春季リーグ戦2014

―我如古盛次主将ロングインタビュー―
和〜一球のために〜A




☆我如古盛次主将(営3=興南)

   興南高校時代に主将として、2010年の甲子園春夏連覇を成し遂げた我如古は、「気合いとか根性とか神頼みとか、そういう野球じゃなくて。個々が強くなければ勝てない」と個人のスキルを根本におくという姿勢を崩すことはない。まずは一人一人がしっかりと能力を高めて、その個々の集まりの上にチーム力が存在するという意味がスローガンの「和」には込められており、質的にもう一段上をいく「チーム力」を目指す。





我如古盛次主将
◇実績に基づく主将像◇


――まず主将になっての心境はいかがですか?
   高校でもキャプテンをやらせてもらって優勝もさせてもらっていて、今回もやらせていただけることになり自分の中でもモチベーションは上がっているし、優勝できる材料は揃っているので最後の年やってやろうという気持ちが強いです


――大学の主将と高校の主将、違いとかはありますか?
   1人1人考えてやるというのが大学は強い。上から監督の指摘を選手に伝えるのが高校のキャプテン役割だった。大学は目標においたところに個人個人が合わせていく。その中でもキャプテンは間違っていても発言していくことが大事だと立教で見てて思う。とりあえず大学でキャプテンはあまり機能していなくても良いという面もあるが、そういった面で立教はキャプテンという存在を試合でも練習でも出していけたら面白くなるんじゃないかと思う。そういう気持ちでやっています


――高校時代のチームメイトの活躍も目立ちますが
   やっぱりみんな、法政とか多くの大学でもキャプテンをやってる。明治・法政にいる奴には負けたくないとも思うし、その中でお互いこの3年間色々と助け合いながらやってきたので、最後の年に興南でやってきた野球を大学野球でも通用するのを証明していこうとはみんなで言っている。プライベートでも結構会うし、忘年会もある。みんないい思いで終わりたいね、と

(興南出身だからこそ何か輝くものがあるのでは?)
   主将に選ばれているのを見るとリーダーシップなどあるのかな、とか不思議なところがある。興南は人間性から作っていく野球。それは大学野球でも大事になってくるし、通用するからキャプテンが出てきていると思う。高校の時を思い出してやっていけばいいのかなと自信になっている。(甲子園で)たまたま優勝したのではないなと感じます


――人間性を育てる、それは我喜屋優監督(現・興南高校野球部監督)の教え?
   私生活も厳しい、試合に出ている人も出ていない人も関係なく。3年間の過程を、自分の中でどう設計していくのか、高校終わった後でも自身でプランを立てられるように。あの人はそれを考えた中での野球で勝ちにいくという。野球に限らず、社会に出ても通用する人間を育ててくれる人です。東京に出張でも来るのでその時に呼ばれたりも結構あります


――よく東京は寒いとおっしゃっていますが
   やはり寒さは結構違います。沖縄はスポーツするのだったらグラウンドコートもいらないし、冬も特につけない。野球環境は最高に良いし、冬の間は練習禁止されている。だからトレーニング期間というのは大学きて初めてで。だから去年もケガをしてしまいましたし…。寒さにはまだ慣れないですね。だからこそ倍くらいアップをして、これでもかと身体をあたためてやるようにはしてます


――大学ではどんなチームにしていきたいか?
   選手それぞれが試合の中で次に何があるか、状況を感じるチームになったらと。予測できるチームにしたい。自分の中では気合だとか根性だとかそういう野球好きじゃなくて。チーム1人1人が神宮で力を発揮できるチーム。そういった神頼み的野球が、3年間みてきた立教のイメージだったんですけど、そうじゃなくて、自分たちの実力をチームとしてもう一つのレベルを上げていきたい


――私生活からやっていきたいこととは?
   チームにあるルール、当たり前だけどそれを守る。気の緩みはそこからくるので、簡単だけどやるべきことはちゃんとやる。結構人間なんで当たり前のことができないじゃないですか。それを守れるようになればいいかなと思う


◇「今までで後悔したことは一度もない」◇


――戻りますが、野球を始めたきかっけは?
   戻るね(笑)沖縄の結構田舎なんだけど、少年野球しかなかった。普通だったらサッカーとか選べると思うんだけど野球しかなくて。スポーツしたいなと思ったら野球みたいな。(サッカーがあったら)やってたかもしれない(笑)あ、柔道もあった、4年生まで柔道をやっていたんだ。4年生から野球と柔道があって野球に


――そこから中学そして高校で2010年の甲子園春夏連覇。それを経て立大の野球に活かしたい部分とは
   興南の野球は一般常識で他の学校がやっているのとは違くて、我喜屋監督がもうすごい人で、「逆境を味方にする」という言葉がずっとあった。立教も狭い練習場、グラウンドも他大と比べたらやっぱり劣っていると思うし。それでも2位とか上位クラスに入れる。自分たちに不利なことがチャンスだったり、そういったことが強いエネルギーになってるんじゃないかと、高校の時も思っていたので。実力も他大と比べたらやっぱり劣る部分もあるから、そこをどうカバーしていけるか、だからこそ他の大学にはない所を見つける、それを学年でやっていくことができれば優勝できると思う。それは高校の時の意識を使って、実践していきたい


――高校時代の経験を伝えたい時、大城滉二選手(コ2=興南)なら分かってくれるとかはありますか?
   方言とかも、滉二としゃべっているときは出るし、球場でも伝えてくれる。滉二も学年で中心の立場だから、下に伝えるというので良い位置にいてくれる。自分も言いたいことを言ってるので、下のどう思われているかは気にしないので、 キリがないじゃないですか。だから自分の中で発言を考えながら言っていくのを曲げないで

(考えて言うことに迷ったり後悔したことは?)
   後悔はない。どう捉えるかも1人1人違うわけで、あまり後悔は、持ってても仕方ない。だからどんどん進む


――それは試合のときも? 2年の時は試合に出られない時期もあったが
   今は関係ない。自分の中でも頑張っていない自分もいて、結果が出ない自分もいて。自分がやればもっとできたというのは感じているし。だからもっと上がれる自信は、限界とは思ってないから、まだ上がれるからという感じなので


――まだ完全燃焼ではない?
   なんか雰囲気で分かるじゃないですか、自分の中でもう無理だなとか。今は全然ない。万全だって打てなかったら、あぁとも思わないし、勝負の世界だから。自分の持ち様で考えていく。だから後の結果とは関係なく


◇"ラストシーズン"◇


――対談でおっしゃっていた首位打者を目指すために詰めていきたいところは?
   練習はもちろん今まで以上にやっていかないといけないし、1人でやる練習をもっと増やして。練習量というよりもイメージを大事にしてて、というのもあって1人の練習を増やしていきたい。そしたら結果でると思う

(イメージトレーニング?)
   試合前イメージはする。絶対自分でイメージできたら打てる、例えば150kmのボールでもイメージができたら打てる。それを繰り返したら本当に打てるようになる。そのイメージと自分の技術、スイングだったり、そういった意味での自分の練習を増やしていきたい


――チームとしての課題は?
   今、周りの色んな意見出し合って後輩からもいろんな声が出て行けばいいかなと思う。室内練習場は2月から使える。個々のレベルの上げやすい環境で。やっぱり個々のレベルが強くならないと勝てない


――最後のシーズンに向けて
   絶対、結果出すので。見てて


――ありがとうございました!


次回は、城山晃典学生コーチ(営3=智辯和歌山)です。お楽しみに!



(2月10日・編集=小野槙子/取材=寺門奈緒、小野槙子)


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