重量挙部連載企画
第一回 部のカタチ

 記事:池田(貴)

2009年10月30日、大阪にて行われた全日本インカレ。

本学から出場権を獲得したのは、3名。
河村法弥(コ3)、原隆裕(文2)、播木豊(コ1)。

主将・河村は、この日を迎えたということの意味を、誰よりも強く噛みしめていた。




河村が重量挙部に入部した時、部員は4年生との二人だけであった。
しかし、2年の時、彼一人となってしまう。


たった一人で過ごした一年間。

「嫌で嫌で仕方なかった」
仲間がいない。モチベーションが上がらない。仕事は全て一人でこなさなくてはならない。
逃げたくなったこともある。

それでも――。

「ウェイトリフティングから離れたくなかった」


もともとマネージャーとして入部しており、選手になるつもりはなかった。
高校時代に競技経験はあったものの、抱えていた怪我の治療をしながら、趣味の範囲でウェイトリフティングと関わろうとしていた。

しかし転機が訪れる。
今にして思えば、必然であったのかも知れない。
きっかけは、主将としての使命感。
部の歴史を絶やさぬために始めた、勧誘活動だった。

それは彼が思っていた以上の変化を、部に、そして彼自身にもたらすことになる。
後に河村はこう話す。
「今の自分があるのは、彼らのおかげ。感謝している。」



この年の春、原と播木が部員に加わった。



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