男子ラクロス部
−勝負の時を前に−
春の風が心地よく吹く東大検見川グラウンドで、4月21日から4月28日にかけて東京六大学交流戦が行われた。それは本学男子ラクロス部にとって「新チームの実力を試す」という意図を含んだ、上位校への挑戦であった。
 
昨年、学習院大との死闘を制して1部残留を決めてから約半年。選手たちは「この残留を無駄にはしない」という一心で練習をつんできた。本番のリーグ戦を占う意味でも絶対に上位に食い込みたい。その初戦の相手は昨年の関東学生王者・慶大である。
 第1Q、第2Q、慶大は本学のゴールに迫り、次々と得点を重ねていく。本来の力を発揮できない本学は、第3Qを終え4−10と大量リードを許してしまった。昨年までならば、ここから更に点を失い、大差で敗れていたかもしれない。しかし今年の彼らは違った。ここから、中村(経4)、上島(経3)、泉(営2)の3人がゴールを決め、逆に守備陣は粘り強く守り、失点を許さなかった。結果は7−10。昨年、1部の強豪校を前に苦戦を続けた姿とは明らかに違う。そこには「Finalを目指す」という言葉に決して偽りはないチームがいた。
 第2戦となった東大戦は7−7で引き分ける。「東大は慶大より弱い。慶大相手に点を取れることが分かったからこそ、勝ちたい」(上島)という意気込みからすれば、満足のいく結果ではないかもしれない。だが、昨年は東大相手に4−8で敗れている。この結果もまた昨年の戦いとその後の鍛錬が、男子ラクロス部を成長させたことの証明だ。
 そして六大戦の最終戦であり、3位決定戦でもある法大戦。主将・佐藤(経4)の語る「リーグ戦では法大のような中堅校に勝っていく」という狙いからすると、先の2戦よりも彼らの「負けられない」という思いは強かったはずだ。本学は立ち上がりから終始リードを許してしまうものの、2点以内のビハインドに抑える。なかなか優位に立てず追い詰められた終盤には、佐藤が連続してゴールを決めるなど粘りに粘った。しかし、最後は「勝ち慣れていない」(佐藤)という経験の差が災いし、7−8と競り負けてしまった。
結果は六大学中4位。全大学が1部に所属することを考えると、また昨年の成績と見比べると、客観的には「善戦」なのかもしれない。だが、佐藤は「目標は達成できなかった」と振り返る。そして、「更に(チームの)完成度を高めていく」と力強く語った。

最後の最後で競り負け、惜しくも3位を逃した今回の六大戦。序盤から本来の力が発揮できず、追いついた直後に失点するなど、「まだチームが出来ていない」(佐藤)という面は確かにのぞいていた。しかし、泉、小澤(社2)、松井(現2)など試合に出場する2年生も多い。「ノビシロ」はある。佐藤は「経験を積んでいけば勝てる」と断言した。
残留を経て、今年は「勝負の年」と彼らは位置づけている。1部3位を狙い、その先のFinal4という舞台へ。そして彼方に見える「常勝」を目指し、男たちは再び走り出した。実り多き秋が必ずや彼らを待っている。

                               
(2007年6月28日・鈴木(雄))