立教スポーツ第155号
<12月3日更新>


準硬式野球部・王座に迫る 秋季リーグ戦2位

六大学の頂点に輝くのはただ一校。その栄冠をめぐる戦いが再び始まった。8月28日〜10月24日まで早大東伏見グラウンドなどで行われた東京六大学準硬式野球秋季リーグ戦。好投手がそろう戦力均衡の中、各校が星をつぶし合う大混戦が続いた。
 今年の春季リーグ戦まで、3季連続Bクラスに沈んだ本学は意気衝天として雪辱に燃え、秋へと挑んだ。そこでは本学の、選手皆が勝利の立役者となる「全員野球」の真価が問われることとなる。

(写真=今季成長を見せたエース・上原。平常心で相手に向かう)

出だし好調

 本学は開幕直後、東大を相手に2連勝し、好スタートを切る。続く相手は、リーグ3連覇中の明大。東大戦では12奪三振の好投を見せた上原(経3)が本学のマウンドに立つ。対するは明大・柳野。早くも訪れた山場はエース対決となった。
 九回を0−0で終え延長戦へもつれ込む。互いに譲らぬ展開の中、本学は十三回表に一死三塁の得点機を得る。ここで桐澤(社2)がスクイズを決め、大事な初戦を物にした。
 続く2戦目は点の取り合いとなり、一進一退の白熱戦が続く。六回表に連打から逆転されたが、八回表に一死満塁で期待を一身に背負った森(経4)が持ち前の勝負強さを発揮。三塁打を放ち逆転に成功する。本学は王者・明大から勝ち点を奪い取った。主将・川内(文4)も「後半で逆転できて春とは変わった」と本学の実力を確信した。その言葉通り慶大も下し、破竹の6連勝を果たした。
 勢いに乗り、迎えた法大戦。しかし強力打線を前に序盤の失点を覆すことができない。勝ち点を逃してしまい、法大の厚い壁を破ることはできなかった。
 優勝の可能性が残る中、迎えた早大戦。初戦は得意のスクイズで逆転勝利を収める。しかし、2戦目は石井(経1)が好投するも惜敗してしまう。何としても譲れぬ3戦目、本学は逆転を許し、勝利を目前にして早大から勝ち点を奪うことができなかった。
 優勝した法大に次ぎ2位で本学の秋は幕を閉じた。優勝が視界に入っていただけに、悔しさの残る結果となったが、本学は春から確実に進歩を見せた。

低迷からの脱出
 優勝こそ逃したものの4季ぶりのAクラス入りを達成した本学準硬式野球部。しかし、ここに至るまで彼らは数々の困難に直面してきた。
 上位を目指し挑んだ春季リーグ戦でまさかの4位。それは3季連続Bクラスという、厳しい現実だった。しかし彼らはしっかりと結果を受け止め、自身を見つめ直した。「基本の差が勝敗を大きく分ける」と語った川内。夏は攻守ともに、基本に立ち返った。バントやサインプレーなどの練習を徹底し走り込みを強化した。
 そして迎えた秋季リーグ戦、バッテリーの活躍がチームを支えた。切れのあるストレートと変化球の緩急を巧みに使い、相手の打線を封じ込めるエース・上原。防御率1・23と個人投手成績3位に食い込む彼の成長は捕手・猿田(法3)の積極的なリードを生み、強気の守りは攻撃の勢いへとつながる。打率3割台を記録した川内、猿田を軸にバント、盗塁、スクイズなど足を使った攻撃が要所でさえ渡った。
 「負ける気がしなかった」と猿田。互いに信頼し合いベンチと選手が一体となって戦い抜いた今季。主将・川内を中心に、チームが一つとなってつかんだAクラスだ。しかしこの結果に彼らは満足しない。「優勝しかない」。この思いを胸に、再び本学の挑戦が始まる。 

継がれる意志
 秋季リーグ戦2位と、春の4位から大躍進を遂げた本学。それを象徴するように本学からベストナインに現主将・川内と次期主将・猿田の二名が選出された。
 「チームを完ぺきにまとめるのは難しい。副将と協力していきたい」と控えめながらも仲間と共に新チームをつくっていく決意をする猿田。彼は入部して以来、チームの低迷を憂慮していた。「川内さんが今秋つくった良い流れは崩さない。来季の目標は優勝。すべてにおいて厳しく質のある練習をしていく。責任は自分が負う」と猿田は語る。引退となる川内も「2位は猛練習の成果。今後も妥協してほしくない」とエールを送った。
 来季への期待は膨らむ一方だ。レギュラーメンバーのほとんどは残留する。先発で規定投球回を投げた石井や俊足、強肩の外野手・萬(よろず=文1)など、若き力が台頭。彼らが経験豊富な2、3年生とかみ合えば、六大制覇も十分に狙える。今から来春の開幕戦が待ち遠しい。

(古屋、大橋、古矢





スケート部フィギュア部門・氷上の星 鳥居 東日本3位


 一見、普通の大学1年生。しかし銀盤に上がると彼は屈指のスケート選手へと変ぼうする。
 10月29日〜31日に宇都宮市スケートセンターにて行われた第30回東日本フィギュアスケート選手権大会。自由選抜入試で本学へやってきた実力派新人・鳥居(経1)が前評判にたがわぬ力を見せつけた。並み居る強者を退け3位入賞。3回転ジャンプを当然のように決める選手の中で、鳥居が見せた演技は、周囲を魅了する素晴しいものだった。

(写真=流れるような美技で観客を感動させた鳥居。素質は一級品だ)

魅せる演技
 「まさか3位に入るとは思わなかった」。大会後、鳥居は予想以上の結果に驚きを隠さなかった。だが、彼の演技はこの順位にふさわしい出来栄えを見せた。
 初日のショートプログラム。彼はほぼ完ぺきな滑りを披露し、4位につける。自信のあったスケートの技術点で2位を記録するなど能力の高さを証明した。
 息のつけないショートプログラムの構成に、鳥居は「疲労が激しかった」と言う。翌日は一日休養に充て最終日のフリースケーティングに挑んだ。
 彼の強みはジャンプをプログラムのどこに入れても跳べること。「一発屋ではないので」という言葉通りの演技が展開された。
 最初は得意のダブルアクセルからのコンビネーションを確実に決めた鳥居。トリプルトウループ、トリプルサルコウと3回転ジャンプを随所に織り交ぜながらプログラムは中盤へ進む。
ここで「やってみたかった技」の1つ、トリプルループを跳ぶが失敗。しかし「集中してできた」という鳥居は、そこから2回連続で難易度の高いコンビネーションジャンプを成功させる。フリースケーティングの最後をきれいなスピンで締めくくった鳥居は、堂々の3位に入った。
これにより彼はユニバーシアード選考会と全日本選手権の出場を決めた。ジュニア時代は2度の全日本出場経験を持つ鳥居だが、3年前に記録した14位が最高だ。それだけに今回の上位進出への思いは強い。
 珠玉の光を放つ彼の才能はまだ発展途上。今後の可能性は無限大だ

伸ばす手の先に

今回輝かしい成績を収めた鳥居。しかし彼自身「スケートでの挫折は人より多いと思う」と言う程に、その道は決して平たんなものではなかった。
 5歳の時にスケートを始めるが、中学までの彼は本番に弱く、他の選手に先を越されていた。高校生になって初めて全日本ジュニア選手権に出場。しかし満足な演技はできずに終わった。その後、高校3年生の一年間は受験のためにスケートを休んでいた。そうした足踏みの期間を経て、大学入学と同時に鳥居は再びリンクへと帰ってきたのである。しかしそれは次なる試練の始まりだった。
 最後まで走れない――。一年間のブランクにより、予想以上の体力低下という現実に直面した鳥居。そこで彼は今年の夏、リンクとジムを行き来する生活を送り、体力を取り戻した。また、大学に入学してから演技に対する意識の変化があり、細かなところにも気を配り、めりはりがつけられるようになったと彼は言う。鳥居はリンクを一度離れる前よりも確実に力を付けていた。そして臨んだ東日本で3位。結果は彼を裏切らなかった。
 全日本選手権への切符を手にした鳥居の「今は周りの失敗があって上位にいるが、全日本では周りが失敗しなくても勝てるプログラムにする」という言葉にはさらなる意識の変化がうかがえる。そして彼にはもう1つ目標がある。それは大学四年間のうちにユニバーシアード世界大会に出場すること。世界を見れば不安はある。しかし彼は「東日本で3位に入る」と宣言し見事実現した選手。そんな彼の言葉は決して夢物語ではないはずだ。鳥居は今、しっかりと世界を見据えている。 

 (大野、麻田)





少林寺拳法部・鮮烈な技の連続 優秀賞
 全日本学生大会 男子二段の部

 杉山(コ3)と笠原(コ2)の一挙手一投足――それは誰もが目を奪われるものだった。
 11月7日、日本武道館での第38回少林寺拳法全日本学生大会に、各地から大勢の拳士が結集した。二人が出場したのは男子二段の部。そこで杉山・笠原組は驚嘆すべき結果を残す。並み居る強豪を抑え事実上位2位に当たる優秀賞に輝いたのだ。また、女子三人掛けの部でも本学は事実上3位となる優良賞に選ばれる。惜しみない拍手が二組に送られた。
(写真=笠原(左)の会心の蹴りを、体をかわした杉山が手刀で遮る)

闘志が見せた姿
 近年、本選出場さえ遠のいていた男子二段の部。優秀賞に輝いた笠原は「素直にうれしい」と語った。それは「これだけの練習をすれば入賞できるというものはない」と、日々の努力を積んできたからこそ漏れた一言だった。
 予選で二人は静かな闘志を感じさせる演武を披露する。競技は3人の審判によって100点満点で技術度と表現度が評価されるが、杉山・笠原組はここで253点を獲得。コート順位を東大に次ぐ2位につけ本選へと駒を進めた。
 上がった本選の舞台は礼の静けさから一転、弾けるような気合が響き緊張がコートを包み込む。そこから展開される突き、けりには観客席まで届くほどの気迫が込められていた。激しい攻防の合間には息を静め相手の動きをうかがう視線が互いの間で交わされる。そして「自分たちの演武を見てくれ!」という強い思いが、彼らの姿を一回り大きく見せた。笠原は「一回の演武でこんなにも疲れるのか」と感じたという。すべてを出し切ったことへの達成感がそこにはあった。
 入賞を果たし、杉山は新主将として、笠原は今まで自分がやってきたことに対し、それぞれ自信を持つことができた。主将・杉山は「人間的に強い部」、「みんながよりどころにできる部」を目指す。だがこの目標は決して夢ではない。彼らの演武にはそれを信じさせる力があった。


納得の結末
 一方、女子三人掛けの部の河野(文4)と後藤(観4)にとっては、これが最後の大会となる。二人は坂井(社3)と共に臨んだ。
 いつも以上に緊張していた三人。予選だけで終わりたくないと思う反面、大会のレベルの高さに圧倒されていた。不安を抱きながらの予選だったが、自分たちの演武だけに集中しコート順位3位で予選通過。「この二人となら(本選に)行けると信じていた」と後藤は話す。
 そして迎えた本選。思い切りやろう、と雑念を振り払った。三人は、演武の最初からすぐさま技の応酬に入る。迫力と気合だけは他の組に負けていない自信があった。「やられたらやり返す」というストーリーを意識して、コート上の人物にくまなく注意を払う。視線は鋭い。いつも以上に技がさえていた。これまでで「最高の演武」を披露し結果発表を待つ。
 次々と入賞校がアナウンスされ、賞の枠が減っていくと、河野は内心「もう駄目かと思った」という。しかし、有力な関西勢がいる中で本学は栄えある優良賞に選出された。
 「後輩も交えていい思い出になった」と言う河野と後藤。二人は最後の大会で、有終の美を飾ったのである。  

無冠の傑物

 「部全体の底上げをしたい」。5月に馬場(経4)は語った。それは主将になった当初の目標でもある。だからこそ、今大会では団体演武に力を入れた。シンクロナイズドスイミングからヒントを得た構成は周囲の度肝を抜き、珍しく歓声が上がるほどであった。
 馬場自身は大学では一度も入賞していない。それでも「満足している」と四年間を振り返る。
 経験者として入部し、一学年上の代がいないため3年時に主将に就いた。部員を背負う立場になり「自分がうまくならなくては」と精進する日々。教えることで自身も部も成長した。
 そして予選を突破することさえ難しい今大会で、本学からは4組が本選進出。予選で敗退した組も、その差はわずかだった。
 「(二組が入賞したのは)自分のおかげかな」と馬場は笑って見せた。決して誇張ではない。
 表彰式終了後、入賞者は共に練習に励んできた仲間の首に自らのメダルを掛けた。賞に値する力を持っていることを認めたからであろう。本学初の四段拳士となった馬場。彼の存在がなければその光景も見られなかった。

(黒田、落合)




女子バレーボール部・歓喜の花開く 4部昇格

 今春、5部へ昇格を果たした本学。今までよりも高度なプレーが求められるこの舞台へ本学はチーム一丸となって臨む。
 9月19日〜10月3日、立正大体育館において秋季関東学生女子バレーボール5部リーグ戦が行われた。開幕前、彼女たちが掲げた目標は「1位での4部自動昇格」。その言葉通り、1試合も落とすことなく勝ち星の山を積み重ねた本学は3季連続昇格を成し遂げた。

(写真=笑顔一色の選手たち。勝利の喜びを分かち合う)

目に見える力

 5部へ昇格した半年前。当時,本学は図師(ずし=コ1)と山崎(コ1)を加え、主将・中川(コ3)と共に攻撃力で他校を圧倒し全勝優勝を収めた。しかし今季、本学はさらなる躍進を果たした。第一にリベロの導入。これにより防御力の向上はもとより、攻撃の準備段階から安定したプレーが可能になった。このリベロを経験豊富な横山(経3)が務める。第二に新戦力として、インターハイの出場経験がある秦(社1)の入部。176aの長身を誇る彼女の入部でチームは練習で鍛えることのできない「高さ」という武器を手に入れた。第三には、最も大切なチームのきずなが挙げられる。「合宿の夜、みんなで腹を割って話し合った」という彼女らに学年の枠という障害物はない。
 初戦の国学院大戦はセットカウント2−0で圧勝。全員が活躍し、5部にも力が通用すると証明した試合となった。
 続く常盤大戦も快勝し、臨んだ武蔵大戦。1セット目を22−25で奪われるものの第2セット、第3セットを制す。その後の立正大、北里大との戦いは相手にすきを見せず、2セット連取で勝利を収めた。
 初めての5部で順当に白星を挙げ続ける本学。しかし依然として実力校は無敗でここまでを勝ち抜いてきている。その実力校としのぎを削るリーグ戦後半。その戦いで、本学は真価を試される。

激戦を越えて
 ここまで全勝で来ている本学。しかし群馬大と明星大も無敗を守り続け、この3校で優勝の座を争うこととなった。ここから三つどもえの戦いが幕を開ける。
最初に本学の前に立ちはだかったのは群馬大。だが本学の勢いを止めることはできない。1セット目を25−14、2セット目を25−15で勝利。三強の一角である群馬大を下し最終戦に臨む。この後明星大が群馬大を打ち破り、全勝校同士が1位での4部自動昇格を懸けて激突することになった。
春、6部リーグ戦の決戦では、本学が明星大を下して5部への自動昇格を決めた。しかし明星大も入れ替え戦で勝利し、昇格。さらに長身の選手を加え、本学との再戦に臨む。だが春と違うのは相手だけではない。迎えた第1セット、新メンバーの秦が最高の動きを見せた。身長を生かしたスパイクやブロックは相手のプレーの一歩上を行き25−19で第1セットを先制する。だが、明星大もチャンスを逃さなかった。第2セット、本学は小さなミスを突かれ一気に試合の主導権を握られてしまう。その間、本学の動きは鈍くなり、点差は開いていくばかりだった。しかし、ここで簡単に勝利は譲らない。強く結ばれたチームワークで、試合の流れを再び本学に戻すと、1年の山崎を中心に攻めて逆転。このセットも25−21で明星大を下し、全勝優勝と3季連続昇格を成し遂げた。
「仲がいいことが一番大きい」とリーグ戦を振り返る主将・中川の目標はコンビバレーを完成させること。全勝優勝を果たすもいまだ成長過程の本学は限りない可能性を秘めている。来季、彼女らは3部昇格を見据え、新たな戦いに挑む。


 (黒田)






女子卓球部・快心の秋 関東学生秋季リーグ戦 3部昇格


 一見、普通の大学1年生。しかし銀盤に上がると彼は屈指のスケート選手へと変ぼうする。
 10月29日〜31日に宇都宮市スケートセンターにて行われた第30回東日本フィギュアスケート選手権大会。自由選抜入試で本学へやってきた実力派新人・鳥居(経1)が前評判にたがわぬ力を見せつけた。並み居る強者を退け3位入賞。3回転ジャンプを当然のように決める選手の中で、鳥居が見せた演技は、周囲を魅了する素晴しいものだった。

(写真=気持ちを球に込め、スマッシュを放つ照屋)

夢へのプロローグ
 大会に出場できる最少の人数である4人で出場した本学。初戦の相手、山梨大をセットカウント3−1で破り、幸先の良いスタートを切った。続く帝京大戦も順調に勝利。昇格の期待を感じさせる雰囲気をつくり、大会1日目を終えた。
 明星大戦で始まった大会2日目。安藤(文2)が第1ゲームに出場し、危なげない試合運びで3−0と圧勝する。続くゲームも相手に1セットも許さず明星大に完勝。勢いに乗った本学は一橋大をも3−0で下す。本学の好調さを見せつけるようなゲームの連続であった。
 そしてついに迎えた最終戦の茨城大戦は全勝同士の対決となり、厳しい展開が予想された。まず第1ゲームで鶴岡(観3)が冷静に試合を展開し勝ちを収める。続く安藤も最終セットまで及ぶ混戦をものにした。しかし次のダブルスで、勝利を常に期待されている主将の照屋(法4)・鶴岡組が最終セットまでもつれた末に敗れてしまう。予想外の結果に、落胆の色を隠せなかった本学。だがそんな中、ここまで2連勝と波に乗る期待の新人・謝(経1)が執念の勝利を挙げる。この瞬間、本学のブロック優勝が決定した。
試合を終え、泣き崩れる選手たち。「四人でつかんだ優勝です」と鶴岡が話した。その涙には3部昇格という次の目標への新たな決意が見えた


感動の瞬間

4部ブロック優勝を果たした本学は3部との入れ替え戦出場を懸けた決定戦へと駒を進めた。その秋季関東学生卓球リーグ決定戦は9月26日、横浜文化体育館にて行われた。気を引き締めて臨んだ相手は群馬県立医療短大だ。2ゲームを先取し迎えた第3ゲームのダブルスに再び照屋・鶴岡組が登場。互角の戦いを制し、本学は3−0で快勝する。悲願の昇格が少しずつ近づいてきた。
 そしていよいよこの時がやってきた。3部との入れ替え戦、勝つべき相手は東京電機大だ。第1ゲーム、腰痛を抱えながらも照屋が最後の力を振り絞って勝利を挙げる。続く第2ゲームは接戦の末に落としてしまったがその後も堂々と戦い抜いた本学は見事3−1で勝利し、3部昇格を果たした。部員数ゼロの女子卓球部に入部し、部を守り続けた照屋。その最後のリーグ戦は、昇格という最高の形で幕を閉じた。
 抱き合い喜びをかみしめる四人。その手首にはそろいのミサンガが巻かれていた。これは「来期は3部で戦えるように」という願いを込めて試合の数日前に照屋が作ったものだった。「おかげで体が軽くなった」と鶴岡は振り返る。そして「誰よりも部のことを考えてくれる照屋さんのために最後の大会で3部に昇格したかった」と安藤は話した。また、昇格の影には男子卓球部員の存在も忘れてはならない。自分たちのリーグ戦後は練習を犠牲にして女子のために時間を費やし、また試合中はどの大学よりも大きな声援を送っていた。
 照屋が引退し、新たなスタートを切る女子卓球部。来季は3部でどのような戦いを見せてくれるのだろうか。 
(北森)











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