濃紺のプライド・伝統校の矜持          

〜加藤ヘッドコーチインタビュー〜  


  無念のBグループ降格から1年で昇格を果たした立大ラグビー部。その再興を常に最前線に立って見守ってきた男がいる。2011年春、HCに就任した加藤修平HC(H18年卒)だ。この1年間、選手と共に様々な苦楽を共にしてきた熱血漢のモットーは"GIANT KILLING"。「弱者が強者を打ち負かす」はやがてチームの信念となった。自身も日本一のコーチを目指すという2年目、その胸中やいかに。                 

――昨年の対抗戦を振り返ってください
良かったところは学生の意識が上がったところです。悪かったところは(入替戦で目標としていた30点)を取れなかったところですね。ああいう試合なのでやったことをそのまま出すというのは難しいだろうとは分かっていましたが、もう少しパフォーマンスを上げたかったというのはありますね。勝つことが大事な試合なので、点差のことをどうこう言うのもあれですけど…

――Bグループで戦えたことはチームにどんな影響を与えましたか
BにいるとBのレベルになるということをよく言われますけど、Bグループの環境には馴染まなかったと思います。慶大にも、Bのレベルで満足していたら勝てなかっただろうし、そういう意味では環境ではなく選手の取り組み方が変わってきたと言えるのではないかと思いますね。就任以来ずっとAグループで勝てるチームを作っていきたかったので、選手たちが自分のいる環境のせいにしなかったことは、チームとして良かったことかなと思います。

――大学選手権決勝(帝京大15−12天理大)は皆さんで観戦されたそうですが
9月の初戦、帝京大とやることは決まっています。同じグランドに立つわけですから、しっかり相手を知らなくてはなりません。帝京大戦を捨てるなら見なくて良いと思いますが、今年は現実的な相手校として意識しています。帝京大に勝とうとしなければ、他だって勝てません。青学大や日体大だけに勝とうと思えば、すべてに負けてしまいますよね。 去年と全く違いますね。去年は川崎前監督から変わったばかりで、やっぱり福田(済4=東福岡)、浅川(観4=尾道)はじめみんな最初は加藤HCに対しては、良い言い方でいうと挑戦的だったというか、"僕ら自分でやります"的な、向かってくるものがすごくあって、それを途中でいい意味でチームとして一つに出来ました。それは4年生が、言ったからにはやるという、骨があったからで、最後に4年生が引っ張ってくれました。福田組は自分たちで何とかしてやるっていう気概がありました。今年が無いわけではなくて。今年は今年ですごい一生縣命です。迫田(法3=桐蔭学園)も宣原(コ3=常翔啓光学園)もこうしたいですああしたいですって言ってくるし、去年一年の関係性を経て、まったく違う形で次のステップに行っています。挑戦的ではないですよ。一緒に作り上げるという認識は持っていると思います。

――フラットパスで上手くスペースを使う、小柄な天理大に感化された部分はありますか
その目的を狙った部分もあります。そうあってほしいですね。天理大とは去年の夏も合宿で一緒に練習していますし。

――「日本一の心構え」とは。
夢物語としての帝京大、天理大ではなくて、目指せば立教にだって日本一の可能性があるということをわかってほしいんです。たしかに立教は選手権に出たことはないし、出たことがないから周りは皆無理だと思っているのですけど、実際それはやってみないとわからない。去年だって慶應大や大東大から勝利するという立教の歴史の中でも本当に少ないことが起きていたわけで。「日本一になること」を目標に戦うチームと「選手権出場」を目標とするチームでは試合前から勝敗が決まっています。心構えをまずはそこのレベルに持っていきたいと思っています。

――迫田主将(法3=桐蔭学園)について
あんまり喋りがうまい訳じゃないので率先垂範というか。体で引っ張っていくタイプですよね。福田(済4=東福岡)ほど喋らないと思いますが、しっかりやっていってくれると思います。

――洲河スクラムコーチについて
Aグループを戦うにはやはりFWの強化が必要だということで呼びました。OBということで立教が勝てなかった時代も知っている人です。他大学の人でも良いですけど、やはりどうしても、なんで出来ないんだっていうことから入ってしまう。「立教」ってことを知っいている人にお願いしたいと思いました。

――春には何を意識していきますか
春はまた体作りからやっていきます。なるべくフルコンタクトの練習とかも少なくして、体作りに一番良いような環境で、怪我人とかも出さないよう、体作り最優先でいきたいと思っています。春から入ってくる1年生、それから新2年生もレギュラー目指して一生懸命頑張ってほしいですね。そういう環境を作りたいと思っています。

――今年は関東大学リーグ戦との交流戦もありますね
はい。うちの場合は選手層を考えると他のチームみたいにその時期の意味としてそんなに勝つことにこだわる必要はないというか、そもそもスタートラインが違うので、春の試合は足りないところをしっかり自覚する意味合いで捉えています。勝敗にこだわらないというのはおかしいですけど、あくまでも夏以降のチーム作りを明確にしていくための課題発見の場としてやっていきたいと思っています。普段なかなか組めない相手と組めるので、良い経験として現在地をしっかり調べていきたいと思っています。

――最後に意気込みをお願いします
「日本一」を目指して頑張ります。立教がやれることを証明したいですね。推薦とか寮とか学業とか言い訳はもうしない。今ここにいるメンバーでしっかりやって、できるよってことを見せるために勝ちたいです。勝つためには日本一目指すしかないと思うので。入替戦という言葉を捨ててほしいですよね。入れ替え戦のこと考えていたら、先に行けない。対抗戦Bグループにいることはそんなに嬉しいことじゃないですから。だから将来的には、入れ替え戦なんて何年前の話だよ。と言われるくらいにしたいと思っています。頑張ります。



貴重なお時間を割いてご協力いただいた加藤修平ヘッドコーチに厚く御礼申し上げます。
ありがとうございました。
    
(3月6日・ラグビー部担当)





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