【ソフトテニス部女子】
熾烈な戦いが紡いだドラマ 関東学生 秋季リーグ 1部 準V
逆転劇を見せつけた!初戦敗北という波乱で幕を開けた秋季リーグ戦。上位を狙うには厳しい状況となったものの、彼女たちは諦めなかった。気持ちを切り替え次々と勝利を収めていく。絶対王者早大を倒し、見事1部2位に輝いた。
曇り空
春のリーグ戦では2位に輝き、史上初の王座進出を決めた立大。残す目標はただ一つ、優勝のみ。頂点に輝くべく、チーム一丸となって今リーグ戦に臨んだ。
初戦の相手は慶大。直前に行われた六大戦では、圧倒的な力を見せつけ勝利していた。難なく試合を制すると思われたが、予想だにしない波乱が待ち受けていた。
混戦を極めた試合は、慶大と1セットずつを分け合う形となる。本来の実力を発揮できず最後の3番手、加藤幸(文2)・泉田(コ2)ペアに出番が回る。一進一退の攻防が続き、ファイナルゲームにもつれ込む。先にマッチポイントを握るも、ミスを恐れず攻める相手のプレーに苦戦。「守りに入ってしまった」(泉田)。一気に慶大ペースとなり6連続失点。あと1点が奪えず、まさかの敗北を喫することとなった。
続く明大戦でも、気持ちを切り替えきれず2セットを落とす。それでも「流れを変えたかった」と強い覚悟を持ち、必死にボールを追い続けた加藤幸と泉田。不屈のプレーでセットを奪い、チームの暗い雰囲気を払拭(ふっしょく)した。負けてしまったものの、再び前を向いた立大。東女体大、東経大をストレートで下し、2勝2敗で勝負の最終戦へ挑んだ。
一転
最終戦の相手は早大。インカレ優勝校でソフトテニス界の絶対王者だ。1番手の小林(コ2)・中田(文2)ペアが激戦を制すも、続く中山(コ3)は黒星となる。勝負の行方はまたしても加藤幸と泉田に託された。
相手ペアは日本代表に選ばれている強者だ。「格上だからこそ思いきり立ち向かえた」(泉田)。コートの隅を突くショットで左右に揺さぶり、一瞬の隙を逃さずボレー。激しく風が吹く中でも果敢に攻め続けた。白熱した試合は最終ゲームに突入する。日が沈みボールが見えにくい状況となるも、必死に食らいついていく。勝利への執念で逆転勝利を飾った。
「彼女たちならなんとかしてくれるという信頼感があった」。主将の中山はそう語った。巧みなコントロールで相手を崩していく加藤幸と、コースを見切り確実に得点を奪う泉田。二人の強みを遺憾なく発揮した結果となった。主力の小林・中田ペアと肩を並べんばかりに、成長を遂げてきた彼女たち。勝負どころを任される3番手として欠かせない存在となった。
2敗したものの、3季連続準優勝という結果に輝いた。頂点への階段を着実に駆け上がっている。悲願の1部優勝へ。栄光はもう目の前にある。 (新井智大)
【ハンドボール部】
挑戦の場へ常笑軍団いざ出陣! 関東学生 秋季リーグ 1部 復帰
立大ハンドボール部が1部に返り咲いた!無念の2部降格を味わった春。チームはこの悔しさをばねに一致団結。圧倒的強さを見せつけリーグ全勝優勝を成し遂げる。入れ替え戦でも、宿敵に春の借りを返し雪辱を果たした。
協心
今春、立大は2部降格という不本意な結果に終わった。「こっちの自滅」。入れ替え戦で本来の実力を発揮できず、挑戦者の順大にまさかの敗北。1部の座を明け渡した。この屈辱を忘れず、選手たちは秋でのリベンジを誓う。
主将・金城(コ4)は、学年の垣根を越えたチームを目指した。オフェンス・ディフェンスリーダーを後輩である下地(コ2)と比嘉栄(コ3)に託す。風通しの良い雰囲気を作り上げてリーグ戦に挑む。
「2部でプレーすることでチームの底上げができている」。秋リーグも中盤に差し掛かった頃、金城が言った言葉だ。格下相手との対戦で、春には出場機会が得られなかった選手も試合に出場して経験を積んだ。また関東学大、国武大戦では全員得点。チーム力向上の確かな証しであり、選手たちの自信となっていく。
立大は連戦連勝で走り続けた。リーグ最終戦の相手は、春まで1部にいた駿河台大。強敵相手にも笑顔で立ち向かう。攻撃の要である下地が11得点を挙げる大活躍。32―30で接戦を見事制し、2部全勝優勝でリーグを終える。
入れ替え戦で対するは皮肉にも因縁の相手、順大。もう負けるわけにはいかない。リベンジを果たす最高の場が整った。
声を力に
試合は独特の緊張感に包まれて始まる。序盤、立大の強気のプレーが裏目に出てファウルが重なり、退場者が続出。そんな厳しい状況を救ったのはキーパーの嘉陽(かよう=社4)だ。好セーブを連発し、ゴールを死守する。
「助けられてばかりではだめだ」。攻撃陣の闘志に火がつく。下地・磯田(営2)らが奮闘。9点の大差をつけ前半を終える。
後半、相手に連続得点を奪われピンチを迎える。そんな劣勢のときこそ選手たちは笑顔を意識する。「立教らしく、楽しく」。この言葉がいつもの自分たちを取り戻させてくれた。全員が声を出して盛り上げる。焦らず攻撃し、逆転を許さない。最後までリードを保ち最終スコアは36―30。選手たちは歓声を上げ、コートの中心に駆け寄る。
「何よりもほっとした」(金城)。昨年先輩が自分たちに残してくれた場所。1度降格はしたが、何とか帰って来られた。プレッシャーから解放された選手たちは安堵(あんど)の表情であふれていた。
春、立大は勝てる試合を落とした。昇格はあくまでも通過点。過去の自分たちを超えるために次は1部定着を目指す。この1年で強固となったチームの底力。一致団結して取り戻した1部で本当のリベンジが始まる。 (上西美保子)