秋季リーグ戦2014

―溝口智成監督ロングインタビュー―

和〜一球のために〜N〜


  今春、溝口智成新監督のもと挑んだ最初のシーズンは4位という結果だった。ひと夏を越えて、優勝を果たせば30季ぶりとなる秋季リーグ戦の開幕を迎えた。開幕週は法大相手に2連勝し、好スタートを切った立大。15年前の秋以来の悲願へ――。6回にわたるロングインタビュー企画の第1回となる今回は、溝口智成監督です。

☆溝口智成 監督(90年度卒=湘南)

――春季リーグ戦を振り返っていただけますか
         簡単な戦いではないとは思っていたものの、やっぱりあの場で優勝するのは相当難しいなというのを実感したのと、どこのチームもレベルが高いし実力にそんなに差がないし、そんな簡単には。立教の戦力が悪いわけではないと思うんだけれども、簡単には勝てない、いかないというのと、うちのチームが劣っているわけではなくて、十分優勝するチャンスはあるなっていう両方感じましたね。

大切にされている言葉として、 「積み重ね」と書かれた溝口智成監督
――監督がその中で紙一重の試合を勝っていくということが必要だと話されていたと思うのですが
     たぶんそれは15年間ずっとそうだと思うんだけど、あの試合を勝っておけばとか。それは何かというと、プレッシャーのかかる場面で、例えば「0−0で先に得点しておけば有利に進む」とか、「ここで追いついとけば」っていう場面でいかに本来の力を発揮できるか。そこで発揮できれば勝っているし、出来ないなら結果負けている。春も結構1−4ぐらいになって追いつくみたいな試合なんかがあった時に、3点差になって開き直れるという。プレッシャーがなくなっているという。そこで初めて自分のプレーができるから、振りが良くなって後半に3点有原くん(4年=広陵)から点を取るとか。

――接戦だと逆にプレッシャーを感じてしまうということですかね
    プレッシャーを感じているという自覚はないんだけど、そういう場面で打つとか守るとかっていう、そういう紙一重があるという風に思いますね。

――その精神的な部分も踏まえてキャンプにも取り組まれたということでしょうか
       まあそうだね。精神面って言ってもなかなかそれをどう鍛えるかっていうのは難しいけども、自然とチーム内に出てきたことが臨場感を持って練習しようってなりますね。練習だけでできてもしょうがない。例えばバントするにしてもそれが緊張感の中でできるバントの練習なのか、神宮に行っても通用する技量なのかっていうところをテーマに。だから、かなり選手間でプレッシャーをかけながら練習もしていたし、厳しい声も出ていたとかしたので、少し臨場感とかゲームに近い中でも力が出せるような方向にはいってるとは思いますけどね。

――前回のインタビューで「特効薬はない」と仰っていましたが、やはり積み重ねということになりますか
      それはそうですね。急にそんな開き直れるはずはないんだけども、練習でこれだけやったのだからという風に思うしかないと思います。だからそういうことを毎日毎日積み重ね続けている感じですね。

――夏を過ごして、春と比べてチームのここが変わったという点はありますか
      夏だけではないんだけど、要望するナイスプレーの基準が上がった。昔だったらナイスプレーって言ってたけど、今ではそれじゃダメっていう。例えば送球でもやっぱり膝ぐらいに投げるとタッチ出来るからナイスボールなんだけど、昔は投げられればオッケーって言ってた部分もありましたね。そういう風にチームとしてプレーの基準が上がってきている。妥協しなくなったし、もっと上を目指そうという風にはなってきたと思います。

――夏を通して、監督が注目している選手や成長したと思う選手はおられますか
      若手だと1年ピッチャーの藤田(営1=県岐阜商)。貴重な左腕だし、左バッターが多い中で対戦するチームも出てきてほしいなっていう気持ちもありますし、オープン戦は投げさせて経験も積んできて、良い結果が出てきているので。秋どこかで投げていい経験をしてくれればなとは思います。酒井田(営3=県岐阜商)は今サードとセカンド両方やらせているので。勝負強いところもあるし、守備ではやっぱりすごく、昔から下手ではないけど、この3か月間の強化練習でだいぶ上手くなってきているので。レギュラー獲得して、それが神宮で開いてくれたら面白いなとは思います。あとは川端(済4=沼田)。今二刀流でやっていて、投げる方では調子よければ145キロを超えるし、バッティング練習だったら誰よりも飛ばすので。まだレギュラーが決まったわけではないけど、チームの競争をさらに強くしているし。ピッチャー陣も一枠がどうなるのかってことだし。ファーストの寺田もどうなんだってこともあるから、いい刺激を与えているし。実力がもし発揮されると非常に面白い存在ですよね。あとはもう、いつものメンバーは期待していますよ。澤田(コ2=大阪桐蔭)、大城(コ3=興南)、岡部(コ4=帝京)、佐藤拓(コ2=う浦和学院)、この辺は当たり前のようにきちんとね。

――監督として迎える2シーズン目。気持ちの部分での変化はありますか
      今回開幕したらしたで自身も緊張するし、固くなるし未熟な部分も出てくると思います。でも春に比べれば経験は少し積み重なっていると思うので、色んなことを見ながらできると思いますし。1月に着任して時間も倍を過ごしたから、選手の技量であったり、性格であったりというのは初めよりは情報量が多くなっていると思います。もう少し余裕をもって試合に挑めるかなとは思うし、僕自身も成長を感じながら采配しなきゃいけないとは思っています。やっぱり4年生を中心にチームのことを考えているときに、色んなことをやってくれているので、そんな4年生に最後だから優勝っていう良い思い出を作ってあげたいというのはあります。毎年思うことではあるんでしょうけど。僕にとっては初めての4年生なので、この4年生に良い思いさせてあげたいなっていうのはすごく強いです。

――秋季リーグ戦の抱負をお願いします
      優勝したいです。早慶戦を見て、慶應が優勝しているのを見て、外から見ているものじゃないなと思いますし。自分たちがあの歓喜を得なきゃという風にすごく思ったので、選手にあれを手にしてもらいたいとは思う。並大抵のことではないというのを実感してこの3か月間来たので、他もそうですけどうちもいい練習してきたしっていうのは持てるぐらいやったので。どんな戦いになるかはわからないけど最後まで諦めずに、立教らしい、周りの人が見ていていいよねって思ってもらえるような、はつらつとしたプレーを最後まで見せたいと思います。


――ありがとうございました!


第2回は、青木拓磨主務(コ4=船橋東)と城山晃典学生コーチ(営4=智弁和歌山)です。お楽しみに!
(4月18日・取材=小野槙子、赤津亮太/編集=赤津亮太)





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