ラグビー部

戦略BKコーチ、西田創さんインタビュー


西田創(にしだ・つくる)   平成18年度卒の立大ラグビー部OB。東福岡高出身。立大では主将を務めた。入部当初から「熱い男」として、誰にも負けない意識の高さと、ラグビーに対する圧倒的な情熱でラグビー部をけん引。立大ラグビー部の開拓者的存在となる。   現在NECグリーンロケッツに所属。立大史上初のトップリーガーとして活躍し、今年はトップリーグ選抜に選ばれるなど、日本を代表するSHとして期待されている。

■今の立教はどのようなチームでしょうか。福田主将のキャプテンシーはどうですか。

  当時、ラグビーの精神とは何かという事を部員全員と共通認識した記憶があります。 ラグビーをやっている自分たちがラグビーの精神を理解できていない事は恥ずかしい事だと考えていましたし、人生の時間を割いて向き合っているラグビーの魅力を自ら語れるようなラグビー選手になって欲しいと思っていました。そういう気持ちは今でもあります。 日本中のラグビーの選手に、「ラグビー特有の精神や魅力って何ですか?」と聞いても、ラグビーの存在意義を胸を張って語れる人間は少ないのではないでしょうか。 大学生なら尚更です。立教ラグビー部は「ラグビー理解」という面で日本一を目指しました。それは勝利からの逃げではなく、それをバックボーンとすることがチーム力の向上にも繋がると信じていました。 今年のチームは「自由の学府」という立教の校歌にもあるように、自由なチームであると感じています。自由という響きは楽に感じますが、自由を体現しながら勝利を目指すという事は本当に難しい事です。強制的にトップダウンでチームを運営することよりも、自らの強い責任感のもと試行錯誤しながらチーム創りをすることは、時間を要しますし、選手はやらされるだけではいけません。いかに選手自身が当事者意識を持つかということが大切です。そういう意味では今年のチームは選手とスタッフがコミュニケーションを取りながら(時には衝突しながら)前に進んできました。学生の誰にでも発言権があるということでしょう。まだまだ部員全員が自分の甘さを見つめ、自律する事は必要だと思いますが、その中での福田主将のキャプテンシーには強い責任感を感じます。自分と部員には厳しさを求め続け、我々スタッフに対する時は部員を守る。そんな男らしさを感じます。

■当時と今とでどのように変わったと思いますか。(プレースタイル、環境、姿勢等)

  当時は先ほども述べたようなトップダウン型のチームでした。私の独断でチームが動いているような事が多かったと思います。当時の仲間達には嫌な存在だったと思います。フルタイムのコーチングスタッフがいなかった当時、チームを強固にする為には私にはその選択肢しかありませんでした。無理矢理にでもひとつの事を部員全員にやらせ、求め、厳しく追及しました。それでもなお個人の存在を認めないようなところがありました。 最後には対抗戦での勝利を掴むことができましたし、もう一度当時に戻ったとしても同じ手段を取ると思います。しかしながら、別のやり方であったならチームの爆発力は格段に増し、もっと大きな勝利を掴めたかもしれません。それは学生とスタッフが一体となり、全員ボトムアップ型で大きな可能性を生み出すやり方です。今のチームはその可能性を秘めています。個人が伸びる要素、個々を伸ばす環境、これは当時に比べ飛躍的に向上していると感じています。そこにアスリート選抜などのリクルート面も向上してきたことで、チームとしての強さは今後一層増してくるでしょう。 プレーの面では、当時は限られた人材の中で対抗戦Aグループ相手に立教の通用する部分を誇張して勝負していました。具体的にはサインプレーで相手のオフバランスやミスマッチを生み出し、そこにロングパスとウイングのスピードで勝負。ディフェンスでは鋭い出足で相手の重さと強さに対抗する、といった具合です。今のチームはそこまで戦術を絞り込まなくてもジェネラルの部分で対抗できるようになってきています。得点源は複数あるし、ディフェンスもある程度余裕をもってラインで守れます。ロングキックも武器として使えることは大きいですね。そういう意味では立教が大舞台で戦える自力が着実に付いてきていると言えると思います。

■今季、戦略を練るにあたって意識されたことを教えてください。

  日本のトップリーグや世界のラグビーの流れを汲み取りつつ、「立教オリジナル」を考える事を意識して今年の2月から加藤HCと戦術を考えてきました。模倣では本物を超える事はできません。立教に合う形で、立教にしかできないことをー。これがテーマです。 学生スポーツは選手が毎年変わりますので、選手に沿った形にする面と、選手に因らず立教のプレーとして不変のものとする面の両面をしっかりと将来を見据えながら考えました。 現在は加藤HCの就任一年目という事で、基礎的なプレーを磨りこむ事に時間をかけていますが、今後それが当たり前になってきた時にチームの標準が向上して、もっと大胆な事も可能になるでしょう。

■選手と接するにあたって特に意識して御指導されていることがあれば教えてください。

  選手の可能性を伸ばすことを考えています。 例えばAとBのプレーがあって、私がAの方が良いと言えば、学生はAを選択してくれるでしょう。この信頼関係は大切だと思いますが、仮にBを選んだ場合に学生はもっと飛躍的な伸びをしていたかもしれません。ですから個人のプレーに対して断定的な言い方はせず、選択肢を広げられるようなアドバイスにすることを心がけています。 例外として、チームとしての方向性をブレないようにするために、敢えて選択を消して、「今年の立教はこうしよう」という必要があるときには断定的な言い方をすることもあります。

■どうすれば立教は入替戦に勝てると思いますか。 (勝利の鍵となるプレーは何ですか・どのような試合展開が予想されますか)

  入替戦は展開が予想できないと言われますが、私は一番ゲーム展開を想定し易い試合だと考えています。シーズンの最終戦であること、互いに相手を研究しつくしているということから、互いのゲームプランは予想できるのです。 その中でゲームを決定づけるのは1年間の努力の総量、研鑽の積み重ねです。 ひたむきに自分と向き合い続け、逃げず、流した汗が多い方が勝つのだと思います。 その差が接点の圧力の差になり、流れを掴むのでしょう。
(12月5日 田中大志郎)





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