春季リーグ戦2014

―青木拓磨主務ロングインタビュー―
和〜一球のために〜C




☆青木拓磨主務(コ3=船橋東)

   城山の目指す生活態度の改善は、主務の青木が描く「愛されるチーム」になるためにも欠かせない。「だらしない部員たちを応援はしたくないですよね」。学校全体が盛り上がり、多くの学生たちが明治神宮球場のスタンドを埋め尽くしてくれる――。そんな日が訪れることを切に望んでいる青木を筆頭としたマネジャー陣たち。彼らは新しいイベントや他団体と連携を密にして、より一層の広報活動に力を入れている。





青木拓磨主務
◇同期がいたからマネージャーの自分がいる◇


――マネジャーになったきっかけを教えてください
   元々男子マネジャーが学年にいなくて、将来の主務のことを考えても一人は出さなきゃいけない状況で。夏休みから学年ミーティングを重ねていったんですが、仕事内容も大変そうだしマネジャーをやる気なんて全くなかったんです。憧れの立教に入って野球部にも入ったから、それでマネジャーなんてどうなんだろうってずっと考えていました
   でもミーティングを重ねていく中でこういう人にマネジャーなって欲しいっていうのが出てきた頃に徐々にあぁ俺かなって思い始めて。決定打になったのが同期の存在ですね。ある日のミテーィング後に自分への投票理由を聞いていたら涙が出てきてしまって、その後同期数人がずっと自分の話を聞いてくれて
   あとは、自分が食堂当番だった日にこの話し合いが被っちゃったんだけど、俺が戻ったら同期のピッチャーのやつが俺の分の皿洗いをしてくれていて。その時に言われたのが、「お前に投票したから、このくらいはやる」って言ってくれて、こんな同期たちのためだったらマネジャーとしても頑張っていけるなって思ったんですね

(では今の同期でなかったら?)
   絶対やってなかったと思います。ただやっぱり不安はありました。自分に務まるのかとか、自分がこのチームをバラバラにしてしまったらどうしようとか。ただ、なるって決定した時に泣きながら電話してくれたやつとかもいて…。やっぱり同期が大きいですね


――主務になっていかがですか
   主務になって一番大変だなと思ったのは、指示を出してくれる人がいないことですね。責任が大きくなることはもちろんそうだし仕事量が多いとかは覚悟してた事だけど、一番上の自分が指示を出したり気付かなければいけないっていうのは正直たまにしんどいなって思うときもあります。だけど、主務っていうのはそれなりの立場だから、こんなふうなチームにしたいっていうのを形にしていけるっていうのはすごくやりがいを感じるし面白いなって思います


――理想のマネージャー像、主務像は?
   最初マネジャーになること決意してからしばらく経って、やっぱり大変だな辞めたいなって思うこともたまにあって。そんな中、憧れてしまうような先輩に出会えた事が大きくてそれがモチベーションになったりもしてました。具体的には「チームの中で最も苦しむ立場」であること。さっきも言ったように4年生のチームだから「4年生が一番苦しもう」っていうのが一つのテーマとしてあって、マネジャー陣には「マネジャーが一番苦しもう」って言ってあって。そしたら必然的に自分が一番苦しもうってことで。仕事ができる人間だとは思っていないので、挨拶だとか服装だとか掃除だとか、そういう人間的な部分だけでもしっかりとしたマネジャーであろうとは思っています


◇愛するチームを、愛されるチームへ◇


――仕事が大変なときの原動力は?
   それはやっぱり同期の存在ですね。うち(智徳寮)のマネージャー室ってグラウンドが見えるから、しんどいときにグランウドをぼーっと見てるんです。そうすると「同期だってしんどい練習を頑張ってるんだから俺も頑張らないと」って思えてくるんです。あとは元々選手の時から立教の野球部が好きで!だからこそ、入部したわけだし。それで、現段階でも良いところはたくさん知っているけど、それでも「どうしたら立大野球部はもっと良くなるんだろう」「こんなチームにしていきたいな」っていうのがあったんで、それを形に


――対談でおっしゃっていた「愛されるチーム」になるためには?
   野球以外でも評価されるチームを目指したいなって思っていて。結果さえ残していれば良いっていうのが学生野球ではないと思っていて、やっぱり学生野球は技術以外のところで勝敗が別れるところがあると思っていて、それの根本にやっぱり普段の生活って大きく関わってくるんだと思います。あとはやっぱり広報活動ですね!


――今でも野球やりたいなぁって思うことは?
   それはありますね! 皆を見ていて、野球めっちゃ楽しそうだなぁって。だけどマネジャーになるっていう決断に対しての後悔は全くないし、なって良かったなぁって思うことはすごくあります


――立大野球部の好きなところは?
   まずアスリート選抜が少ないところですね。高校時代に甲子園で結果を残したスター選手もいるけど、そうじゃない選手も活躍して結果を出せるのが良いところだと思います。無名校の無名選手がリーグ戦で活躍するっていうのは、立教のすごく良いところだと思います! あとは勉強もしっかりやる方だと思います


――最後に意気込みをお願いします
   こういうのが一番難しいよね(笑)。チームとしては日本一!リーグ戦優勝ではなく、日本一で。あとはマネジャーとして、より多くのお客さんに神宮に来てもらいたいです。そして個人としては、弱い自分に負けないように、って感じです!


――ありがとうございました!


   「和」に続くサブタイトルの「一球のために」。この部分には溝口智成新監督(平3年卒)の強いこだわりが込められている。昨秋のリーグ戦では一球、1プレイが勝敗を決定づけることが多々あり、多くの選手たちが涙をのんだ。近いようで遠い優勝と2位の差――。学年全体で考え抜いたスローガン『和〜一球のために〜』には、立大が優勝するために欠かせない要素が凝縮されている。今年こそ悲願の優勝へ。9年秋以来の優勝パレードが池袋の街を賑わせてくれるに違いない。


(2月10日・編集=小野槙子/取材=寺門奈緒、小野槙子)


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