ラグビー部

挑戦
〜80年の絆に支えられて〜

  
 舞台の上には選手をはじめコーチ陣、マネジャーが勢揃いしていた。
その中心には中澤監督と主将・飛田(経4)。彼らは400人近い来賓を前に、今季のリーグ戦を健闘することを誓った。

 2003年9月7日、ホテルオークラ。
本学ラグビー部の創部80周年記念祝賀会が行われていた。

 創部80周年。
この記念すべき年を控えた前年、本学は入れ替え戦で東大を破り対抗戦Aグループへの昇格を果たした。1997年に対抗戦リーグがA・Bグループの2部制に変更されて以来、リーグ内初の昇格校である。
「制度が変更された時、たまたま下位にいただけ」と当時はあまり危機感を感じていなかった。
入れ替え戦敗退という悔しさを味わうことのなかった「降格」は、本学に甘えを与えていたのかもしれない。
 しかし、戦えども戦えども昇格できない。甘えは焦りへと変わっていく。2001年に現役強化プログラムと銘打ったOB会を中心としたプログラムを開始、勝つことに本気で執着し始めた。
 そして昨年、一昨年にBグループ最下位だったチームとは同一とは思えぬほどに本学は強くなっていた。貪欲に、がむしゃらにボールを追い、しかしその姿は楽しげであった。


 閉会の辞でOBクラブ副会長の宮原氏が語った言葉が印象的だった。
「胸を貸してください。力を貸してください。応援してください。」
男泣きする彼に、来賓は拍手で応えた。
 私は不意に昨年の入れ替え戦を思い出した。凍えるほど寒い、12月の秩父宮。
そのスタンドが立教の旗で埋まっていた。そうだ、現役選手だけではなくOBたちが、みんなが待ち望んでいたAグループ復帰。80年という年月が築いた重きものに支えられ、勝ち取った昇格だったのだと改めて思った。

 しかし強くなったのも、昨年を勝ち続けることができたのも現役選手たちの努力こそである。試合が始まれば、観客は見守ることしかできない。今季も彼ら自身が戦うしかないのだ。周囲の期待や注目は時に重圧ともなるだろう。だが本学にはそれさえも楽しみに変え、乗り越えていく力があると信じたい。


 これを書いている9月20日現在、本学はすでに初のAグループ公式戦の一戦目、対日体大を終えている。本学は終始固い動きが目立ち、相手を勢いづかせてしまう。スコア21−111という苦いAグループデビューとなった。

 しかし、挑戦は始まったばかりだ。
しがないいちファンとして思うことはただひとつ、「立教のラグビー」が見たい。
それさえ貫けば、結果は後について来るはずである。 

(2003年9月22日・小林)