柔道部
〜時の過ごし方〜


 5月8日、宮城県武道館にて、第51回全日本基督教関係大学柔道大会が行われた。この大会は本学柔道部が毎年重きを置いている大会だ。そこで今回本学が残した成績は二部準優勝。本学にとって「準優勝」が意味するものとは――。
 
 初戦、本学の雌雄を決したのは先鋒・白川(法3)だった。敵は関東学大、相手の先鋒は180a110`の巨漢、本学の白川は167a60`の小兵である。決して有利とはいえない状況に、部員の意気は下がっていた。しかし白川は見事な戦いぶりを見せる。体重差をもろともせず相手を翻弄(ほんろう)し一本勝ち、自身「『相手をかきまわす』という先鋒の役割を果たした」という活躍だった。白川の戦いで勢いにのった本学は、高橋(理2)の一本勝ちなどにより、初戦を2勝2敗1分けで辛勝し、なんとか一つ目の山を越えた。続く2戦目の相手は桃山学大。格下のチームを相手に、難なく5戦全勝で決勝へとコマを進めた。
 決勝の相手は、本学が普段から合同練習を行っている明学大である。昨年の優勝校である相手に雪辱をかけて挑んだ本学。しかし結果は1勝3敗1分け、昨年同様またしても準優勝の結果に涙をのんだ。主将・陰山(観4)は「この大会ではずっと準優勝なので、最後こそは、と挑んだが残念だ。しかし梶(経4)、松村(法4)の主力が欠けるなか健闘できた。決勝は実力差だったが、内容は悪くないし練習の成果が出た」と語った。
 と、ここまでは例年通り。しかし今年は本学に願ってもないチャンスが訪れた。5月29日、日本武道館で行われた平成17年度東京学生柔道優勝大会の敗者復活戦のトーナメントで明学大とあたり、再戦したのである。「今回こそは何としても負けられない」と再挑戦に闘志を燃やす部員たち。が、しかし、明学大の壁は厚かった。高橋の一本勝ちや待田(経1)の不戦勝で白星を飾るも、草加(文2)、横塚(文3)、清藤(文3)が一本負けするなど、終わってみれば2勝5敗の大敗であった。この結果に、陰山は「明学大との差が開いてしまった。練習への取り組み方や試合に対するモチベーションに差があったのではないか」と振り返った。

 優勝してもなお、さらに高みを見続け着実に力を伸ばしてきたライバル。それに対して本学はどうだろうか。「準優勝」に満足してはいないことは明らかであったが、例年通りのその三文字に、どこか安心したところはなかったか、気の緩みはなかったか、大きな目標にしていた大会を「準優勝」で終え、ホッと一息ついていたところはなかったか――。
彼らの道はまだ終わっていなかったはずだ。

 時はまだ初夏。次なる戦いは秋。濃密な一分一秒を過ごす者たちにとって、残された時間は長く、時が過ぎるのは速い。自らを省み、帯をきつく締め直した彼らはこれからの日々をいかに過ごすのか。

 秋には晴れやかな歓喜の言葉が聞けることを願っている。

 
(2005年6月11日・麻田)







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