランスを欠いた苦しい状況に加え、相次ぐ主力打者の故障で戦力が低下し5位に終わる。特に木下(理)(法4)、西澤(経4)の離脱は響いた。昨秋の覇者としてのプライドを胸に、秋へと挑んだ。
 開幕の明大戦。投手陣の乱調で第1戦を落とすも、第2戦に待望の新戦力が登場する。リーグ戦初先発ながら、7回2安打無失点に抑え、勝利投手となった上原(経1)である。鋭い直球と緩いカーブで強打者たちを手玉に取る姿は周囲に強烈な印象を与えた。
 続く第3戦。第1戦の借りを返したい植村(法3)が力投し、試合の流れをつくる。すると中盤、一人の男が勝利をもたらす打撃を見せる。木下(理)の2打席連続本塁打。鮮やかに逆転し勝ち点をもぎ取った。
 明大戦勝利の立役者、木下(理)。秋、三番打者として戦列に戻るとすぐさま打線の核として大活躍した。それに加えて正捕手・西澤の復帰。頼れる四番打者というだけでなく、扇の要として守備面でも唯一無二の存在である。新エースとして急成長を見せた上原を高く評価し、お互いに信頼し合う。
 見事に復活を遂げた4年生たちを軸にチームはまとまりを見せる。そして迎えた慶大戦。上原の好投や木下(理)の猛打により初戦を制す。第2戦も窪田(経4)の適時打などで快勝し、破竹の4連勝。勢いに乗るナインは「勝てる」という自信を得て春の王者・法大に立ち向かった。
(写真=鋭いバッティングでチームを勢いづけた首位打者・木下(理))

死力尽くす
 両チームとも、絶対に取りたい第1戦。2点をリードされて迎えた九回、本学は二死から結城(経4)、砂押(経4)、窪田の3連打で意地を見せ、同点に追いつく。しかしその裏、失点し無念のサヨナラ負け。
 このままでは終われない第2戦。先発・植村が持ち前の粘りの投球で大量点を与えない。打線も4安打の結城を筆頭に発奮し、投打がかみ合い快勝する。
 勝負の第3戦。先発・上原が四回、連打を浴び2点を失う。しかし本学は七回に窪田、九回に結城が適時打を放ち、延長戦に持ち込む。十回表、1点を奪われるが、勝負を捨てない本学は気迫を見せ同点にする。
 ところが十一回、再び1点を失ってしまう。反撃したい本学だったが、法大のエース・関口の壁は厚く、ついに力尽き惜敗。勝ち点獲得はならなかった。
 悔しさをにじませながらも、「早く気持ちを切り替えたい」と語った主将・大山(経4)。その言葉通り残り試合に集中し、早大、東大相手に4連勝を収め、シーズンを終えた。
 優勝こそ逃したが、持てる力は出し切った。そのことが、西澤、窪田、結城、木下(理)、砂押の五人がベストナイン受賞という快挙に結び付いたのは確かだ。中でも打率4割3分8厘をマークし、首位打者賞にも輝いた木下(理)は「素直にうれしい」と個人タイトル獲得の喜びを語った。
 彼ら4年生が抜ける来季。特に打撃力の低下が懸念されるが、上原、植村を擁する投手陣を中心に、粘り強く戦ってほしい。

(新屋)
    〜記事抜粋〜

スケート部フィギュア部門・最盛期到来へ

 今、本学にはかつてないほどの活気が満ちあふれている。その要因として若き2人のエース、宇田川(観1)と加賀山(法2)の活躍が挙げられる。特に加賀山は男子シングルとアイスダンスの二部門で試合に出場し、並外れた存在感を見せた。

全日本目指して
 トップクラスの選手たちが集結する2002東京フィギュアスケート選手権(東日本大会東京地区予選)。10月12日〜14日、明治神宮アイススケート場にて行われた今大会で、宇田川が選手権女子の部に出場した。
 この部は女子においては最高レベルの部、しかし宇田川の実力ならば、15位以内に入って東に本大会への出場権を得ることは決して難しいことではなかった。しかし慎重になり過ぎてジャンプが決まらず、大会2日目のショートプログラムで18位と大きく出遅れてしまう。
 「やるしかない」とコーチの激励を受けて臨んだ翌日のフリー演技。技術点、表現点ともに高得点をたたき出し、一気に総合11位へ躍り出る。土壇場でのばん回で東に本大会出場権を勝ち取った。
 そして、されに厳しい戦いが予想される第28回東日本フィギュア選手権大会。11月2日から4日に帝産アイススケートトレーニングセンターで行われたこの大会、宇田川のできは悪くなかった。しかしやはり周りのレベルは高く、全日本大会に進むことはできなかった。課題を克服し、来年こそ全日本進出を誓う。
(写真=今季から挑んだアイスダンス。加賀山も演技に気持ちがこもる)

未知の境地へ
 本学においては加賀山の存在も忘れてはいけない。今年から慶大と小田と組んで、新境地となるアイスダンスにも挑むこととなった。
 東大和スケートセンターで10月19日〜20日に行われた第40回関東学生フィギュアスケート選手権大会。アイスダンスは競技人口が少ない。そのため、参加ペアは彼ら一組のみであった。
 まず最初のコンパルソリーダンス(規定のステップを決められた順番に滑らなくてはならないダンスのこと)を無難にまとめた二人であったが、二種類目でまさかの転倒。しかしこの失敗があったにもかかわらず、3点台後半を出したということは賞賛に値する。
 一方、最終種目のフリーでは3回のリフトを成功させ、その美しさで観客を魅了した。
 インカレ出場をすでに決めている彼ら。入賞はほぼ確実とされている。全日本、そしてユニバーシアードをも十分狙える彼らに寄せられる期待は大きい。

(西野)
〜記事抜粋〜







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