今が変革の刻
〜コーチが考えるチームとは〜



   今年も高い目標を掲げ、挑戦を続けるラッシャーズ。監督、コーチはそこに向かって、チームを指導し、導いていく立場だ。今回はコーチ、監督を務めて8年目になる宇野裕樹監督(04年度卒)と現在ディフェンスコーディネータの田辺誠吾コーチ(05年度卒)から、チーム全体や選手たちについて熱く語ってもらった。


チームは今・・・
ラッシャーズの進化に挑む宇野監督
   毎年選手が入れ替わっていくのが学生スポーツ、その代ごとに変わっていくカラーを作っていくことが必要となっていく。選手とのコミュニケーションによってできていくものであり、コーチ陣にとってもそれは難しく、毎年のように苦労を重ねる部分でもある。その中で、宇野監督、田辺コーチはこの2,3年を「変革」の時期に来ていると語っている。 一時期はコーチ陣主体のチームとしてか活動を行っていたが、思ったような結果にはつながってはいかなかった。そこで更なる高みへ行くにはどうすれば良いのか、そこでたどり着いたのが、再び管理と自油性の両立を図っていくことだった。だが、それには選手との対立や不満のぶつかり合いでコミュニケーションがうまくいかなくなるなど、様々な障害が生じ、なかなかスムーズにはいかない。それでも、「学生の可能性、伸びしろの広さはやっぱり"学生自身が考える"という部分から出てくるもの、学生スポーツの本分である『自主的に動くこと』を引き出していきたい」と宇野監督は言う。また、「体制が変わるときというのは、痛みを伴わないと変えられない」と持論も出てくることから、改めてチームを「変革」をしていく難しさ、そしてそれに対するも覚悟を感じた。田辺コーチもまたその考えと同じであり、「コーチから学生主体に戻す中で、ただ戻すのではなく、変革版のいいところだけを招集した学生主体のチームに変わっていく時期」とこの「変革」について、覚悟を決めた目で話してくれた。

「一体感」について
   『一体感』を今年のスローガンに掲げているRUSHERSは、現在、4年生の選手が最も少ない。まとめる人間が少ない状況下でも、それを補いチームを高めていきたいという気持ちが選手たちにはあった。言わば総合力だ。監督、コーチ陣は、選手で決めたことなのであまり関与はないと言うも、「厳しい場をみんなで支えあって作っていく一体感が必要」という見方をしている。変革の中で、痛みを伴っても支えあうことで真の一体感を作っていくことを目指す、そんなことを思わせる。コーチ陣の言う、「スローガンをうまく利用していく、それと同時に常に忘れないように、学生の中で抜けてしまうことがあるときでも思い出させてあげる」姿勢が、秋リーグで強豪と戦っていく上で重要なカギになるだろう。

ディフェンス陣を統括指揮する田辺コーチ
選手たちをどう感じているのか    今の4年生だから変革の試練を与えたと言っても良い、と宇野監督。その要因には「例年に比べて物静かな代(学年)で、絶対的な自信を持っていない」ということにあるらしい。これだけを聞けばあまり聞こえは良くないが、田辺コーチは「だからこそ吸収力がある」と期待を込めて語る。また、「この代だからこそ変革を起こせるし、選手たちも受け入れてくれた」と確信を持っていた。次の世代での思惑も見え、「来年のキャプテン、副キャプテン、チームの中心なっていく3年生にも注目したい」と言い、現在のことだけではなく、次またその次に対してもラッシャーズを強くしていくプレイヤーを見出そうとしている。立大ラッシャーズが更なる進化を遂げるためにも。

試合は選手たちが作っていくものだから、100%選手たちを信じている。当然のことと言えば、当然のことかもしれない。だからこそ、選手たちに自主的に動いてほしいし、期待もしているのだろう。そんなことが今回のインタビューを通して、伝わってきた。これまで選手の視点から見てきたが多く、指導する側という視点から見る機会が少なかった。だが、今回から2つの視点も活かして取材に臨みたいと思う。
   最後に、今回の特集に協力していただいた宇野監督、田辺コーチ、本当にありがとうございました。
(10月27日 須賀裕貴)





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