ラグビー部

春季オープン戦総括


  新チームが始動を始めてから早半年が経った。立教大学ラグビー部は春のシーズンを5勝2敗で終えた。目標としていた4勝をクリア。また、注目の1年生がAチームに名を連ね、活躍するなど収穫が多かった。その一方でケガ人が絶えず、ターゲットとしていたライバル・青学大に惨敗するなど課題も浮き彫りになった。彼らが感じたことは何か、また現状をどう捉えているのか。話を伺った。

チームを支える4年生。左から荒川、佐瀬、福田
加藤ヘッドコーチ

―オープン戦を振り返ってどうでしたか
最初の学大戦が残念で自信が無くなっていたけど、だんだん勝てるようになってきた。
―良かった点と反省点について
モール・ブレイクダウンが良かった。一方でDFが悪かったかなと。個人個人で修正していかないといけない。
―秋はどのように進めていきますか。
DFを強化していきたい。試合を見て決めようと思う。メンバーはまだ決めていないし。夏はハードにしていく。勝つようにもっていってブレがないチームにしていきたい。ダブル昇格を目標に。
―ではこれから練習試合を頻繁にするのですか
経験を積ませたいなと思っている。8月の2日〜12日は練習だね。今年も菅平で合宿をやる。

抜群の突破力が持ち味の福田
主将福田大(済4=東福岡)

―オープン戦を振り返ってどうでしたか
5勝2敗、よく取れたなと思います。結果だけ見れば良かった。大東大戦とか。実力は付いてきているなと思っています。
―4年生の主力について
アスリート選抜もふえてきていますが、僕の希望としては4年生が全員出てほしいです。
―最も印象に残っている試合はいつですか
早大戦(5月29日)かなと。個人的に一番楽しくやれたので。相手(早大)もAのメンバーでファーストジャージで臨んでくれたので。
―新入生について
やっぱり白石(コ1=本郷)、眞壁(現1=尾道)、岡村(済1=國學院久我山)に注目しています。みんな真面目なので期待してします。
―秋に向けて
まずはチーム作りです。チームの共通認識を立てて、完成させていくことですかね。
―どんなチームにしたいですか
まずはDFから。がんがん取りに行く感じで。取られて取り返すラグビーはあんまり好きじゃありませんから
―ずばり目標は何ですか。
昇格です。あとは来年以降もAグループでプレーすることです。


FWの核となる荒川
bW荒川翼(済4=大分舞鶴)

―オープン戦の収穫は何だと思いますか。
青学大と戦えたことは大きいと思います。青学大は昨年負けた相手。入替戦でも当たる可能性は大きいので。
―昨年Aグループで戦っていた主力が多く残っているチームですが、その点はどうですか。
代替わりなどはあまり関係ないと思っています。チーム全体の組織力が強いところは誰が出ていても強いですし。ただ、お互いに慣れているのでやりやすいメンバーですね。そこは強みだと思います。
―3週間抜けられていましたが、チームの雰囲気に変化はありましたか。
教育実習で玉学大戦から国学大戦までチームを離れていましたが、最終戦の大東大戦でチームに帰ってきたときに、3週間の間にチーム全体のプレーの激しさ、勝気がものすごく強くなっているのを感じました。みんな意地になってやっていました。自分がいない間、FWに関しては佐瀬(法4=立教新座)がしっかりキャプテンをやってくれた。プレーでもそうですが、本当に頼りになります。
―ずばり立大のFWとは。
やはり体が小さいのでとにかく走ります。「走る」のではなく、「走らないといけない」です。一人で抜けていけるような大型の選手がいないなら、少しでも走って前に出るしかないので。
―FWのBKライン参加に関して(FL・PRのポジショニング)
各々が強みを一番活かせる仕事を選んでやっています。しかし、だからといって、本職の仕事を疎かにしているわけではないです。宣原(コ3=常翔学園啓光)だったらパスだし、福田はアタックが良い。+αでチームに貢献できる仕事を各自がしています。
―1年生の活躍はどうですか?
FWで言えば白石、眞壁などはすでに戦力としてしっかり機能してきています。この二人以外の1年生もみんな良いモノ持っていて、自分にないモノも持ってる。自分もいろいろ影響受けていますね。
―秋に向け、今年の夏取り組んでいくことはなんですか。
(個人的には)フィットネスですね。毎年の課題なのですが…。今年の春は走れなかったので、夏十分に走って、持久力をつけていきたいと思っています。FWに関しては、今までやってきたことを変えずにやっていくつもりです。今やっていることが本当に正解なのかは正直分かりません。しかし、それでも今はひたすらやる。ぶれずにやっていくしかないと思っています。



セットプレーの中心となる佐瀬
HO佐瀬玄樹(法4=立教新座)

―最も印象に残っている試合は?
やっぱりオープン戦最終戦である大東大戦、向こうはベストメンバーではなかったが、対抗戦一部並みの力を持っているチームに僅差で勝てたのは大きかった。またモールで2トライ取られた試合でもあり、プラスの面もマイナスの面も両方あったから。
―モールについてはどうですか? 
立教はモールじゃなくてもトライが取れるチーム。だから、アタック面としてではなくディフェンス面の強化を目的とした練習をするべきだ。
―早大、青学大など対抗戦Aグループのチームとも闘いましたが?
オープン戦初戦の青学大戦は対抗戦Aグループのチームとの試合だったから大事だと思っていたが、前半で結果が決まってしまったような試合をしてしまった。だから、今必要なのは最初の入りの悪さをどうするか。
―FWの1年はどうですか?
やっぱり、白石が出てくるのでは。それと眞壁、高沢(営1=不動岡)。人数が足りなくて出た東洋大とのB戦で、高沢がキックオフを取ってからモールを作ったプレーなど、Bチームも基礎がしっかりでき、底上げされていて良かった。しかし、AとBの差は依然としてあるから縮める必要がある。
―昨年からの主力選手が残っているがどうですか?
4年生が引退して焦る気持ちはそんなに無かったが、青学大もそれは同じ。また、昨年のレギュラーがそのまま今年もいくとは限らない。山田(観2=都立大泉)、有賀(理4=立教新座)などが入ってきた。
―立教のFWを今後どうしていきたいですか?
他校に比べて体格が小さい分、スピード、スタミナでカバーしたい。特に自分、迫田(法3=桐蔭学園)、市川(観4=桐蔭学園)など一列のメンバーが走らないと、他校のFWの突破には対抗出来ない。
―昨年と監督が変わりましたが練習はどうですか?
今年は戦術面より基礎を固める練習を主にしている。これが、試合で確実に発揮できていて良い。
―怪我人が多いですが?
練習がキツイ分、栄養補給などリカバリーをしっかりしないと。
―選手皆のモチベーション維持の秘訣は?
俺は基本的に皆にこのことで働きかけてはいない。誰かが先頭に立って引っ張っていくのではなく「自分から、自分から」みたいな感じの方が良いと思う。
―役職制を導入しているが?
今はマネジメント、規律、ストリングス、コンディショニング、アナライシス、ストラテジー、メンタルと分かれている。昨年までは部員全員が強制的にどこかに所属していたが、今年からは自由参加で行っている。それとは別に、2年は中澤(観2=所沢北)、3年は大槻(営3=清真学園)がそれぞれ学年リーダーである。
―秋に向けての夏の目標は?
チームとして「ブレナ」で今までやってきたことの積み重ねをする。自分たちのやってきた事を否定しない。FWとしてはスクラムというよりはモールの強化を持続してやっていきたい。大東大戦でのモールでの2トライ目は、ラックからのピックで作られたモールだった。これは絶対やられてはいけないと思うから対策をしていきたい。


笑顔の浅川(左)と田中翔(右)
SO浅川健太(観4=尾道)、CTB田中翔吾(済4=東農第二)

以下浅=浅川、田=田中翔
―バックスリーダーになった経緯を教えて下さい。
浅:新4年になったときに、ミーティングで推薦されました。
―立教のBKとはどういったチームですか。
田:DF中心のチームです。守りながらも数少ないチャンスをものにしていくチームだと思います。
―今年は地震の影響で、逆に十分な練習ができたそうですが、それでもいつもと違う感覚はありましたか。
浅:去年とスタッフが入れ替わり、そのなかで方向性の違いや選手とスタッフの重視するものの違いから衝突することもありました。難しかったですね。
田:地震の影響ももちろんありますが、スタッフが変わったことが大きいです。しっかりしたBKコーチがいなかったため方向性が合いませんでした。最高学年になって、自分たちがしっかりやっていかなくてはいけないという思いがあります。
―去年からの主力メンバーがたくさん残っていますが
浅:戦術・DFなどに関しても意思統一しやすく、何でも言い合えるのでそこはやりやすいです。
―4年生になって新しく思うこと・改めて思うことはありますか。
浅:今まではわがままを言ったり、結局は先輩が責任を取るだろうという思いがどこかにありました。4年生なって、一つの発言や行動が下の代に与える影響が大きいことを感じています。
田:頼れる人がいないので自立していかなければいけないと思っています。自分がそのチームの代表の一人として振舞うことの重要性を感じています。
―春のリーグ戦についての総括をお願いします。
・青学大戦(14−39●)
浅:試合前はお互い去年とメンバーがほとんど変わっていなかったため、入れ替え戦での内容を反省した上で勝つつもりで臨んだのですが、点差が開いてしまい危機感を覚えました。明確なスタイルが確立できておらず、個人でどうにかしようという思いが強すぎました。
・定期戦(早大戦7−24●、同大戦38−36○)で掴んだものは何ですか。
田:強い相手と試合をすることで良いところと課題が明確になりました。その差は微々たるものだということが分かりました。
・5勝2敗で終えたことについて
浅:玉川大戦で怪我して以来、自分は出ていないのですが、チームとしては5勝できて良かったです。ですが、内容が結果にあまり結びついていませんでした。もっと楽に勝てる試合もあったと思います。
ラインを操る浅川

田:どの試合も勝つ気で臨みました。5勝できた中である程度の成果はあったし、もともとある自力がついてきたと思います。
―はじめてBグループで戦うことに関して
浅:競ってやっと勝てる相手ではないと思いますが、入れ替え戦を意識し、集中力を切らさないようにしていきたいです。
田:いつも通りモチベーション高く臨むことが大事ですね。
―Aグループの秋を予想して頂けませんか。
浅:明大、筑波大に注目しています。それと青学大がどこまでいけるかで大きく変わってくると思います。
―下級生について
田:白石、真壁、岡村。春の時点でAチームに絡んでいる選手の動きは良ですね。レギュラー争いがチームを強くするので刺激になります。自分たちはAグループに上げることしかできないですが、上のグル―プでも下級生たちが戦っていけるようなチーム作りを今からしていくことが必要だと思います。
―FWとの連携について
浅:悪くはないですが現状に満足していません。
―組織DFについて
田:もう少し連携が必要ですね。今は可もなく不可もなくという感じなのでそれではいけないと思っています。
―キャプテン福田、FWリーダー荒川と特別なコミュニケーションをとることはありますか。
浅:福田とはいろいろな話をします。信頼しています。
―東日本セブンスについて
攻守の要・田中翔

田:1対1で通用する部分があると確認できたことは良かったです。
―夏から秋に向けての方針。
浅:春からやってきたことはぶれていないので継続しつつ、精度を高めることですね。
―掲げた目標「結果にこだわる」について
浅:どんなに内容が悪くても、最終的には入れ替え戦で相手より1点でも上回って勝つという意味です。
―掲げた目標「一部昇格」について
田:簡単にいうとそれしか自分にはできないからです。もちろんAグループでやりたいけれど、次につなげることが全てなのでこれにしました。
―最後に決意をお願いします。
浅:最後にいい結果を残せるようにがんばります。応援よろしくお願いします。
田:プレーで下の代に良い影響を与えられるようにがんばります。


  秋にはいよいよリーグ戦が開幕する。絶対に負けられない戦いに向けた選手たちの熱い思いが伝わってきた。

   今回ご協力頂いた立教大学ラグビー関係者の皆さんに感謝申し上げます。

(7月11日・立教大学ラグビー部担当)





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