立教スポーツ第147号
<6月6日更新>

少林寺拳法部・入魂の力炸裂


 常に好成績を出し続ける本学少林寺拳法部が、一段と華々しい結果を残した。5月4日、日本武道館にて行われた第40回関東学生大会。強豪のひしめく中、本学は女子単独の部で優良賞、女子段外の部で敢闘賞、そして女子三人掛けの部では最優秀賞を受賞した。とりわけ河野(文3)は女子三人掛けと女子単独の二部門で受賞する大活躍を見せる。今大会本学女性拳士は武道館に満開の花を咲かせた。


独力の勝負

 女子単独の部への出場は初となる河野。単独演武は拳士の真の技量が問われる部門であり、出場する拳士も実力者がそろう。競技は演武形式で、けりや突きなどの技の正確度、表現度、全体の構成などが評価されその得点を競う。
 「緊張した」という河野だが、予選の彼女はそれを感じさせない。本選では予選を越える集中力を見せる。重要なポイントである目配りもしっかり行い、ほかの拳士に引けを取らない演武となった。
 これまで河野は出場したすべての大会で入賞を決めている。そして今回も彼女はやってくれた。見事、事実上の3位となる優良賞を受賞したのだ。女子単独への河野の挑戦は予想以上の成功を収めた。
 この部門で河野は自分より段位が上の拳士を抑えて入賞した。このことから彼女の底知れない勝負強さがうかがえる。河野はほかの拳士と競い合ったことから「目標ができた」と語り、さらなる技術の向上に意欲を燃やした。今や本学を代表する拳士となった河野。その成長は部全体の成長にもつながるに違いない。(写真=気合の声を響かせ河野が渾身の蹴りを放つ)


関東一の舞台へ
 今大会で本学が新たに挑戦したのが女子三人掛けである。メンバーは、女子単独にも出場した河野と後藤(観3)、花田(観3)。後藤は昨年の同大会で、河野と共に女子段外に出場し敢闘賞(事実上4位)を受賞している。
 迎えた本選、彼女たちは自分のすべてを出し切るつもりでコートに立った。予選に比べてスピードを抑えた立ち回りで、丁寧に技をこなしていく。三人は常に緊張感を保ち演武を終えた。それは大満足と言える内容だった。
 そして受賞の期待が高まる中、三人に驚きの結果が告げられる。最優秀賞――。関東一の演武を認められたのだ。最優秀賞受賞者は最後にもう一度、会場中の注目を浴び演武を披露することができる。名誉ある舞台に三人は受賞の幸せをかみしめた。
 受賞の喜びとともに、彼女たちは技の構成などで支えとなった部員、諸先輩への思いを語った。部の力と自身の努力が産んだ快挙。三人の笑顔は関東一の称号以上に美しく輝いていた。


進化し続けて
 大学から少林寺拳法を始めて1年程の坂井(社2)と森田(文2)も、今大会で活躍した拳士である。着実に練習を重ねてきた二人は女子段外の部に臨んだ。大会出場経験は少ないが、安定した動きを見せ目標であった予選通過を達成する。
 さらに本選では二人の安定感が増し余裕さえうかがえた。流れるような突きやけりの連続はさえて、的確に相手の急所をとらえた。そして結果は敢闘賞を受賞。「びっくり」したと言う彼女たちはうれしげにほほえんだ。
 今大会、本学は賞に手が届かなかったものも含め8部門中5部門で予選を通過した。誇れる成果のカギを握るのは、技の正確性だ。一つ一つの技の意義を確認しながら、技術を高めていく。これは相手を倒すことを一番の目的としない少林寺拳法にとって大切なことである。また、部員どうしの結束も非常に強い。部の大黒柱となった3年生と、1、2年生の間に信頼関係が見て取れる。
 全員が発展途上であり、その自覚もある。誠実な練習への姿勢から、秋の全日本では今大会以上の成績が期待できるはずだ。止まらぬ彼らの躍進劇は、まだ序章にすぎない。
(伊達、落合)

洋弓部女子・来季も1部で輝き放て



 入れ替え戦に回りながらも1部残留を果たしたあの春から1年。女子リーダー・長戸(コ4)はリーグ戦前「入れ替え戦には行かない」と決意をあらわにした。3月30日〜4月27日に東海大レンジなどで開かれた関東学生1部Bブロックリーグ戦に挑んだ洋弓部女子。意識を高く持って戦った彼女たちは、昨年に続きその決意を現実のものとしたのだった。


重ねた激戦
 リーグ戦は厳しい戦いが予想されていた。日体大、拓大など1部上位校との実力差は歴然としており、1部のいすは限られてくる。1部に残るにはほかの3校との試合で確実に勝利しなければならない。
 本リーグ、女子の試合は1チーム7人で構成され、50b射的、30b射的をそれぞれ6射(=6エンド)ずつ行い、得点の高い上位4人の合計点を競う。
 初戦、本学は日体大と当たり黒星でスタート。続く第2戦の学習院大戦では強風の中で健闘するが、いまひとつ得点を伸ばせずこの試合も落としてしまう。
 もう負けは許されない本学。だがこの状況がかえってチームを奮起させた。芝浦工大との第3戦ではエース・内山(法4)が実力を発揮する。結果はチーム新記録となる2218点を打ち出し、待望の一勝を挙げる。
 だが第4戦は拓大との地力の差を覆すことができずに敗れる。リーグ最終戦の相手は玉川大、ともに1勝3敗同士の顔合わせだ。この試合に勝った方が1部残留、負けた方が2部との入れ替え戦。最終戦は文字通りの決戦となった。(写真=最終戦のレンジに立つ7人。声を出し合い矢に力を込める)


一致団結の力
 そして玉川大戦。試合会場となったのは、昨年の入れ替え戦で勝利して残留を決めた慶大日吉レンジ。本学にとって相性のいい場所だ。
試合開始から主導権を握ったのは本学だった。50b射的終了時点で、玉川大を一歩リード。気を引き締めて、本学は30b射的に臨ん結果、今季2度目のチーム新記録をはじき出し2239−2210で玉川大に勝利。本学は2年連続で1部残留を達成した。リーグ戦で1勝もできずに入れ替え戦に行った昨春。本学は確かな成長を証明したのだった。
 今リーグをもって、主力であった4年生は引退する。長戸から引き継がれ、新女子リーダーを務める後藤(文3)は今後の目標を、(自分たちが1年生の時の)4年生がつかんだ1部の座をこれからも守り続けること、とした。下級生の成長も著しく、明るい材料も多いが、中心となるエースの不在が懸念される。しかし、今までも数ある課題を団結して、確実に乗り越えてきた彼女たち。来季も1部で戦えるという誇りを胸に、本学は今新しい一歩を踏み出した。

(伊達、杉野)


空手部・技冴える

 勝利に次ぐ勝利――。本学空手部は今年度初の試合で快挙を成し遂げた。
 3月30日に駒沢オリンピック公園総合運動場体育館にて行われた第22回全関東空手道競技大会。和道会に所属する猛者たちが集う今大会で原(法3)が敢闘賞、上野(法4)が3位入賞と男女ダブル入賞を果たした。その活躍がここによみがえる。


勝ち得たもの
 先に行われたのは上野が出場した一般女子個人戦。1回戦シードで迎えた2回戦、上野は落ち着いて勝利をものにする。続く3回戦も圧倒的な強さで準々決勝へ駒を進めた。ここで女子の試合は中断され男子の試合が行われた。
有段者のみで競われる一般男子の部。選手は上野の健闘を目の当たりにし、士気を高めていた。コンディションが万全とは言えなかった原だが試合が始まってみると次々に勝ち上がり、4回戦まで進出する。
4回戦は接戦で延長戦までもつれ込む。そこでも積極的な攻めでポイントを奪い、準々決勝進出を決めた。対するは強豪・明大の選手。原は臆(おく)することなく攻撃を仕掛けていくが、格上の相手に惜しくも敗れてしまう。しかしベスト8に当たる敢闘賞を得たことは、彼にとって大きな成長の糧となるはずだ。
準々決勝の相手は黒帯の選手。今まで以上に警戒していたという上野は順調にポイントを重ねて見事勝利し、3位を確実なものにした。準決勝で敗退したが、女子を率いる立場にある上野が入賞を果たした意義は大きかった。 (写真=全力で放つ原の一撃。勝ちへの執念が感じられる)


今は前を見て
 本学空手部が所属する空手道連盟和道会の関東大会において、個人の部で誇れる結果を出した原と上野。また、4月13日に法大市ヶ谷体育館にて開催された東京六大学空手道大会では木村(理4)が男子個人の部で3位まで勝ち上がるなど空手部は優秀な成績を残している。
しかし、その一方で部内には不安な要素がある。現在主力である3、4年生を除くと、2年生は女子が一人、1年生は男子が一人しかおらず、部員が不足しているのだ。このままでは、いずれ団体戦の出場も危うくなる。団体の部でも今以上に勝ち進むことを望む本学としては、そのような事態は避けたいところだ。
それでも選手たちは、今できることに全力で取り組むしかない。常に方針を定めて鍛錬しなければ、決して強くなることはできない。
チーム全体の強化を図っている空手部。これからも勝ちにいく空手でさらに上をめざす。

(水上、内山)








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