馬術部

馬術の魅力と裏側に迫る!




  唯一動物と共に競技をする部活、馬術部。特殊なスポーツである馬術は他のスポーツ にはない魅力がたくさんある。馬と共に高い障害を軽々と跳び越える選手。普段はお っとりしていてかわいい馬が競技中に見せる大迫力のジャンプ。人間と馬が協力する姿 や、時々垣間見える馬が人間にじゃれる姿など…今回はその魅力あふれる馬術という競 技や立大馬術部について紹介したい。

競技について
   まず競技について説明すると馬術の競技は大きく3つに分か れる。障害飛越競技、馬場馬術競技、総合馬術競技である。 障害飛越競技は人馬が障害を跳び越えながら決められたコ ースを走る競技。馬が障害を跳ぶのを嫌がり反抗した場合や 障害を落としてしまった場合は減点される。しかし同時にタ イムも計るためいかに障害を落とすことなく速いタイムでゴ ールするかが求められる、非常に駆け引きも面白い競技であ る。馬場馬術競技は経路に沿って決められた歩き方、走り方 などで演技をするもの。馬がしっかりと人の言うことに従 っているか、また正確さ、姿勢の美しさなど正に“人馬一 体”が求められる競技である。総合馬術競技は調教審査(馬 場馬術競技)、耐久審査(クロスカントリー)、余力審査 (障害飛越競技)と呼ばれる3つの競技の総合得点で争うも の。クロスカントリーでは場外に設置された自然に近い形の 障害物(丸太で出来た障害物など)を跳び越えながら走行し、そのタイムを競う。障害 飛越競技よりも速く走るためそのスピードは見物である。

一番大事なこと、馬の体調管理    立大馬術部は富士見総合グラウンドで13頭の馬を飼育しておりその世話をするのも 部員たちである。競技をやる上で練習ももちろん欠かせないが、普段から部員が気を付 けていることは何よりもまず馬の体調管理だという。例えば試合後は馬の足が腫れやす いためケアを入念にし、翌日は馬も疲れているため練習を調整しいつも以上に馬の体の ことを考慮する。他の競技であればチームメートとの意思疎通は言葉によるコミュニケ ーションで容易にできる。お互いのその日の体調やコンディションを知ることも造作な い。しかし馬術の場合はそうはいかない。もちろん馬は言葉を話すこともなく、感情の 表現方法も人間とは異なる。そのため部員が馬の体調の変化にいかに素早く、確実に気 付くことができるかが重要になってくる。「寝ているときもただ単に寝ているのか、そ れとも体調が悪いから寝ているのか見極めている」と高橋(社2)が語るようにどんな小 さな変化も常日頃から見逃さないよう細心の注意を払っている。また高橋は「こっちは 乗せてもらっている立場。馬が居なくては成り立たないスポーツだから辛くない」と馬 の世話について少しも苦に思っていない。部員の馬に対する責任感と愛情は絶大なものである。

2人&2頭のスーパールーキー!
   2名の新入部員である石栗(済1)と平澤(現1)が既に大会に出場し活躍している。どちらも馬場を得意としている経験豊富な期待の新人だ。障害が得意な選手が多い立大にとっても頼もしい存在である。 さらに今シーズンのために新しい馬を2頭迎えた。日大からやってきたおじいちゃん馬、聖嶺(せいれい)と、オランダから関西に渡りそしてはるばる立大にやってきた聖土(せいは)である。聖嶺はのんびり屋で人懐っこくかわいい顔をした馬。おじいちゃんであるためなかなか動きたがらないという。聖土は少々わがままな馬。こういった馬の性格も騎乗する際考慮しなければいけないことである。立教に新しくやってきた馬であるという意味ではルーキーだが2頭とも主に馬場で活躍してきたベテランだ。



   既に今シーズンも始まり多くの大会がこの先控えている。部員、馬ともに新しく心強い戦力が加わり今年も素晴らしい活躍を見せてくれるに違いない。ほとんどの大会は東京都世田谷区の馬事公苑で行われている。普段なかなか見られない馬術も大会の日であれば間近で見ることもできる。これからロンドンオリンピックもあり注目されること間違いなし。特に障害飛越競技は迫力があり、機会があればぜひ一度ご覧になることをお勧めしたい。

大会予定
都民大会 5月19日〜20日
東京ホースショー 6月2日〜3日
関東学生馬術競技三大大会 6月21日〜24日
(会場は全て馬事公苑)

(5月18日・岩間友宏)





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