第三回 即戦力のルーキー 高橋栄斗(文1)

記事:相馬

  昇格校ながら各チームと互角の戦いぶりを見せ、1部Bブロックの'台風の目'として力を発揮した立大。
  DF不足という問題を抱えながらも躍進した背景には、即戦力としてチームに貢献したルーキーの存在があった。
  1年生唯一のDFとしてプレーした高橋。ウィンタースポーツの本場北海道で3歳からアイスホッケーを始め、高校時代にはインターハイで準優勝に輝いた。

  「このチームに自分が入ったら、どれくらい上へ行けるんだろうって思ったから」。そんな思いで立大に入学した彼は、持ち前の高い技術で数々のピンチを救ってきた。自身のセールスポイントを「トリッキーなパス」と公言しているように、試合でみせるのは的確なパスを中心とした巧みなテクニック。DFでありながら攻撃の起点としても働くその存在は、チームにとってすでに欠かせないものになっている。

  そんな高橋がこれまでアイスホッケーを通じて学んできたことは、「チームプレーの大切さ」だという。彼の出身校は公立で、選手を集めることが難しかった。インターハイで勝ち進むと、もう周りは良い選手を集めている私立ばかり。それでも実績を残すことができたのは、チームワークを極めていたから。「パワープレーやキルプレーでは個人技ももちろん必要だけど、チームワークが重要になってくる」。どこか立大アイスホッケー部にも通じる部分がある。選手層は他大に比べ圧倒的に少ない。それでも勝ち上がっていけるのは、全員が全力でプレーするから。高橋がチームに欠かせない働きをするのは、そんなチームワークを知っているからなのかもしれない。

  同期について尋ねると、一人一人の才能を冷静に分析する一面が見られた。昨年同じセットを組み氷に上がったのは、「足が速くて、ハンドリングが上手い」松ヶ崎(社1)と「シュート力抜群の」水谷(社1)。2人のプレーにはそれぞれ全幅の信頼を置いている。アイスホッケー初心者の有田(済1)、根本(営1)に対しては、「そろそろレギュラーを脅かし始めると思います」と期待を込めていた。経験者の3人にこの2人が加わることで、今後さらに頼もしい学年になりそうだ。

  「来季も水谷、松ヶ崎とセットを組んで得点を量産したい」と語った高橋。即戦力として活躍した一年間を経て、来年はどのような飛躍を見せるのか――その成長に、アイスホッケー部の未来が重なる。 
(第三回・3月4日)





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