器械体操部

「60年目の春」

  2003年度前期の活動が終了。3年目にして初めて、春の器械体操部の試合に伺うことができた。ただでさえ公式試合が少なく、年間でも取材するチャンスは滅多にない。この貴重な取材記録をここに書き起こしておこうと思う。

 4月19日、東日本学生体操競技グループ選手権大会。
 東日本学生体操競技選手権大会への出場権を懸けて田中(経3)が出場。自ら「弱点」というあん馬からのスタートで、なかなか点数が伸びない。跳馬では2回宙返りに挑戦したものの着地で失敗。厳しい状況であったが鉄棒や床の演技で点数を重ね、最終結果は総合33.00点で東日本選手権への出場権を得た。
 試合後、「コンディション作りができていなかった」と自省したが、器械体操部としても東日本選手権出場は実に3年ぶり。目標を一つ達成してさらに磨きのかかった演技が見られることを期待したい。(写真=田中の鉄棒の演技)

 6月8日、明立定期戦。
 明大から5人の選手を迎えての定期戦。人数不足の本学は主将・岡本(経3)がケガをおしての出場で、ようやく3人そろい団体を組んだ。
 床の演技で宮崎(理3)が8.55点をマーク。本人も「予想外にうまくいった」と驚くほどの出来だった。「得意種目は床」と自負する岡本も難度の高い技に挑戦し、8.60点で種目別床1位となる。6種目通して大きなミスのなかった田中はバランスよく高得点を出し、個人総合3位となった。惜しくも団体では明大に及ばなかったが、前期の集大成として各選手が収穫と課題を再確認したはずだ。
 
 器械体操部は今年、創部60周年を迎えた。その長い歴史の中で黄金期もあれば低迷期もあった。
 現在、男子選手の不足に悩まされている。3年生が3人と1年生が1人。団体を組むためにも5人以上は欲しいところであろう。現部員のレベルアップとともに新戦力の出現も切に願いたい。    
 
 明立定期戦の後、3人に今後の課題を聞いた。
「(練習不足にも影響するので)ケガをしないようにする」(岡本)
「あん馬を(技が少ないので)あん馬らしい演技にしたい」(田中)
「基礎をしっかりと固める」(宮崎)
 
 60年目の秋、彼らはどんな演技を披露してくれるだろうか。 
                                                       
(水上)