空手部

東日本空手道選手権大会詳報

 5月5日、日本武道館にて行われた第38回東日本空手道選手権大会で、本学空手部男子は価値ある一勝を手に入れた。全68大学がトーナメント方式で争う今大会の第一試合でのことである。
 相手は東大。本学は1ヶ月前の六大戦で東大相手に思わぬ負けを喫している。本学は、「二度は負けられない」と、先日とはオーダーを変えて試合に臨んだ。まず団体戦勝利への弾みをつけたのは、小山(文4)。六大戦で唯一白星をとった勢いに乗り、冷静かつ果敢な攻めで先鋒戦を勝ちとった。そこに次鋒・原(法2)が続く。六大戦のときに引き分けた、大浦(東大4年)が対戦相手である。互いにポイントを重ねるが、またも判定・引き分けの結果に終わる。
 その後中堅・宮野(経4)と副将・森崎(社4)が積極的に攻めるも、惜しくも負けてしまい、この時点で一勝二敗一分け。そのがけっぷちに立たされた本学にチャンスをもたらしたのはまだ2年生の横瀬(経2)だった。「2年生を大将におくのはバクチだったが、横瀬は経験とそれに裏づけされた勝負強さがある」と主将・森崎が語る通り、技ありを確実にとって2勝2敗一分けのイーブンにもちこんだ。そして勝敗の行方は代表決定戦にゆだねられことになる。
 対戦カードは、またもや原VS大谷。原は、実力を買われての代表戦抜擢である。過去二回このカードで引き分けているが、3度目の正直なるか――。
 まずポイント先行したのは原だった。「163cmの小さい体は、スピードで勝負しなかったら大きい相手にすっ飛ばされてしまう」と自身が語るように、勢いと攻めの速さで勝負する。お互い相手をじっと見据えながら攻撃を仕掛ける。そして原の2ポイント目となる技あり。勝負が決まった。苦闘の末の、本学の勝利だった。

 その後男子・女子団体戦共に、二回戦では強豪・日体大に当たり1ランク上の実力の前に敗退してしまった。だが、勝たなければならない試合に勝てたという事実は選手たちに結果以上のものをもたらしたに違いない。今の本学には、ここ数年にはなかった「攻めの試合展開」が見られる。今後チーム全体として飛躍する期待大、である。
                                                       
(新里)