立教スポーツ第211号

<4月1日更新>
   

    
【陸上競技部】  
2ヶ月半ぶり実践 勝因はクロカン坂!!
出水田 V 世界大学クロカン代表選考会 ここから再出発!!
 

 やっぱり出水田は強かった!!世界大学クロスカントリー選手権代表選手選考競技会において、出水田眞紀(いずみだ=コ2)が優勝。上位6人が進む世界大学クロカンの日本代表を勝ち取った。日の丸を背負うのは2013年の世界クロカン(ジュニアの部)から4年連続。他の強豪をねじ伏せ、今回も強さを見せつけた。

重すぎる足枷
  クロカンで出水田の名前を知らぬ者はいない。過去に世界クロカンを2度、アジアクロカンを1度経験した。その実績通り、今回も堂堂の代表入り。だが試合前の彼女はいつもの様子ではなかった。  
  「突然緊張してくる」。大会の4日前、出水田は部の練習日誌にこう記した。普段の強気な姿からは想像もつかないほどの弱気な言葉だ。日常のふとした瞬間、頭に浮かぶレース本番の情景。そのたびに不安が胸いっぱいに込み上げてくる。「世界大学クロカンにいけなかったらどうしよう」。世界で活躍してきた出水田でさえ、これほどまでの緊張は感じたことがない。
  昨年の11月のことだった。レース中に膝の靭帯(じんたい)を故障。高校時代までけがとは無縁だったため、試合から2カ月半も離れるという事態は競技人生で初めてのことだ。それがえたいの知れない不安を生み出していた。
   自信を失っていく本人とは対照的に、周囲からの期待は高まっていく。試合前に今大会の要項を調べていると、偶然レースの展望が書かれたブログを見つけた。そこには注目選手として真っ先に出水田の名前が。築いてきた実績が重圧となって押し寄せる。
  復帰戦の当日も、スタート地点に立つと会場内の実況から自分の名前が聞こえてくる。「プレッシャーだな」。そう思う一方で、自分は周りから見れば「当然代表に選ばれる存在」ということも自覚している。「負けるわけにはいかない」。レースの開始を告げる号砲が鳴り響く。

晴れた暗雲
 コースは全2周。トラック競技とは違い、起伏の多い芝生を選手たちは駆け抜ける。2`地点で迎えるのは、コース最大の難所・クロカン坂。この高低差10bにも及ぶ上りを、出水田は得意としていた。少しペースを上げると、他の選手の苦しそうな顔が目に入る。「2周目はここで決めよう」。  
  1周目を終えて、先頭集団は6人に絞られた。残り1`。2度目のクロカン坂で出水田が動く。一気に勝負を仕掛け、集団を突き放した。それに反応したのは上位候補の細田(日体大)。優勝争いは2人による一騎打ちとなった。 




  この時点で、狙っていた代表は確実。無理に勝負をする必要はない。「2位でも良いかな」。そこで耳に飛び込んできたのは、絶対に負けるなという沿道の声。今までは重荷となっていたものが、声援となって背中を押す。「やっぱり勝ちたい」。その思いが彼女を加速させる。残り100bの直線で前を走る細田を抜き去り、土壇場で勝負をひっくり返した。  
  試合後、代表内定の手続きを終え、ほっとした表情で口を開く。「本当に安心した」。彼女を覆っていた全ての不安が晴れた瞬間である。初の長期離脱と、それに反して高まる周囲の期待。かつてない大きな壁を乗り越え、彼女はまた1つ成長を遂げた。   
   これまで数々の好成績を残してきた彼女だが、全国規模での優勝は大学に入ってから初めてだ。今大会を機に、これからは「優勝」にこだわろうと決めた。大学4年間も後半戦。さらなる高みを目指して、出水田は再び走り始める。     (栗原一徳)

 





【アメリカンフットボール部】
いざ最高峰へ 昇格 関東1部 TOP8 


  立大ラッシャーズが、TOP8に返り咲いた! リーグ戦全勝で迎えたチャレンジマッチにて専大に28ー21で勝利。因縁の相手にリベンジを果たし、昇格を決める。彼らは、古豪復活への一歩を力強く踏み出した。

 

心願

 決して忘れられない記憶。リーグ戦全敗で臨んだ昨季の入れ替え戦。専大に敗北し無念の降格を喫した。この一年、立大ラッシャーズはその悔しさを背負い闘い続けた。 「全ては日本一のために」。主将の杉山慶(法4)は何度も口にしてきた。日本一を目指せない立場に居ながら常に日本一のチームづくりに取り組む。しかし、主将として何が正しい選択かが分からず悩む日もあった。そんな時、彼を支えたのはチームメート。ラッシャーズは一丸となって成長してきた。  
   昨年の同大会ではベスト16にとどまった久保。その結果を塗り替えるべく練習に取り組み、片足タックルを強化。7`もの厳しい減量にも意地で耐え抜いた。そしてレスリング人生の集大成を見せる日を迎える。
   TOP8復帰へ向けたリーグ戦が開幕した。「全勝昇格」を掲げる彼らは、優勝候補の筆頭として相手を迎え撃つ。途中、けがで離脱者が続出するも、チーム力で乗り越える。目の前の一戦に全力を注ぎ、見事全勝でのリーグ優勝。昇格をかけたチャレンジマッチへの出場権を手にした。 
   対するは降格を突きつけられた因縁の相手である専大。昨年の屈辱を晴らすには絶好の機会だ。「次は相手を落として自分たちが絶対に上がってやる」。チームの中にギラギラとした闘争心が湧き上がる。全勝の勢いに乗る選手たちの士気は最高潮に達した。

成就
 決戦の時は訪れた。一年越しの思いを胸に、選手たちはフィールドに向かう。開始早々にQB田中(観3)がタッチダウン。チームの闘志を体現してみせた。直後に逆転を許したものの、負けじと同点に追いつく。両者一歩も譲らぬ展開の中、前半を終えた。
   後半に入り、試合はさらに熱を帯びる。残り時間は5分。ここでRB嶋田(現4)のランが敵陣を切り裂く。最後は田中が得点につなげ逆転。勝利へと大きく前進した。
   喜びもつかの間、専大の反撃にあい予断を許さない状況になる。残り時間20秒、エンドゾーンまであとわずか。ここでタッチダウンを許せば同点。勝敗はこの寸時に託された。
   緊迫した空気の中、LB申(観3)がインターセプト。ビッグプレーでこの危機を脱する。TOP8への道が開けた瞬間だった。時計が0を指した時、彼らは再び日本一に向けたスタートラインに立った。
   「昇格はゴールではない」と杉山慶。あくまで彼らが志すのは日本一だ。常に頂点を目指し挑み続けてきた4年生。その意志を受け継ぐ後輩たちは来季、TOP8の地で暴れまわる。 (清水千悠)

 




【テニス部女子】
未来を拓くストローク 高橋 根本 新進ダブルス 史上初 V


  女子ダブルスにおいて根本奈々(異3)・高橋未来(法1)が頭角を現した! 敵を寄せ付けない強気なプレーで勝ち取った王座。この優勝を胸に、秋のリーグ戦への決意を新たにした。

 

結束力

 沸き上がった歓声が会場にこだまする中、根本・高橋ペアは喜びの抱擁を交わす。関東の強者たちが集う新進大会本戦。攻めの姿勢を最後まで貫き、二人は頂点に立った。  
  予戦4試合から準決勝まで調子を上げながら難なく勝ち進んだ。たどり着いた決勝戦では、セットカウント1対1の白熱した接戦を繰り広げる。  
  勝負の行方は10点先取のスーパータイブレイクへ。焦りからラケットが思うように振れず、ミスが増える。5対7と窮地に立たされた二人。しかし、彼女たちの持ち味は粘り強さと思い切りの良さ。敵の動向を読み取り、徐々に巻き返す。強気なショットで逆転し、優勝に王手をかける。最後の1点をめぐる長いラリーが続き、静寂が会場を包む。決め手となったのは、相手の意表を突く高橋のストレート。3時間に及ぶ激戦の末、立大史上初の栄光を勝ち取った。  
  ペアを組んで1年、迷いのない直感型のプレースタイルを確立した。積み重ねた試合経験から、語らずとも互いに次の一手が分かる。「インカレ上位のペアにも勝てる気がする」と根本は得意げに語った。深い絆で結ばれた彼女たち。二人の笑顔は晴れやかに輝く。

 

先駆け  

  テニス部女子初となる新進大会優勝の裏には、それぞれ抱える思いがあった。根本は小さなころから尊敬する寺田(13年度卒)を追いかけ立大に入学し、ダブルスを組む。この経験が彼女を一回り強くする。それから3年間、憧れの先輩を越えたい一心で技術を磨いてきた。ついに寺田もかなわなかった功績を残す。この栄誉はこれから始まる大学最後の年への大きな自信となっただろう。  
  一方の高橋は、1年生ながら試合で活躍する選手。自分を支えてくれる同期に対して深い感謝の気持ちがある。「口下手だから、応援してくれるみんなにはプレーで伝えたい。」 高橋の姿に刺激を受けて、チームメートもモチベーションを上げている。この1年間でお互いを高め合う仲間へと成長できた。
  背景が違う二人に共通するのは、この優勝をチームみんなの強さにつなげたいという思い。今回の結果はゴールではない。最終目標として掲げる秋のリーグ戦勝利への通過点だ。「この優勝がみんなの起爆剤になればいい。」 彼女たちが中心に立ってチームの力を底上げするだろう。二人のプレーが鍵となり、立大テニス部女子は次なる高みを目指す――。 (小峰諒子)  

 



 

 


 
 






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