春季リーグ戦2011




「球春到来」。
4月9日、いよいよ平成23年度東京六大学野球春季リーグ戦が開幕する。


昨年の立大は春4位・秋5位に終わったが、内容を見てみると春はリーグ1位のチーム打率を残し、秋は一点差でのゲームが6試合。大塚監督も「春も秋も紙一重のゲームが出来ていた」と振り返った。
春に向けて監督はこう語る。「昨年の悔しさをバネに選手たちは一生懸命やっている。一球の集中力が大事」。3月上旬から東海地方に遠征し社会人との試合を繰り返し、そして宮崎での春季キャンプで遠征での課題の克服を行った。3日に行われた東洋大とのオープン戦も終え、臨戦態勢に入った立大ナインたち。今年はどんな試合をみせてくれるのか楽しみである。


―優勝を狙える土俵にいる。一球を大事にした野球を見てほしい (大塚監督)―

ここでリーグ戦の鍵となるだろう注目選手5人を一挙に紹介する。

まずは第102代主将・岡崎啓介(コ4)。彼は今年のスローガン"今しかない"について「一球一球、ワンプレ―ワンプレ―を大事にするということです」と語ってくれた。
大塚監督は「岡崎はプレーで引っ張っていくタイプではあるが、主将になってから確実に変わってきている。"主将心"みたいなものが出てきている」と話す。岡崎は1年秋から5季連続で全試合に出場し、2年秋から4番に定着。昨春は自己最高(打率.350本塁打3打点9)の成績を残し、大学日本代表にも選出された。昨秋も3割を超す打率をマーク。「(好不調の)波が少なかったのが、いい結果につながりました」と振り返る。
岡崎は「(主将になって)変化はありません。今まで通りやることがチームを引っ張ることに繋がると思っています」と口にする。そんな彼を新人監督・高野(コ4)と副主将・田村(済4)は「1年生の頃から出場しているので信頼がある」「技術面は任せている」とそれぞれ語る。野手チーフ・長橋(済4)も「チームのことを主体的に考えて動き、リーダーシップをとっている」と全幅の信頼を寄せている。"主将心"という新たな「ちから」を手にした彼。「自分自身は昨春が一番良い成績だったので、それを全てにおいて越えることが目標です」とリーグ戦の抱負を語ってくれた。

―ひとつひとつのプレーを大事にしている僕たちのプレーを神宮まで見に来てください (岡崎)―


「春は個人としてもチームとしても良かったです。秋は不本意だったので、一年通して平均的に結果を残すことが課題です」こう振り返ったのは松本幸一郎(コ3)だ。彼は1年の春からベンチ入りし、昨年は遊撃手レギュラー。昨春は打率.348(リーグ7位)をマークし、ベストナインに選出。さらに大学日本代表にも選出され、「自分の中での意識の変化、上を見ることが出来ました」とその経験を語った。昨秋は警戒され打率を落としたが、四球12個を選ぶ"しぶとさ"をみせ、1番の役割を果たした。
松本は3日に行われた強豪・東洋大とのオープン戦でも右に左にマルチヒット。状態の良さをアピールした。「細かい数字よりもチームの優勝のために自分がどう貢献出来るかを考えていきたいです」とフォア・ザ・チームの精神で春に向けて意気込む。

―優勝出来るように頑張りますので、
神宮に足を運んでプレーを見てください (松本)―




続いては小室正人(済3)。昨春は中継ぎで結果を残し、昨秋は8試合に登板。45イニングを投げ防御率1.40(リーグ3位)をマークする力投を見せた。だが本人は「怪我で最後投げられなかったし、45イニング投げて1勝だったので」と満足していない。リーグ戦に向けては「怪我をしないで投げ通し、チームの勝利につなげることです。そして全大学から1勝ずつあげたいです」と語った。
監督は「守りを固めて相手のエースに張り合っていくこと。第1戦を勝たなければいけない」と春のポイントを挙げる。慶大との開幕戦に先発予想される小室は東洋大とのオープン戦で5回被安打1奪三振5という好投を見せ、最終アピール。昨年は大半のカードで1回戦を落とした立大。「エース確立で先手必勝」なるか注目したい。

―自分が投げる試合は絶対に負けません (小室)―






2年春に初登板を果たし、秋には東大2回戦に先発すると8回12奪三振で初勝利を飾った斎藤隼(社4)。しかし昨春は満足な成績を残すことができなかった。迎えた昨秋、先発のチャンスが回ってきた。「夏に怪我をしてしまい練習があまりできなかった。そんな状態の中で10試合に登板できたのは良かった」と初の規定投球回数超えで、10試合33回1/3イニング防御率3.51をマーク。小室とともにチームを支えた。
リーグ戦終了後は「フォームが安定していないことが多かったので」とシャドーピッチングを増やし、投手陣はケガ人が多いこともあり、毎日のケアには力を入れてきた。「自分は任されたところでいつでも投げられるようにしたい」と春の抱負を語ってくれた。2年間リーグ戦を経験し、気負わずに楽な気持ちで投げることを学んだという斎藤。制球力や一球一球の集中力を大事にし、ラストイヤーに臨む。

―先発なら全部完投するイメージで5勝したい(斎藤)―





最後は岡部賢也(コ3)。「春は先発として充実していた」との言葉通り、昨春は8試合に登板。49回2/3イニング(リーグ1位)を投げ、防御率2.54で3勝を上げた。だが昨夏のキャンプで怪我をしてしまい、投げ込み不足に。何とかリーグ戦には間に合ったものの法大戦で打たれてしまう。「チームに迷惑をかけてしまった」と昨秋を振り返ったが、エースの意地か終わってみれば9試合に登板し2勝を上げた。明治2回戦では雨が降りしきる中、6回からリリーフ登板。5回被安打3奪三振5と好投し、チームの勝利に貢献した。
「(変化球が)高めに浮いたところを打たれたので」とリーグ戦終了後は変化球を低めに投げるためにワンバウンド練習を取り入れたり、新しい球種を試してみたりと積極的に練習に取り組む。「全大学から勝ち星を挙げたい。また野手を信じて任された試合をものにしていきたいです」と春に向けて意気込みを語った。
昨年は計5勝をマークした岡部。さらなる飛躍で真のエースを目指す。

―昨年投げている投手がほとんど残っている。
十分戦っていける (岡部)―


ほかにもラストイヤーにかける大林賢哉(コ4)・那賀裕司(社4)・長谷川直史(コ4)、昨春リーグ打率2位(.379)をマークした西藤勇人(コ3)、リーグ戦での経験も豊富な前田隆一(コ3)・矢部佑歩(社2)・平本龍太郎(コ2)、内野転向で勝負をかける平原庸多(文2)など注目選手は多数存在する。そんな立教ナインの勇姿をぜひ神宮球場で目撃してほしい。


(4月8日・石井文敏)


◆2011年度東京六大学野球春季リーグ戦◆
4/9 (土) 対慶大 12:30〜
※学生席無料(学生証の提示が必要)
4/10 (日) 対慶大 10:00〜
4/17 (日) 対明大 10:00〜
4/18 (月) 対明大 10:00〜
4/30 (土) 対早大 10:00〜
5/1 (日) 対早大 12:30〜
5/7 (土) 対法大 10:00〜
5/8 (日) 対法大 12:30〜
5/21 (土) 対東大 12:30〜
5/22 (日) 対東大 10:00〜
(※日時・時間は予定)


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