昨年、全日本インカレで惜しくも優勝を逃した立大女子。そして全日本インカレ3連覇中の立大男子。常勝軍団の看板を新たにすべく立大の2チームはインカレの舞台・千曲川リンクへ上がった。国学院大、日大との2連戦を完封勝ちした女子は2年ぶりの優勝で学生日本一に返り咲いた。準決勝で宿敵・専大とのリベンジマッチを制した男子は、決勝では国学院大を3−2で破り、破竹の4連覇を成し遂げた。選手たちが口々に宣言していた「インカレアベック優勝」。日頃から男女一緒にトレーニングし合い、共闘の意識を忘れない彼らが見事にマニフェストを達成して見せた。今大会でも互いのゲームをベンチから支えるシーンが多く見られた。
  今回はそんなインカレアベック優勝の原動力となった4年生。男子チームの精神的支柱・沼澤良之介(営4)、稀代のチャンスメイカー・大塚俊輔(コ4)、大学ロラホ界の千両役者・原賢徒(法4)、無尽蔵の点取り屋・堀内亮太(営4)、そして女子チーム唯一の4年生、小さな守護神・池上奈津美(社4)。インカレでの彼らの戦いぶりと4年間の軌跡にせまった。



#4 沼澤良之介(営4)
─インカレ優勝の率直な感想は?
安心したっていうのが一番ですね。勝てるか勝てないかで本当に違うので。インカレは4連覇がかかっていたので負けられない戦いでした。負けてしまう可能性も十分あったので、原賢には本当に感謝しています(原賢は今大会5得点の活躍)。リスタートからの得点パターンは前日確認しておいたんですけど、それが活きて本当によかったです。
―インカレ全体を振り返ると?
1点差の試合が続きましたが内容としてはまずいことはなかったです。チームワークも悪くなくて、みんなそれぞれの攻撃パターンがあって、どれで取っても良いなと。4年生の2人(原賢と堀内)が得点してくれてよかったと思います。後輩も亀井と奎吾(=高木)、杜人(=小川)が頑張ってくれました。 2年前の新人戦では40得点1失点の圧倒的な強さで優勝して、そして今回その時と同じメンバーでインカレ戦ってこれだけぎりぎりだったので決して余裕の優勝というわけではなかったです。学生には負けないという雰囲気がずっとあったのですがこの前専大に負けてから少し崩れました。
―引退を迎えて4年間の振り返ると?
言いたいことはいっぱいあるけど、自分たちの代ですごいと思ったことは、各大会(新人戦、東日本選手権、インカレ)で最優秀選手を取っている人が全員違うことです。それがワンマンチームではなくてみんなが活躍できる良い代だなと思います。そういう代はあんまりないので。
─印象的な試合はありますか?
なんだかんだ印象に残った試合はやはり今日の試合(インカレ決勝国学院大戦)ですかね。去年のインカレも出場はしたけどあんまり長い時間は出ていないので、今日はスタメンで出て優勝できたというのはうれしい。最後の自分たちの試合というのはやはり思い入れが違います。
―逆に辛かったことは?
正直ずっと辛かったです。(笑)  まずは自分が3年の時とか4年になってからも、自分がキャプテンだからミーティング時も試合メンバーの中立を保たなければいけないなというのがありました。ですが自分のことは遠慮してしまいがちであまり試合に出られないこともありました。そこが辛かったです。特に去年の東日本ですかね。去年の東日本で上の代との衝突もあったのですが、そのあとはインカレも出してもらったのでよかったです。
─今年最上級学年としてやってみてどうでした?
自分たちの代になってやりやすくなったかというとそんなことはなかったです。自分が一番上になると、去年自分が悔しい思いをしたようなことにならないように積極的に(後輩を)出してあげようと考えなくてはいけなくなりました。 チームスポーツは個人スポーツと違って上手い下手が大きく出るわけではないので、そういうところを今度は選ばれる側ではなく選ぶ側として判断するのが難しく、考慮していくのが大変でした。4年がみんな出ればいいわけではないので。
―主将という立場で思う部分はありますか?
みんながこれで良いという雰囲気になっていても最終的にゴーサインを出すのは主将の自分だし、ストップをかけるのも自分で、もしその流れのまま行って負けたら自分のせいなので、みんなの流れとは反対のことをあえて言わなくてはいけないというところが大変でした。
―このチームで1年やってきて
みんながお互いのことを考えていて、自分が自分がという人がいなかったですね。雰囲気としては他大より一番ふざけているしすごく明るい感じだったと思います。どちらかというと自分が真面目な方だったかな。(笑) やりやすかったです。 試合に関しても、原賢とかほりお(=堀内)とかしゅんしゅん(=大塚)とかすごく考えて話してくれていたし、いろんなアドバイスとか案を出してくれました。 後輩も注意しやすいというか、言うことに対しては素直に従ってくれたので良いメンバーだったと思います。
―そんな後輩たちにメッセージを送るなら?
マイナースポーツといえど本気なときは本気でやって、遊ぶときは遊ぶというメリハリをつけてやってほしいです。そうすれば体育会のいいところもサークルの良いところも全部味わえると思います。何よりも全員が楽しくやってくれるということにつきますね。
―ロラホ人生を1文字で!
「貫」ですね。ずっと練習量も負けてないし、自分としては常に同じ方向を向いてやってきたつもりなのでこれです。気持ちを変えずにやってきました。



#1 池上奈津美(社4)

─今大会振り返って
去年おととしと日大に負けているので、日大に勝って絶対優勝したいというのはもちろんありました。チームとしては全日本で社会人に勝つことが目標なので、今回はしっかり優勝して全日本で勝負しようという感じでした。佳奈と優希の2人とその他ではやっぱり技術に差があるので、接戦になりました。 最後のインカレでどうしても勝ちたかったので、インカレ前の練習では後輩にきついことも結構言っちゃったりしていて、でも1週間前くらいになってから他の子たちにはもし負けても来年があるんだなっていう気持ちが出てきて、そこからは修正するところを探すよりも自分たちがやれることをやろうっていう方向に持っていくようにしました。前日のミーティングも10分くらいしかやらなくて「とにかく楽しんでやろう」っていう方向にいきました。
─優勝の瞬間は?
私結構泣き虫なので優勝したら泣くと思っていたんですけど、正直ほっとした気持ちが大きくて泣けませんでした。(笑)
─後輩に伝えたいことは?
優勝したけど課題が残る部分も多かったと思うので、今後も後輩の子たちには突き詰めていってほしいです。それに今年は私しか引退しないし、私はGKなので、チームの方針とかやり方とかは今のままつながっていくと思うので、このままチームをさらに成長させていってほしいです。
─無失点優勝でしたが?
勝つことよりも自分の役割をしっかりやることを意識しようというのがうまくいったので、みんなリラックスというかあまり緊張しすぎずできていたと思いますし、私自身もカウンターとかを浴びたときも落ち着いて対応できました。私のプレースタイルは背が小っちゃい分前に出て守る感じなんですけど、それも緊張していたりすると前に出られなくなったりするので、今大会はうまくいったかなと思います。4年間通してこの試合が一番みんなのことを信頼してやれたと思います。みんなが守ってくれるから安心してゴールマウスに立てるというのをすごく感じました。私はずっとGKじゃなくてフィールドプレイヤーをやりたいっていうのがあったんですけど、優勝してGKやってきてよかったなと思いました。
─後輩の存在は?
後輩には頭が上がりません。佳奈とか優希(=原)とかは本当に私の話も聞いてくれて。4年がひとりだったので、みんなの支えがすごく大きかったですね。色々思ってくれてるんだろうなっていうのが後輩からひしひし伝わってきて感謝しかないですね。私がもともとGKをしたくなかったってことも、責任感が強いタイプっていうこともみんな知っているので、「奈津美さん一人で大変だったな」って思ってくれていたと思います。でも実際はそんなことなくて、みんながいてくれたから全然苦じゃなかったですね。
─GKをはじめたきっかけは?
立教は隔年でGKを作らなくちゃいけないんですけど、私たちの代はやりたい人が誰もいませんでした。やっぱりローラーホッケー部に入部したっていうのはフィールドプレイヤーをやりたかったからだったし、私は結構我が強くて点を取りに行きたいタイプなのでGKは全然考えていませんでした。でもGK決めで同期が結構もめちゃって、どうにかしなくちゃって思って手を挙げたんです。
─同期が減ってしまったことは?
結局同期は辞めてしまったんですけど、私は一度も辞めたいって思ったことがなくて。私は、「部活は入ったら続けるもの」っていう風にしか考えられなくて。中高バドミントンやってたんですけどそれもずっと続けていたので責任感の部分は強くなっていたのかもしれません。
─4年間ゴールマウスを守ってきて
もちろんつらいこともあったんですけど、なんだかんだGKをやってきて良かったなと今は思っています。GKだと日本代表とかにも呼ばれやすかったですし、我慢することとかも覚えて、ロラホのGKを通して人間的に成長できた気がします。
─最後に一言!
ローラーホッケー部に入ってよかったと思ってます。大学生活、これをやらなければ他のいろんなこともできたんだと思うんですけど、でも自分が選んだ道は間違ってなかったんだと今は自信をもって言えます。



#7 大塚俊輔(コ4)

─インカレ振り返って
ボックス相手で、夏まで八の字のパス回しでやっていて、夏合宿あたりから、三角で回す攻め方にかえました。練習期間も少なかったので苦労しました。(専大戦は)失点して残り時間少なかったので、みんなでやることを確認して、点を取ったの前角からのスタートだったんですけど、それは確認し合って、原賢のバッティングで決めようって話し合っていたので、それが本当にうまく決まって、練習した甲斐がありました。自分は速攻で前に出ないで、結構後ろでディフェンス気味だったんですけど、点取ってくれて本当にありがたいですね。
─決勝戦の国学院大戦に関しては?
1点先制されても、うちには力があると落ち着いてやれたのが良かったです。
─戦っているときはこの試合で引退だとか考えましたか? 引退っていうのはそんな考えてなくて、この試合でどれだけチームに貢献できるか点取れるかってことを考えていました。まあ点は取れなかったんですけど、チームが勝ったのでよかったです。
─インカレ4連覇っということで今の心境は?
ホッとしましたね。今まで先輩たちが優勝してきて、自分らの代も優勝しかないだろって言われていたんで、とりあえず強い立教のままでいられたのでよかったです。いつだったか負けたときに、自分らの代では負けないっていっていたんですけど、東日本でうまくいかなくて学生に負けちゃって、絶対に負けられないって思っていたので、試合内容はほぼ互角でぶっちぎり強いってわけではないと思っていましたけど、最後は気持ちで勝ったかなって思います。
─インカレを迎えるにあたって気持ちとしては?
インカレは常に意識していた大会なんで、それに向けて自分のモチベーションとか、コンディションも整えていこうと思ったんですけど、1か月前ぐらいから、膝に違和感があって、それがインカレに出ちゃったんですけど、チームが優勝してうれしい反面、全然出れなくて、走れなかったし、個人的に悔いが残る試合だったんですけど、それもインカレですね。
─4年間ローラーホッケーを続けてきてどうでしたか?
ローラーホッケー部に入部して本当によかったなって思います。つらいこともたくさんあったんですけど、それ以上に充実した日々過ごせていたし、ロラホやってなかったら、大学ここまで充実しなかったと思うし、大切な仲間もできたので本当に良かったですね。
─同期については?
同期本当に仲いいですね。すごく気の合ういいやつらでした。同期だけじゃなく、先輩もいい人ばっかでしたし、後輩も素直で。それも含めていい雰囲気で試合に臨めたのでチームに感謝したいです。
─後輩たちに伝えたいことは?
結果にはこだわって欲しいですね。勝ってそこで喜びとか楽しさをわかると思うので、結果にこだわらないでのびのびやっていても、こんなに思い出に残るのかって言ったら、そうでもないと思うので一生懸命結果にこだわって立教のホッケーをこのまま残していってほしいです。



#9 原賢徒(法4)

─インカレに臨むにあたって
まあ、個人としては勝たないと楽しかったって感じられないタイプなので、どんな形であれ勝って終わりたい。とにかく勝つってことを考えて何をやるのかって言うとやっぱり自分はバッティングしかないから正確に打っていきたいと思ってました。(チームとしても)仕上がったとかそういうのはないけど勢いはあるのかなって感じました。
─最後の試合で感慨深い部分とかはありますか?
なくはないけど、そこまでないねって感じです。もっとあるのかなって思っていたけど、試合としてはいつもと同じ、相手も同じだし。負けていたらこんなこと言えてないと思うけど、勝っちゃったから。(笑) 感慨深いっていうのはないかな。勝っても負けてもどうせ最後だと割り切っていました。
─インカレ4連覇がかかっていましたが?
でもそれはもう、個人的には全く意識してなくて、この1年のために1年のころからやってきたって言っても過言じゃないから、そういう意味ではプレッシャーとかはかかっていないです。ただただ自分たちの試合っていう意味ではプレッシャーがかかりますが。
─決勝戦について
正直言うと試合始まる前は、圧勝して決勝戦じゃないみたいにしようかなと考えていたのですが、相手に先制されてそのまま0−1で折り返すことになって、全然点が取れないような感じでした。チームメイトはみんな、「(後半戦これから点が)取れる取れる」と言っていたのですが、個人的にはその時はそんな感じはなかったです。フリーシュートで点を入れて、1−1になって追いついてからは相手に取り返される前に、バババっと持って行った感じです。後半戦の途中で「勝てる」と思ったのかもしれないです。
─大会全体を振り返ると?
まぐれで入ったシュートが全体的に多かった感じがします。それでも結果的に優勝で追われたから良かったですけど、実力で勝ったというよりも、運で勝てたという感じだったと思います。それでも勝てれば楽しいから、最後として、4年間の締めくくりとしては良かったかなと思います。
─4年間通して苦しかったことは?
苦しかったことといったら最初の1年間。やっぱり1年生の時は全然試合に出ることが出来なくて、出ることが出来ない理由も自分の中で分かっていたから、余計に悔しかったです。全然うまく滑れなくて、ホッケーも出来ていませんでした。ただ自分のやりたいバッティングをひたすらにやっていたらそれが周りに認められて、1個上の代から試合に出してもらえました。個人として4年間を通して見てみれば、苦しい場面はあったけど自分のホッケーは成功だったかなと思います。最初の方はロラホやるのも嫌だったけど、それがだんだんやっていて楽しく感じることが出来るようになりました。
─4年間で印象に残っていることは?
やっぱり初めて試合に出ることが出来た2年生の時の新人戦(日大戦)が一番心に残っています。全チームを格下として戦っていたから、競った試合とかはあまりなかったのですが、楽しかったなと思います。
─後輩に伝えたいことは?
楽しかったら続ければいいし、楽しくなかったら辞めればいいと。自分もそう思って部活をやってきたし、後輩にもそう伝えたいです。楽しくするために勝ちにいきたいなら勝ちにいけばいいし、ただお遊びでやりたいならお遊びに持っていってもいいから、とりあえず楽しい部活を残していってくれればいいかなと思います。



#5 堀内亮太(営4)

─インカレ優勝の率直な気持ち
涙が出るとは思いませんでした。(笑) 夢のようです。最高に嬉しいです。これが最終的な目標だったので。1年の時から毎年優勝を経験できました。来年もぜひ後輩たちには5連覇を果たしてほしいです。
─専大戦の延長Vゴールについて
自分が決めてやるという気持はありましたが、やっぱりサドンデスだったので気が気でないというか、どうしても負けたらどうしようっていうのがよぎっていて。1点とってやろうというのはあったので。本当に夢にまで見たシチュエーションを達成できて良かったです。
─厳しい戦いが続きましたね
本当にインカレは何が起こるかわからないので、(専大戦で)取り返されたときは本当に焦って、でも原賢のおかげで。原賢には感謝しきれないです(原賢はその試合2ゴール1アシストの活躍)。決勝点のアシストも完璧なパスで、文句なくMVPだったと思います。
─4年間振り返ってどうですか?
ひよっこの段階からここまで来れたっていうのがとても感慨深いです。デビュー戦になった新人戦ではガチガチになってしまっていたんですけど、今日(=インカレ決勝国学院大戦)は調子も良くてすごく動けました。そういうところで自分の成長を実感してます。ロラホだけじゃなくていろんなことに通じるような成長が出来たと思います。
─このチームで1年やってきて
最初東日本選手権で負けてチームがバラバラになりかけました。去年とかはそれで失敗したとこもあるので、またやっちゃったと思ったんですけど。最後はだんだんまとまってきて一つのチームとして成熟してきました。他大に比べて個人個人がちゃんと得意なプレーを持っていて、全員が活躍をできるチームでした。それが他にはない立大の強さだったかなと思います。最初は4年の4人しか出てなかったのが、奎吾(=高木)とか亀井とか航弥(=坂本)がすごくうまくなって層はほんとに厚くなりましたね。
─後輩たちに送りたい言葉は?
自分は全然うまい選手じゃなかった。技術的にまだうまくない人っていうのはいて当然だと思うけど、最終的にはうまくなれるし、絶対あきらめないで練習しつづけてほしいです。努力は裏切らないから、最後まで努力し続けて最後のインカレで「やってきてよかった」と思えるような練習をしてきてほしいなと思います。





(編集:大山稜/インタビュー:平澤宗大、大山稜、小原覚、大塚夢)





Copyright (C) 立教スポーツ編集部, All Rights Reserved.