ホッケー部女子

「最後の秋へ」

皆さんはホッケーという競技をご覧になったことはあるだろうか。アイスホッケーではない、グラウンドで行うホッケーである。私も立教スポーツでホッケー部女子の担当になり初めてホッケーという競技を目の当たりにした。

 ホッケー部女子はポロシャツにミニスカート、ハイソックスという「かわいい」かっこうで試合をする。初めて観戦したとき「なんと華やかな競技だろう」と思ったことを覚えている。しかし一転、試合はけが人が絶えないほどのハードなスポーツ。到底、見た目だけに憧れてできるスポーツではないのだ。

 私が担当についた昨年、本学は向かうところ敵なしと思うほどに強いチームであった。秋季リーグでは負けなしの3部優勝、2部昇格を勝ち取るほどの実力を持っていた。

 そして、今年。主軸だった選手が卒業し、大きな穴ができてしまった。春季リーグで思うような結果が出せない。たった一人の4年生、主将・石原(観4)はどれほどの重圧を感じたことだろうか。

 6月15日、とうとう本学は一勝もできぬまま上智大との2部3部入れ替え戦を迎えた。石原は精力的に動き、自慢の足で積極的に相手ゴールへと走る。卒業生も応援する中、石原はただがむしゃらに攻め続けた。

しかし、願いは届かなかった。1点を失い、敢え無く本学は3部降格。試合後、石原は人目をはばからずに泣いていた。試合中はチームの柱として強気に攻める彼女が見せた悔し涙に、私も胸が苦しくなった。それでも、主将として一生懸命チームを引っ張っていく石原の後ろ姿が、私には頼もしく思えたのだ。

絶対にこのままでは終わらない。最後の勝負へ――秋季リーグ開幕まで1カ月を切っている。
                                                       
(2003年8月8日・杉野)