立教スポーツ第166号
<4月2日更新>

女子ラクロス部 全日本準優勝
幾多の戦いは伝説へ

 
女子ラクロス部 全日本準優勝 幾多の戦いは伝説へ

満員の観客席。芝の緑が輝くフィールド。響き渡る国歌――。江戸川区陸上競技場に本学女子ラクロス部「ULTIMATES」が、その主役として姿を現した。ここで日本女子ラクロス界の頂点が決まる。
 昨年12月9日・10日・17日に行われた第17回全日本ラクロス選手権大会。本学は決勝まで勝ち進むが最後は惜しくも敗れ2位となる。創部以来最高のこの成績を収める原動力となったのは「勝ち」へのこだわり。部員53人がそれぞれ抱き続けた思いはやがて重なり一つとなった。


甘え許さず
全日本選手権出場枠は、関東学生で2つのみ。その枠をめぐり、第19回関東学生ラクロスリーグ戦が昨年8月14日~11月23日にかけて、駒沢公園第2球技場などで開催された。上位2校が出場権を獲得できる1部の、Aブロックに所属する本学。初戦、第2戦と連勝し波に乗った。
 続く第3戦、相手は昨春の六大戦で大敗を喫した早大である。雪辱を果たすために秘策も練り、この一戦にすべてを懸けると意気込んで挑んだ。結果は8-7で、見事接戦を物にする。「負けられない」。主将・三浦(観4)の言葉に象徴されるように、部員のボールへの執着心が勝利へとつながった。
 次に行われたのは連覇を狙う1部の強豪・日女体大との対戦。引き分け以上でブロック2位以内が決定しFINAL4(1部リーグ順位決定戦準決勝)への出場が決まる大事な試合だ。本学は先制点を奪い勢いをつけると前半を5-3で折り返した。しかし後半、相手にすきを突かれ5-6と逆転されてしまう。ここで目が覚めた本学。エース・松村(社3)が相手DFの間をすり抜け決めたゴールで試合は引き分けとなり、2年ぶりとなる関東四強入りを果たした。
 ブロック最終戦の学習院大戦は黒星。しかしこの敗北により選手たちは次戦での勝利に向け一丸となる。FINAL4進出、ここがゴールではない。

追い求めた称号
 ついにやってきたFINAL4。対戦相手は東女体大だ。試合開始と同時にボールを手にしたのは相手チーム。しかし焦りの色を見せることなくペースを取り戻した本学は、ここから一気に得点を重ね前半を7-3で終えた。後半追い上げににあい、残り30秒で9-8になる。相手にボールが渡ると緊迫した空気が走るも気持ちで守りきり勝利。快晴のフィールドに、部員たちの歓喜の声が響いた。
 そして迎えた決勝、ここで勝つために今までやってきたと言い聞かせ、チームは士気を上げた。日女体大との再戦でG(ゴーリー)中嶋(法4)の守備がさえる。試合後「仲間が得点してくれると信じていたから自分に自信が持てた」と彼女は語る。失点をわずか3点に抑えた一方で、得点は大量の10点。この試合、OF陣は攻めの姿勢を貫き通した。
 試合終了を告げる笛が鳴る。「関東学生チャンピオン」という目標が現実となったその瞬間、彼女たちは涙を流し、抱き合い、互いをたたえた。普段から勝利時に歌われる応援歌「行け立教健児」も、今回ばかりは特別な歌となった。

強き一念の下で
栄光の舞台、全日本選手権大会。本学女子ラクロス部創設以来、一度も足を踏み入れたことのない未知の領域である。
 1回戦は危なげなく勝利を収め、社会人クラブSibyllaを相手とする準決勝へと駒を進めた。試合は序盤から混戦模様。経験では劣る本学であるが、勝利への執念は負けていない。幾度となく相手が立大ゴールに襲い掛かるも、守護神・中嶋の好セーブでピンチを切り抜ける。それに後押しされ、OF陣も積極的にゴールを狙いに行く。結果は7-6で勝利。全日本選手権初出場でありながら、決勝進出を決めた。「ここまで来たのはまぐれじゃない」と三浦は振り返る。そこには、自分たちの努力に裏付けされる自信があった。そして決勝に向け力強い一言を放つ。「やるしかない」。
 最後の相手は社会人クラブMISTRAL。試合は相手ペースで進み8-13で終了。優勝は逃したものの松村が優秀選手に選ばれるなど収穫も大きかった。
 日本最高レベルに達した彼女たちにも苦悩の時はあった。このチームが始動したばかりの昨春、度重なる敗戦に悔しさを知り、ばらばらの心にいら立ちを覚える。それでも弱音は封印し、彼女たちは強くなった。すべては勝利のために――。

                                           (鈴木(明))



ホッケー部女子 絢爛たる軌跡 2部2位

勝利が彼女たちの笑顔をいっそう輝かせていた。
昨年9月10日~11月23日、法大多摩グラウンドなどで平成18年度秋季関東学生ホッケーリーグ戦が行われた。2部昇格から着実に順位を上げ、確かな自信をつけてきた本学は、次なる舞台に向け突き進む――。

手にした確信
2部3位で終わった春季リーグ。練習を積み、力をつけたチームは主将・堂故(どうこ=観4)を中心にまとまっていた。そして1部昇格を懸けて彼女たちの熱い戦いは始まる。
 今季の初戦は対白百合女大。力の差を見せつけ5-1で圧勝となった。この試合について堂故は「勝って当たり前。もう少し得点を入れられたはず」と振り返る。そして「次はディフェンスと得点力の強化に努める」と意気込みを語った。こうして迎えた津田塾大戦。試合の流れは本学のものとなり攻めの状態が続いていく。また、固い守りも見せ失点を許さず、2-0で相手を下した。続く第3戦は成城大との対戦となりここでも1-0で勝利。しかし、得点力不足を実感することになる。「得点差をつけて勝つ」ということを目標に次の試合へと闘志を燃やしていった。
 準決勝の相手は上智大。両者譲らぬ激しい攻防が繰り広げられ、前半、後半ともに0-0で終わる。延長戦へともつれ込むが互いに粘り強く決着がつかない。その後、緊迫した空気の中行われたPS(ペナルティシュート)。引き続き互角の戦いを見せるが、ついに3-2で接戦を本学が制する。2部決勝、そして入れ替え戦への出場を決めた選手たちは、喜びで光り輝いていた。
 1年間を通し、1部に行くという気持ちで練習に励んできたチーム。「絶対に夢を実現させる」という意欲が戦い続ける彼女たちからみなぎっていた。

希望を抱えて
ここまでの試合を全勝で駆け抜けてきた彼女たち。さらに気合を入れ直して、次の試合へと挑んでいく。
 勢いに乗りながらも、主力のけがというアクシデントに見舞われる本学。厳しい状況のまま東海大との2部決勝へ立ち向かう。開始から両チームがせめぎ合い8分が過ぎたころに本学が先制点を挙げた。しかし、ここから敵は猛反撃を始める。本学も守りを固めて逃げようとするが、続く後半で相手のペースに飲まれ失点を許してしまう。その結果、1-3で試合は終了となり、本学にとって今季初めての敗北となった。そんな中でも「気持ちを一つにして頑張りたい」と結束を強めて入れ替え戦へ進む。
 そして、1部の座を懸けての学習院大戦。緊張感が漂う中、試合が始まる。しかし、格上の相手との対戦は厳しかった。前半、陣地へ攻め込まれることが多い本学。健闘するが、終了直前に1点を奪われる。後半も相手の攻撃が著しい中で守りに徹するが、2点を追加されてしまう。途中本学も攻めの流れをつくりだすものの0-3で入れ替え戦は終わり、1部昇格を逃がす結果となった。
 しかし、2部2位という過去最高の結果を生み出した選手たち。来季のチームを担っていく新主将・和田(観3)をはじめ下の学年も実力をつけた。また、唯一の4年生として後輩を引っ張ってきた堂故は引退を迎える。彼女はチームの得点力、精神面を支える大きな存在だった。「楽しみながら個性豊かなメンバーをまとめられた」と堂故は語る。さらなる団結力で来季も戦える力を持つ本学。彼女たちが目標を達成する日は近い。

                                             (池田)



男子ラクロス部 最強の座めがけ突撃

「常勝・立教」を合言葉に、男たちの戦いが幕を開けた。
 8月14日~11月23日にかけて大井ふ頭海浜中央公園第2球技場などで行われた第19回関東学生ラクロスリーグ戦。1部Аブロックに所属する本学は、全力を尽くすも思うように勝つことができない。
 迎えた入れ替え戦。互角の相手と死闘を繰り広げた末、本学は残留を決めた。今季の経験が礎となり強力なチームが形成されていく。

命運握る勝負
1部残留。それは強豪の名を取り戻すことを決意した本学男子ラクロス部にとって、必須の条件だった。
 本学は初戦の東京理科大戦を11-6で勝利するも、次の一橋大戦に敗れてしまう。続く強敵・日体大との一戦。開始直後から次々と失点を重ね、1-19の大差で敗北した。
 その後の横国大戦は、残留へ向け勝っておきたい試合。双方がタイムアップまで激しく点を取り合った結果、本学は11-13で惜しくも負けてしまう。東大との最終戦にも敗れ、本学の順位は5位となった。そのため、入れ替え戦に進むことが決定。相手は実力伯仲の学習院大である。2部校とはいえ油断はできない。
 寒空の下、決戦の火ぶたが切られた。序盤本学は攻め込まれ、劣勢を強いられる。だがゴーリーの五十川(いかがわ=社4)が好セーブを連発し、対等に渡り合った。そして本学は4-4で第2Q(クオーター)を終える。第3Qに突入すると4-6と学習院大がリード。しかし須藤(経2)のゴールなどで本学が追いつき、試合はシーソーゲームの様相を呈してくる。両校が1点ずつ加え7-7となり、訪れた第4Q終盤。「残留以外ない」と心に決めた主将・山田(慎)(法4)が執念のゴールをたたき込む。ついにリードを奪った本学は、残り2分でさらに1点を追加した。最後まで積極的に攻め続け、9-7で試合終了。本学が熱戦を制し、辛くも1部に踏みとどまった。

駆け上がれ
この一年間は強い立教を目指すための「土台作り」の年だった。
 1998年と2002年の過去2回、全日本選手権出場を果たしている本学もここ数年はいい戦いができていない。2部降格も経験した。全国の舞台にもう一度立つためには、1部残留が最低条件だった。またリーグ戦を振り返り「下級生を育てるという目標もあった」と話す山田(慎)。その思いを受け継ぎ、新主将・佐藤(経3)は「この残留を絶対に無駄にしない。今度はさらに上を狙っていく」と語った。上級生の作った土台の上で、下級生が未来に向けて部をつくり上げていく――。
 4年生の意志を胸に留め動き出した新チーム。個々の力が光り、若い選手たちに期待が持てる。その一人がU―21日本代表に選出された須藤だ。彼が外から持ち帰った技術と、得てきた経験は周囲に刺激を与えていくに違いない。
 チーム全体としても勝利への意欲を強めるため、日々の練習をより厳しいものにした。強豪校に比べて人数が少なく、専属の監督もいない。そんな環境の中でも部員たちは懸命に努力を重ねている。
 来季の目標について、佐藤は「1部3位以内」と言う。もちろんこれはその先を見据えてのもの。頂点へのステップを一つ一つ着実に上ろうとしているのだ。彼らはこれからもひたむきにボールを追い続ける。日本一、ただそれだけを目指して。 

                                        (鈴木(雄)、倉持









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