スケート部アイスホッケー部門
第2回 このままじゃ終われない

 


 1年前の関東大学アイスホッケー選手権大会での神大戦。本学は経験者を多く有す相手チームに、0―30の大敗を経験させられた。そして今年、同大会で再び神大と対戦。結果は2―19とまたもや完敗――。主将・落合洋司(理4)は「このまま同じ練習を続けて、次(神大と)戦ってもせいぜい4―12くらいになるだけ」と言う。主将という立場にある落合の肩に、この結果は重くのしかかったのだろう。「このままじゃ終われない」。そうつぶやいた。

 学生スポーツにおいて「キャプテン」の存在は重要だ。特に、チームが劣勢の時ほどキャプテンの力量は試される。試合の運び方や、仲間を鼓舞し声をかけること。これらを主将自身が示していかなければチームに勝利の波を呼ぶことも、それに乗ることもできない。だが最高のキャプテンシーを発揮できたならば、試合の流れが一気に好転するほどの大きな力が生まれるように思う。
 
 一口にキャプテンと言っても、そのスタイルはさまざまである。そこで落合に理想のキャプテン像について問うと、「(一般的な理想は)エースよりムードメーカーなんじゃないかな」と返ってきた。しかし落合自身は「主将というよりも、まず一選手として頑張りたい。目指すところは…最初の頃は気迫のキャプテンだったけど、今はスーパーエースだよ(笑)」と言う。まずは一選手として――。落合の決意が込められたこの言葉。チームを引っ張っていく立場としてはやや勝手な言葉に聞こえるかもしれないが、落合はさらにこう続ける。「(秋季リーグ開幕までの)残り5か月、アイスホッケーにかけてみようと思う。もうできないってくらいにやる。俺が一番頑張るんだ」。主将としてチームのことを考えるあまり、プレーヤーとしての自分を見失う人もいる。だが落合はそのプレッシャーをうまくチカラにし、落合なりのキャプテンシーを見出しているようにみえた。

 このままじゃ終われない――。この気持ちは落合だけが抱いているものではないはずだ。現在3部にいる本学。昇格するためには格上とされる順大、本学が苦手にしている武蔵工大、そしてリベンジを果たしたい神大を倒さなければならない。5か月後の秋、落合を中心にどのようなチームが仕上がってくるのか今から楽しみである。(江幡)