立教スポーツ第205号

<12月4日更新>
   

    
【ローラーホッケー部】  
女子は今季四冠!! 男子は大会5連覇!!
見せつけた王者の風格 インカレ アベック 優勝
 

 立大ローラーホッケー部が、またしても歴史を塗り替えた! 女子は大会2連覇を果たすとともに、今季四冠を達成。男子は圧巻の大会5連覇を成し遂げた。今年も立大が男女そろって学生王者の座を守りきり、あらためてその強さをロラホ界に知らしめた。

不滅の輝き
 歓喜の声がリンクに響き渡る。立大女子が四冠を成し遂げ、ロラホ界最高峰の頂に到達した。  
  新体制が始まってから、前人未到の「年間主要4大会優勝」という目標を掲げ、一丸となって走り続けてきた。どのチームも「打倒立大」に燃える中、東日本学生、東日本全日本と着実に制覇。負け知らずの彼女たちは、今大会の優勝も間違いないように思われた。しかし四冠に近づけば近づくほど、「勝って当然」という重圧が膨らんでいく。
  決勝戦、対するは日大。最高潮に達したプレッシャーの影響か、選手たちの動きは重い。1点が遠く、チームに焦りが見え始める。しかし、主将がついに均衡を破る。根本(観4)からのパスを受けた原(観4)がネットを揺らした。彼女の先制点に、チームが冷静さを取り戻した。
  後半、このメンバーで戦えるのも、残すところ20分。苦楽を共にしてきた仲間と、「全員で勝ちたい」。その思いで控えのメンバーが代わる代わるリンクへ。全員ホッケーでさらに得点を重ね、3−1で勝利。描き続けた夢が実現した瞬間、ベンチから選手が飛び出す。目に大粒の涙を浮かべ、偉業を成し遂げた喜びを分かち合った。
  下級生の頃から主力として活躍した原・根本のダブルエース。そして2人に鼓舞され、成長した岡部(法4)、吉野(営4)。黄金世代とうたわれた彼女たちのラストイヤーは今、その名に恥じない最高の結果で締めくくられた。

強さの伝承
  シーズン当初、女子と対照的に立大男子は学生王者の面影が薄れていた。4年生は高木(営4)、小川(現4)の2人だけ。他大との戦力差から思うような結果を残せずにいた。そこで最上級生を中心に、後輩たちの育成に励んだ。夏から秋にかけて力をつけ、迎えたインカレ。決勝の相手は今季2戦2敗の国学院大。「ここで勝つためにやってきた」(高木)。チームの底上げの成果が問われた。
  前半は互いに攻め入る隙を与えず、一進一退の攻防が続く。先にチャンスをつくったのは立大。小林(済3)のパスに、亀井(理3)がゴール前で合わせ得点。3年生コンビが攻撃の口火を切り、前半を折り返した。
  後半、国学院大の猛攻に、耐えしのぐ時間が続くが集中力を切らさない彼ら。ついに堅守から追加点が生まれる。亀井がパックを奪取し、カウンターを狙う高木へ。猛スピードでリンクを駆け上がり、豪快にダメ押し弾を決めた。その後はGK小川とフィールダー陣が一つとなった守りで無失点に抑え、2−0で見事大会5連覇を達成。下馬評を覆す結末に歓声が湧く。最上級生のロラホにかけた4年間は華々しく幕を閉じた。
  先輩たちがつないできた連覇のたすきは、高木と小川にとって大きな重圧だった。そんな彼らを支えたのは、新たに台頭してきた後輩たち。大活躍を見せた彼らの姿に、立大男子の明るい未来が垣間見えた。学生王者立大の系譜は次世代を担う者たちへ確かに引き継がれた。 (大塚夢)





 

【ボート部】
史上初!!全日本の舞台で激漕 舵手付きペア 銀


立大ボート部黄金時代がついに幕を開けた! 全日本の大舞台で男子舵手(だしゅ)付きペアが創部史上初の銀メダルを獲得。今後部をけん引していく彼らが戸田の地に「強い立教」の名をとどろかせてみせた。

もう一度
「やり返すチャンスをもらえた」。 今大会で引退となる船渡(異4)はリベンジに燃えていた。
  インカレで王者・日大に完敗してから3週間。雪辱を果たすべく、少ない時間を最大限に生かし練習に打ち込んできた。しかし、予選でいきなり日大に敗北。前半、力をセーブし過ぎたことが敗因となった。それでも敗者復活戦では、他大学を寄せつけない漕(こ)ぎを見せつける。打倒日大へ向けて舞台は整った。
  迎えた決勝戦。会場には独特の緊張感が漂っていた。立大は予選の反省を生かし、スタートから積極的に攻める。序盤は相手を突き放すプラン通りのレース展開。しかし徐々に王者が迫ってくるのが分かった。立大も負けじと粘りを見せるが、すぐに追い抜かされ苦しい展開に。持ち味の体力を武器に終盤の逆転に望みをかけるも、さらに距離を離され、2位でフィニッシュ。
  もう銀メダルはいらない、本当に――。またしても同じ言葉を口にすることになってしまったクルーたち。日本一が目前に迫っていただけに悔しさが一層込み上げた。
  日大相手に2度の完敗を喫した彼らだが、その分学んだことは多い。状況に応じたレース運びや微妙な駆け引き。どんなときでも勝ちきれる真の実力が必要だと感じた。

届くまで
 大学からボートに乗り始めた勝又(法2)と渡部(理2)。 わずか1年半で全日本決勝の舞台に立てた裏側には、並々ならぬ努力があった。勝つために何が必要で、何が足りないのか。徹底的に追求して行動に移した。技術だけではない。「絶対に日本一になる」という熱い思いが彼らを全日本2位まで導いた。
  そんな2人を陰から支えてきた舵手の船渡。ペース配分を考え指示する他に、クルーを盛り上げる重要な役割を担った。しかし、本当に漕手(そうしゅ)のことを理解してコールをかけられているのか、同じ気持ちになれているのか。船渡には分からなかった。
  不安な気持ちはあったものの、準優勝という目に見える結果が出て初めて実感した。「この3人じゃなかったら、ここには来られなかった」(船渡)。 クルー結成から約2カ月。頂点を目指してひたむきに練習した日々は、彼らにとってかけがえのないものとなった。
  4年生が引退し、新体制となったボート部。来年はさらなる活躍が期待される。「今までの立教だったら考えられないところまで登り詰めてくれる」と船渡も後輩の活躍を心待ちにしている。目標はただ一つ、日本一。今、手の届くところにいる彼らなら成し遂げるに違いない。(平野美裕)

 




【スケート部スピード部門】
決めた!W杯出場!! 菊池 全日本距離別1000M 3位 1500M 4位 


菊池悠希(営4)がついに世界の舞台へ羽ばたく!! 全日本距離別選手権において千五百b4位、千b3位。この結果によりW杯日本代表選手に選出された。念願の末つかみ取った自身初の快挙となった。

 

宿願果たす

 シーズン初戦となった今大会。W杯第1戦から第3戦までの日本代表選考を兼ねた重要な試合だ。6名という狭き出場枠をめぐり、菊池の戦いが幕を開けた。  
  大会1日目、まずは得意の千五百b。予選、準決勝を危なげなく通過すると、決勝では全員が縦一列に並ぶにらみ合いに。菊池はラスト3周で加速すると最後に一つ順位を上げ4位でフィニッシュ。落ち着いた試合運びを見せた。  
  しかし、次に行われた五百bでは思うような滑りができず、準々決勝敗退に終わる。選考に向けて後がない菊池。それでも、「焦らないように」。 あくまで代表入りが目標。周りを気にせず、気持ちに余裕を持つように心掛けた。
  2日目は千bのレース。予選は早々に仕掛けていきトップを独走。準々決勝、準決勝では後続に抜かす隙を与えず、2位でゴール。決勝へ駒を進めた。
  レースは勢いのあるスタートダッシュで始まった。一足先に飛び出したのは、実の妹の萌水(もえみ=早大)と純礼(すみれ=トヨタ自動車)。 5人中3位に付け妹たちの背中を追う。最終周でラストスパートをかけると前方の純礼ともつれながらゴールラインへ。無事3位でレースを終え、この種目は三姉妹で表彰台を独占。そして総合5位で選考基準をクリアし、念願のW杯出場権を獲得した。


いざ世界へ
 今持てる最大限の力を発揮することができ、「うれしい」。 リンクを降りると肩の荷が下り、相好を崩した。長年の夢をようやくつかんだ瞬間だった。  
  以前からW杯への思いを口にしていた菊池。しかしいつもあと一歩のところでチャンスを逃し、涙をのんできた。そんな状況を打破できずにいた一昨年、右足を骨折。それでも「今日より明日、明日より明後日」と自分を奮い立たせた。
  そんな彼女のストイックさが実を結び、昨年自身初となるユニバーシアードに出場。体がぶつかり合う激しいレースは、日本では体験できないものだった。またオリンピックに出場した選手とも戦い、世界での自分のレベルを痛感した。  
  抱えていたけがの痛みはオフまで続き、ダッシュやジャンプのトレーニングが思うようにできない日々。それでも、再度スケートのフォームを見直すなど、今できることをひたむきにこなした。「とにかくW杯に行きたい」。 強い思いがチャンスを手繰り寄せた。  
  今まで支えてくれた人たちのためにも、「立大の選手として結果を残せてよかった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた菊池。挑戦と位置付けるW杯で得たいものは、自分がよりレベルアップするための経験値。苦難の時期を乗り越えて、遅咲きのエースが花開く時が来た。  (小林早紀)

 




【剣道部】
団結の立教剣道 空前の大勝利 関東学生女子団体 史上初 3位


剣道史に「立教大学」の文字が刻まれた? 第40回関東女子学生剣道優勝大会において史上初となる3位入賞。創部以来成し遂げられることのなかった偉業に、東京武道館は拍手と笑顔で包まれた。

 

準備万端

 関東女子学生ベスト8入りから1年。立大剣道部女子は、今年度それを上回る結果を求めていた。長年かなわなかった表彰台へ。固い決意を胸に、彼女たちの挑戦が始まった。  
  団体戦は「メンタル面での団結が必要」と今季主将を務める田中(済4)。仲間を信頼し、フォローし合うことは欠かせない。  
  昨年から立大はチームワークを強みとしていた。今年度は田中や副主将・木(文4)ら4年生が中心となってチームをつくり上げていく。楽しく、そして時には厳しく。日々の稽古からオンオフの区切りをつけることで後輩から得られる信頼と尊敬。学年を越えた絆が育まれ、唯一無二の団結力を強めていった。  
  だが、磨き上げたのは絆だけではない。各個人の技術面を見つめ直す機会となったのが、夏に行われた関西遠征だ。相手より先に出て圧力をかけながら一本を取ること。1試合の中で集中を切らさずに気持ちをつなぐこと。当たりの強い関西の選手と練習を重ねて得た気付きが、躍進を支える大きな力となった。
  この1年間、彼女たちは目標に向かって走り続けてきた。団体メンバーだけでなく、部員全員で築いてきたチームワーク。そして、新たに遠征で手にした経験値という武器。今まで培ってきたもの全てを出し切る時がついにやってきた。  

 

力戦奮闘
 昨年度の成績からシード権を得た立大は初戦となった2回戦で圧勝。3回戦でも苦手な桜美林大を相手に接戦を制し、インカレ出場権を獲得する。彼女たちの勢いはますます加速する一方だった。  
  続く慶大との4回戦では大将・鈴木(文3)の意地が光る。「立教の名に恥じない試合を」。負けられない一戦で気迫の剣道を見せ堂々の一本勝ち。悲願の表彰台に王手をかけた。
  そして迎えた準々決勝。相手は今まで勝ったことのない駒大。行く手を阻む難敵に挑んだ。先鋒(せんぽう)の千波(文2)が手堅く引き分けると、次鋒・山田(社2)は底力を発揮。「プラスの状態で後ろに回す」と見事に二本勝ち。中堅・田中も引き分け、全ては後半戦に託された。  
  ここで立大は大勝負に出る。敵との相性を考慮し副将に矢田貝祐(コ3)を投入。「絶対に勝とう」。その一心で試合に臨むと、開始直後に一本先取。後がない相手は猛攻を仕掛ける。だが矢田貝祐も譲らない。集中を切らさず一本を死守して勝利。新たに歴史を塗り替えた瞬間だった。
  固い絆と鍛え抜いた技術で達成した快挙。「1年間みんなで頑張ってこられたから」(木)。かけがえのない仲間と喜びをかみしめる。全てを出し切った彼女たちは充実感に満ちあふれていた。(石山ゆりあ)


 




【射撃部】
攻射で貫く快調劇! 塚本 秋関女子 50MP60  準V


塚本麻由美(社4)が1年半ぶりの表彰台! 50MP60種目(スモールボアライフルを用いた50bの伏射60発)で607.4点、関東2位。主将でエースの意地を見せた。

 

名射手へ

 今年の春関以降なかなか結果を出せずスランプに陥っていた。練習では点数が出るものの試合になるとなぜかうまくいかない。四苦八苦の状態だった。現状を打破すべく積極的に外部の練習に参加した。大会1週間前には銃のセッティングも姿勢も全て変えることで心機一転試合に挑んだ。  
  射撃は集中力がものをいう競技。技術以上にメンタルの強さが試されるシーンは多い。特に上位層との争いではわずかな気持ちの乱れが致命傷となる。今種目も中盤でいい点数が取れず弱気になる場面があった。  
  「自信を持って撃て」。 以前から周囲に言われ続けてきた強気に撃つ姿勢を思い出した。何があっても決して試合は捨てない。気持ちを切り替えて次の的に臨み、低い点数を残り10発で挽回してみせた。  
  今大会、50 M3×20種目(スモールボアライフルを用いた50bの立・膝・伏射それぞれ20発)でもファイナルに進み、立大史上初となる2種目入賞。「エースとして点数にこだわる」。 そう意気込んで試合に臨んだ彼女。立大のエースとして力を発揮し、4年間の成長を結果で証明した。

 

主将の葛藤
 塚本は1年間主将としても戦ってきた。しかし、自分のコンディションが上がらない中で部を率いることは一筋縄にはいかない。苦悩する日々が続いていた。  
  主将という立場上、塚本自身も後輩の指導を行わなければならない。自分の射撃に集中したいが、主将の責任も全うしたい。葛藤が彼女を襲った。しかし「やっぱり射撃が好きだから」。 もう少し頑張ってみようと気持ちを奮い立たせた。指導に回る時間と自分の練習時間の両立もうまくできるようになってきた。
  ファイナルに進出した際、射座の後ろから仲間の応援を背に受けた。射撃はどうしても個人で戦うスポーツ。しかし、塚本自身が先頭に立って戦う主将の姿を見せることで立大射撃部は紛れもなく一つになっていた。  
  「練習量に比例する」。 後輩に以前から言い聞かせてきた言葉。立大の選手はほとんどが大学から射撃を始める。彼女もその1人だ。初心者だからこそ伸びしろも大きい。その意志が受け継がれることで立大射撃部は強くなる。
  塚本は大学卒業後も都の協会に所属し、競技を続ける。来年3月には日本代表の選考会。4年間で培った力を基盤に、彼女はこれからも銃を撃ち続けていく。(曽我崇史)  


                          

 



 

 


 
 






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