柔道部
〜掴みかけた全日本

 6月28日・29日の両日に行われる全日本学生柔道優勝大会。もし、あのとき一勝していれば、彼らはこの全国の舞台に立っていた。しかし、その一勝を掴み取ることはできなかった。運命を分けた大会。それは、5月25日に日本武道館にて行われた平成20年度東京学生柔道優勝大会であった。昨年の同大会では人数不足の影響で納得のいく結果を出せずにいた本学。だが、アスリート選抜入試などを含め7人の新入生が入部した今年、人数を勝敗の理由にはできない。
 初戦は東洋大戦。2部に属する本学にとって、必ず1部校と対決するため初戦はやはり厳しい戦いとなり、敗戦してしまう。しかし、彼らには全日本学生優勝大会への代表決定戦が残っている。1回戦を敗退した16校が2グループに分かれ、それぞれのグループから1校だけが全日本への切符を手に入れることができるのだ。
 代表決定戦1回戦、玉川大との戦い。先鋒(せんぽう)の釼田(つるぎだ=済1)が上四方固めで勝利。その勢いで波に乗る本学は、次鋒・荒川(法1)、五将・福長(済1)が1分弱で勝負をつける。また、副将・南茂(なんも=異1)が残りわずか1秒で大外刈りを決めるなど意地を見せつけ6−0で1回戦を突破した。続く2回戦対一橋大でも圧倒的な力を見せ勝利。本学は念願の決勝戦へと駒を進めた。勝てば約30年ぶりの全日本出場。期待を胸に彼らは戦いに挑む。
 ついに迎えた決勝戦。相手は大東文化大、1回戦で2部の慶大に敗れた1部校である。格上の大学に対し、本学の挑戦が始まる。先鋒はここまで唯一負けなしの福長。試合序盤から果敢に攻め相手にすきを与えない。お互いが譲らず拮抗した試合が続き、そこで勝利を掴み取ったのは福長であった。小内巻き込みで貴重な1勝を掴んだ。次将・瀬尾(営1)は、試合開始直後から激しく組み手を取り合っていく。得意の足技を狙っていくがうまくいかない。試合終了1分前、押さえ込むも一本が出ずそのまま引き分けに終わった。続く3人も敗退し、この時点で1勝3敗。追い込まれた本学だが、残りの2人が勝てばまだ望みは残っている。少ない可能性に全てを懸けた。だが、やはり全国への壁は高かった。副将・釼田は試合開始わずか43秒で内股をかけられ敗退。大将の渕上(ふちがみ=済2)も思うように攻められず払い腰で負けた。
 終わってみれば1勝5敗。見えかけた全日本への道には、そう簡単には辿り着けなかった。だが、代表決定戦の決勝戦に残ったこと自体が彼らの自信となり糧となる。「上位校との差が見えて良かった。それが収穫であり課題でもある」主将の待田(済4)はそう決勝戦を振り返った。彼らが目指す柔道、それは粘り強い柔道。この目標を形にすることが出来たとき、必ずや全日本出場を決めるはずだ。日々経験を積み、成長を続ける本学柔道部。来年、一回り成長した本学の姿に期待が高まる。

 

                               
(2008年6月23日・今山)





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