準硬式野球部
〜混戦の春季リーグ(前編)〜

 彼らが目指すものは「全日本選手権出場(以下全日)」。昨秋リーグ5位に終わってしまったが下級生にレギュラーが多く残っているため、リーグ上位に入ることが有力視されていた。そして全日出場(リーグ戦2位以内で出場予選獲得)にむけて、彼らは東京六大学準硬式野球春季リーグ戦に挑んだ。

春季リーグの幕開け(4月12日・大田スタジアム)

(立)濱田、森―竹内、仲澤

 春リーグ初戦、大田スタジアムに現れた立大ナインはどこか緊張している、そんな表情だった。本学のエース濱田(観2)は序盤からテンポ良く投げ、5回まで法大打線を抑えていく。一方打線はチャンスを再三作るも、走塁ミスなどで得点を挙げることが出来ない。そんな中迎えた6回だった――。投げた瞬間「しまった…」。法大4番打者・滝口に投じた甘く入った球は、無情にもレフトスタンドに消えていった。その後も開幕戦の重圧からエラーを重ね失点を許し、リーグ初戦を落としてしまう。


 

 

 

あとアウト1つ…(4月13日・早大東伏見グラウンド)
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(立)片岡、長井、森―仲澤
※3時間規定により引き分け

 小雨の降る肌寒い中行われた2回戦。対法大1回戦では完封負けを喫し後の無い本学。4回・5回と立て続けに失点してしまうが直後の5回裏、相手のエラーと柳沼(文4)の適時打であっという間に逆転に成功する。本学リードで迎えた9回表二死、二塁打で出塁した走者を置き、法大打者が放った力の無い打球は不運にも右前に落ち、同点とされる。その後の本学は得点を奪うことができず、規定により引き分けとなった。あと一人抑えれば…実に悔いの残る結果となった。

勝ち点逃す(4月15日・早大東伏見グラウンド)
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(立)濱田、片岡、長井、森―仲澤、竹内

 対法大3回戦、同点で迎えた5回。法大打線の4本の安打と本学の野選・失策が絡み大量失点を許し、最大9点差をつけられてしまう。周囲に諦めムードが漂う中、優勝のために勝ち点を逃すわけにはいかない本学は主将・磯部(済4)の満塁本塁打などで粘りを見せ3点差までその差を縮める。結果あと一歩勝利には及ばなかったが、徐々に本学の調子が上向きになっていることが表れた試合だった。

磯部主将
若いチームの脆さが出た試合でした…。投手陣は3回戦までいったが頑張ってくれました。2回戦の流れが3回戦に影響してしまったかもしれないが、全日に出場できるよう敗戦の気持ちを切り替えたいです!

 

 

見せ場作れず(4月19日・上柚木球場)

(立)片岡、長井、岡―仲澤、竹内

 「流れが最初から悪かった…。」(磯部)と振り返るように初回に先制点を奪われるとその後も本学のエラーなどが重なって回を追うごとに失点を重ねてしまう。打撃陣は井上(明大3)の前にわずか2安打で完封負け。6回に井上が本塁打を放つなど、まさに井上の一人舞台となってしまった。

エースの力投(4月20日・早大東伏見グラウンド)

(立)濱田―竹内

 ここで勝ち点を落とすと全日が遠ざかってしまうだけに、本学にとっては勝たなければならない試合だった。3回に今井(文2)の適時二塁打で先制すると、4回には満塁の場面で柳沼が走者一掃の適時二塁打で追加点を奪う。投げてはエース濱田が9回を投げ切り2失点の完投勝利。本学は今季リーグ戦、待望の初勝利を挙げた。

あっけない幕切れ(4月21日・早大東伏見グラウンド)

(立)森、片岡−竹内

 両校星を五分として迎えた対明大3回戦。初回先頭打者の柳沼が振り抜いた打球は、そのままフェンスを越え本塁打。同点と追いつかれた4回にも中島(済3)の本塁打で勝ち越すものの、5回・6回と立て続けに失点してしまい逆転を許してしまう。4回以降井上(明大3)に抑え込まれていた本学だったが9回、その回先頭の今井が放った打球は、乾いた打球音を残しフェンスの向こう側へと消えていった。土壇場で追いついた本学は10回、安打などで1死満塁とサヨナラのチャンスを作る。初球、打者設楽(社2)の場面で本学のとった作戦はスクイズ。とっさにスクイズを外した球は暴投となり、そのまま3塁走者が生還しサヨナラ勝ち。本塁打で得点を重ね最後は暴投、なんともあっけない幕切れとなった。2日前完璧に抑え込まれた先発・井上に、本学がその雪辱を見事に果たし、勝ち点を奪った。

磯部主将
法大戦に続き3回戦までもつれたが、投手陣が頑張ってくれました。2回戦、濱田にはエースとして最後まで投げてもらい、粘り強く投げてくれました。柳沼にも当たりが出てきていますし(3回戦については)チームとして気持ちが入っていました。ピッチャーが踏ん張ってくれて全員野球で勝てました。疲れをとって、また明日から切り替えていきたいです。全員で掴んだ勝利でした。

今井(9回起死回生のHR)
真ん中内寄りのストレートを振り抜きました。(相手先発の井上投手について)調子がわるそうでしたし、以前打った時のイメージが残っていました。ミスか出てしまった部分の修正を今後の練習で行っていきたいです。今日は本当に勝ててよかったです!

柳沼(先頭打者HR)
絶対に勝つという気持ちでこの試合に臨みました。外の高めの球を打ったら入っちゃいました。一番打者らしいバッティングをこれからもしていきたいです。とにかく勝ったことが何よりもうれしいです。

中島(4回の勝ち越しHR)
インハイの球をうまくさばけました。今日は勝たないといけないっていう気持ちが高かった。これから変化球を右方向に打てるよう練習を重ねたい。勝ててよかった。

 

                               

(2008年7月8日・青山)