【準硬式野球部】
“強気”が織りなす結束力、六大学王者誕生 立教の時代 春季リーグ33年ぶり
12年越しの悲願叶えた! 関東でその強さを証明した立大。リーグ戦では幾多の接戦を制し見事優勝を決めた。次のステージは全日本。主将・三好佳太焉i社4)が中心の新チームが、今度は全国にその名をとどろかせる!
接戦乗り越え
対戦相手は神奈川大。昨年、勝敗数の差で惜しくも2部昇格を許した因縁の相手だ。しかし立大の選手たちは2部を経験した相手を前にしても、臆することなく勝利の一点のみを見つめて挑む。
第1試合を落とすも2連勝し、第4試合の中條・宮崎(コ4)ペアが決めれば悲願の昇格へ。2人は4年間の思いを秘めてコートに立つ。2年の冬から主将を務める中條は、今までの思いを羽球に込めプレーをする。仲間のために、また自分自身のために。相手のアウトを誘い勝利した瞬間、これまでの苦労が走馬灯のように駆け巡る。“昇格”が決まり、緊張の解れた頬に一粒の涙が伝った。
最後のカードは東大戦。もはや、ここまで激戦を制し続けたナインに隙は無かった。三好の奇襲をきっかけに初戦を獲ると、同日勝ち点で並んでいた明大が敗北しチャンスが訪れる。
運命の2回戦、王者に相応しい試合を見せた立大に遂にその時が来た。最後の打者の打球が三好のグラブに収まると、グラウンドは歓喜に包まれた。
何度も優勝を逃し続けて来た立大。だが今年は違った。それは主将を務める男の努力の他なかった。
主将の背中
最後の優勝から12年の月日が経っていた。昨春こそ2位と健闘したが、秋は5位。「全部変えるぐらいの事をしないと勝てない」。新主将に任命された三好は危機感を覚えていた。
彼は始めに部員の意識改革に取り組んだ。自らの態度で示すため、就職活動を最小限に抑えた。「優勝のために削ってるから」。
今でこそ信頼される主将の三好。だが大学で主将を務める気は無かった。野球は実力社会。大学3年間の主将は全員甲子園出場者。その中で彼は上に立つことに不安を覚えていた。
「でも実際主将になったら実力なんて関係ないって思った」。 主将の自覚が彼を突き動かし、立大を最高の結果へ導いた。
「優勝はうれしいけど、これで満足じゃない」と選手たちは口々に語る。次に六大学の覇者を待ち受けるのは全国の舞台。準硬式野球部を変えた立大ナインのさらなる挑戦はまだ始まったばかりだ。(伊藤康平)