アメリカンフットボール部

〜強豪撃破・躍進の予兆〜





 立大、中大を破る

 9月23日、アミノバイタルフィールドにて行われた関東大学アメリカンフットボールリーグ戦1部Aブロックの第2節。本学は昨年のプレーオフ(注1)進出校、中大と対戦した。今年も優勝候補である強豪・中大を相手に本学は互角の戦いを展開。手に汗握る熱戦の末、25−24で中大から勝利をもぎ取った。


 予兆はあったのだ。9月10日にアミノバイタルフィールドで行われた第1節。本学は昨年の準優勝校、早大と接戦を繰り広げた。本学は昨年も早大と当たったが、その時は7−36で敗れていた。この日も試合開始3分で早大にTD(タッチダウン)を奪われると、7分には98ヤードを走られTDを決められてしまう。昨年の早大戦が脳裏をよぎる。しかし、ここから本学の攻撃陣が巻き返しを見せる。松下(経4)と主将・鈴木(圭)(社4)が距離を稼ぎ、最後は石井(法3)が20ヤードを走ってTD。このプレーに応えるように守備陣も奮起する。早大の強力な攻撃を止め、本学2つ目のTDにつながるチャンスを作った。さらに得点後、キックオフで早大に渡ったボールを中村(文2)がすぐさまインターセプト。これをQB(クオーターバック)の馬道(うまみち=社2)が自ら走りTDに持ち込む。本学は早大を相手に前半を21−21で終えた。

 後半に入ると早大が地力を見せ連続TDで本学を突き放す。対する本学はゴールまで75ヤードの地点から気迫のプレーで前進を重ねTDを決める。試合時間は残り3分、本学が勝つためには次の早大の攻撃を必ず止めなければならない。この正念場に本学守備陣は果敢にタックルを仕掛け2分足らずで早大の攻撃を止めて見せる。しかし攻撃を諦めた早大が本学に向けて蹴り込んだ(注2)ボールを松下が痛恨の落球。こぼれたボールを抑えた早大が残り時間を逃げ切り、28−35で試合終了となった。だが試合に敗れたとはいえ本学は早大を追い詰めて見せた。その戦いぶりは今季の本学の躍進に期待を抱かせるに充分なものだった。


 今季の本学の好調を支えているのはその攻撃力だ。昨年から本学の攻撃の柱となっている2人のエース、ランニングバックの鈴木(圭)と松下の走りは今季も健在だ。またパスを多用するショットガン攻撃を取る本学。その要となるレシーバーでは鈴木(翔)(社4)が2試合で216ヤードを稼ぎ、この時点でパスキャッチの個人記録1部1位に立っている。中大戦で2TDの活躍を見せた上野(社2)にもさらなる期待がかかる。

 そして攻撃の起点であるQBでは馬道が異彩を放っている。本来パスを繰り出すポジションのQBでありながら馬道は自らボールを持って合計117ヤードを走り、1TDを挙げている。パスでも中大戦では7割を超える高い確率でパスを成功させて見せた。今、本学で最も輝いている選手と言えるかもしれない。

 昨年、攻撃に比べ不振だった守備も副将・佐藤(優)(経4)の指揮の下、今季は粘りのプレーを見せている。中大戦ではほとんど相手に攻撃権の更新を許さず、1回の攻撃あたりの前進距離を5.3ヤードに抑えて本学を勝利に導いた。


 1部昇格1年目は5位、2年目は6位に甘んじた。しかし中大を破った本学にもはや1部下位校のイメージはない。夢のプレーオフへ、3年目の飛躍に向け本学の戦いは続く。

(2005年9月30日・宮下)


(注1)

(注2)
アメフトでは1回の攻撃権で4回攻撃を行うことができる。この4回の攻撃のうちに合計10ヤードを進むことができれば攻撃権を更新し、もう一度4回攻撃できるようになる。4回目の攻撃で10ヤード前進する見込みがない場合、大抵は攻撃権を諦める代わりにボールを敵陣に蹴りこみ相手チームの攻撃が不利な位置から始まるように仕向ける。

(写真=攻撃の主軸、鈴木(圭))

(写真=走りも冴えるQB・馬道)








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