【ローラーホッケー部】
女王奪還!!2年ぶりに見た景色
女子インカレ制覇
ローラーホッケー部女子が学生女王に返り咲いた! 1年前、課題だらけの状態からチームはスタート。信じた仲間と共に苦しい時期を乗り越えた。全てはインカレ優勝のため。全員の思いが一つになったその時、長野のリンクで数々のドラマが生まれた。
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最高の結果を残し、熱い抱擁を交わす選手たち。 笑顔とともに歓喜の涙をにじませた【撮影・越智万悠子】 |
長い助走
始まりはどん底だった。去年のインカレで涙の準優勝。雪辱を誓ったものの、残されたのは試合経験が少ないメンバーばかり。まとまりにも欠け、不安だらけで始動した。
「全員が勝ちを喜べるチーム」。理想を掲げ、主将・福山(営4)を中心に改革を図る。成果は結果に表れた。8月の全日本で絶対王者の社会人を延長戦まで追い詰める。また福山、菊地(コ4)、多田(文3)が日本代表として南京へ遠征。そこで受けた刺激をチームに還元する。「仕上がりは100%」(福山)。最高の状態でインカレを迎えた。
初戦は国学院大戦。この1年、1勝どころか1点も奪えていない。シュート数を増やす戦術が功を奏し福山が先制点を奪う。直後の失点も渡部(現3)が取り返す。勝利が見えてきた。だが残り2秒。相手にフリーシュートを献上。反撃を許し2―2で延長戦に持ち込まれる。また勝てないのか。不安が頭をよぎる。
だが積み上げた努力が、自信へと形を変えていた。果敢に攻め続け、福山のパックがネットを揺らす。同時にリンクは沸いた。全員が涙を流し、抱き合って勝利をかみしめた。
そして頂へ
歓喜に浸るチーム。しかし決勝には昨年、フリーシュート戦で敗れた専大が待ち受ける。同じ轍(てつ)は踏まない。目標はあくまで優勝。気持ちをリセットし試合に臨んだ。
去年と同じ展開になる前に試合を決める。堅守を誇る専大の厳しいマークに強気の攻撃で対抗。苦しい状況が焦りを生む。それでも隙を狙い続け、得点のチャンスをうかがう。
そして運命の瞬間は訪れた。渡部の放ったシュートのこぼれ球を福山が押し込む。全員の思いが、1年前に崩せなかった鉄壁を打ち破った。GK菊地の好セーブを皮切りに、1点を全員で守り抜く。一瞬たりとも気は抜けない。ようやく試合終了のブザーが鳴る。「ほっとした」(多田)。彼女たちの1年は安堵(あんど)の笑顔で締めくくられた。
「うれしいの一言です」。主将としてチームをけん引した福山は、晴れ晴れとした表情を見せる。優勝からは程遠い場所にいた彼女たちは、女王の風格をまとっていた。激闘の1年間を走り抜き、喜びを全員で分かち合った彼女たち。そこには確かに、理想として描いてきたチームの姿があった。 (古村満里奈)
【女子バドミントン部】
創部70年目の美挙 新星ペアが凱歌を奏す
インカレ女子ダブルス 史上初16強 有川遠山
若きペアが、史上初の快挙を成し遂げた! 今後、部の中心を担っていく遠山きよら(済2)と有川友理奈(文1)。全国の強豪たちを次々と撃破し、史上最高のベスト16に輝いた。今年、創部70周年を迎えた女子バドミントン部が今熱い!
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気迫のこもった力強いプレーで 破竹の勢いをみせる遠山・有川ペア【撮影・松下咲貴子】 |
望外
1回戦で対戦するのは、遠山の高校時代の先輩。やりづらさがある中で鉄壁のレシーブを見せ、相手のミスを誘い辛勝する。
続く2回戦では、インハイ4強の相手と対戦。「レベルが上の人とはやりやすい」と有川が語るように、試合の中で調子を上げていく。チャレンジャー精神で本人たちも驚くような技を見せ"覚醒"した2人。3回戦まで駒を進めた。
「怖いけどここまで来たらやるしかない」。 腹をくくりお互いを信じるのみ。なおかつ勝利への欲が出て力まないようにーー。
遠山が球を拾って前に入り、後衛の有川が強烈なスマッシュを決める。この攻撃スタイルを徹底し、無心で球を追った。試合はファイナルゲームのデュースまでもつれ込む大接戦に。猛攻を仕掛けてくる相手に必死に食らいつく。緊張感漂うコートに遠山のレシーブショットが決まった。22―20。試合を制した瞬間、2人からは笑みがこぼれた。
「まさか勝てるなんて思わなかった」(遠山)。 突破は難しいと思われた3回戦を、驚異の粘りで劇的勝利。強者が勢ぞろいする中史上初の16強が決定した。4回戦は関西王者に屈するも、2人の快 進撃は立大の歴史に名を刻んだ。
超克
試合前、彼女たちには大きな不安があった。敗者復活戦で必死につかんだインカレへの切符。本番に向けて調整するも、ペアリングがかみ合わない。
コンビネーションが問われるダブルスの世界。多くのペアが長年組むことで、強い連携力を養っていく。それに対して、遠山・有川は今大会初めてタッグを組んだ。まだ1、2年と若く結成して間もないペアは、どこまでいけるのか。
目標は初戦突破だった。2人は「お互いできることをやろう」と謙虚な気持ちで臨む。試合が始まると長いラリーで相手のミスを誘う。不安を覆す予想外の活躍を見せ、トーナメントを上がるごとに勢いづいていった。史上最高の結果を残したことは、今後の自信につながったに違いない。
シングルスで鍛えたフットワークと技術の繊細さが持ち味の遠山。最後まで諦めない粘り強さが特徴の有川。長いラリーにも耐えられる体力で、次々に点を奪っていく。2人の強みが重なれば攻撃力は無限大。立大史上、最強ペアである。
熱き魂をもつ彼女たちなら、この先記録を塗り替えるのも夢じゃない。伸び盛りにある若きマドンナたちの今後の活躍が楽しみで仕方がない。(松下咲貴子)