秋季リーグ戦2014

―安田航選手、川端大翔選手 ロングインタビュー―

和〜一球のために〜Q〜


  今春、溝口智成新監督のもと挑んだ最初のシーズンは4位という結果だった。ひと夏を越えて、優勝を果たせば30季ぶりとなる秋季リーグ戦の開幕を迎えた。開幕週は法大相手に2連勝し、好スタートを切った立大。15年前の秋以来の悲願へ――。6回にわたるロングインタビュー企画の第4回となる今回は、安田航選手(済4=桐蔭学園)、川端大翔選手(済4=沼田)です。

☆安田航選手(済4=桐蔭学園)

――春季リーグ戦を振り返っていただけますか
        春は慶応から勝ち点をとれたんですけど、初戦の法政戦を落としてしまってから軌道修正というか自分たちの力を発揮するまでに時間がかかってしまったというのがあって、今回その点に関して、ある意味スタートダッシュを駆けられるようにというのは意識してやっています。
自身のアピールポイントとして「チーム1のつなぎ役」を挙げた安田航選手


――個人としてはいかがでしたか
   全くチームに貢献できなかったので、そういった面が春のスタートダッシュができなかったところにも繋がっていると自覚しています。個人的にも春の二の舞というか同じ失敗をしないように、守備でも打撃でも、自分が出るチャンスがあればチームに貢献して、また1週目からバチっといけるようにというところは常に意識しています。

――夏季キャンプ、オープン戦ではどのような点を重点的に取り組みましたか
   僕たち攻撃陣というか野手からすれば、ここ1本、このチャンスをいかにつかむかというところが春の課題だったというか。なかなかチャンスを自分たちでつかみきれないで、苦しい試合展開に持ち込んでしまったというところが反省だったので。いかにチャンスをものにして、いかに得点をして試合を運ぶかというところの目標をみんなで具体的に持って毎試合臨んでいたので、その臨む姿勢というのは春とは違うところがあるかなと思いますね。

――活躍してくれそうだな、と思う選手はいますか
    多分みんな言うと思うんですけど、4年生の川端大翔(済4=沼田)という選手がいるんですけど。大翔は今、投手と野手の二つをやっていて、野手に関しては持ち前のパワーがあって、夏のキャンプではここ一番の試合の勝負を決めるような場面で何度も打点をあげてきているので勝負強さというのも身についていますし、一応彼は文句なしで西都賞というキャンプのMVPに選ばれるようなここ一番の強さを見せてくれました。僕と同じ学科で同じ4年で、ずっと同じ授業を受けているので、個人的にも思い入れは強いんですよ。

――主将の我如古(営4=興南)さんに対する思いをお聞かせください
    彼は実績があるというか、高校時代から有名で、キャプテンシーもありますし。普段はおちゃらけて阿呆みたいなことしてますけど、野球になると熱くなれる。「そんなやる気あるのか」と言うくらいやる気を見せてくれるようなキャプテンなので。僕はそれを支えることが彼に対する最後に一番できることだと思っています。あいつのためっていう訳じゃないですけど、彼が引っ張ってくれた部分は相当多いので、彼と一緒にいい気分をしたいという思いは大きいですね。

――優勝するために何が必要ですか
    最後は執念が必要かなとは思いますね。自分たちのスローガン「和」と言っているんですけど、180人以上部員がいて、みんながなるべく同じ方向に向いて、その中で戦う選手って最初が9人で途中から出て10人ちょっとみたいな。その選手たちがどれだけ勝負強く今までやってきたこと出して、一番緊張する場面で執念もってやれるかというところが、僕も自分がどれくらいできるのか楽しみですし、チームもここぞっていう場面をしっかりやるというところを意識しているので、そこがいかに結果として実を結ぶかというところが、今まで取りこぼしてきたところにもつながると思いますね。

――秋季リーグ戦に向けての意気込みをお願いします
    個人的には、学生野球が最後なんで、自分たちが主役というか。プレッシャーを感じる部分もなくはないんですけど、そこをある意味楽しんで。こんな風にして神宮で野球できるのは最後なので、4年生一丸となって他の下級生がついてきてくれれば可能性は相当あると僕は思ってるんで。だから最後は楽しみたいかな。その中で自分の役割はやっぱり意識してチームに貢献するというのは当たり前なんで、そこをできればなと思います。

――「チーム1のつなぎ役」。その心を教えて下さい
    チーム一のつなぎ役であれと思って毎日生活しているので、打撃に関しても守備に関しても二塁を守ってますし、チーム内のコミュニケーションに関しても、いいつなぎ役として機能できたらなとは意識していますね。

――ありがとうございました!

◆安田航(やすだ・わたる)1992年7月13日東京都生まれ。経済学部4年。右投左打/内野手/桐蔭学園/174a71`




☆川端大翔選手(済4=沼田)

――これまでの自身の大学野球を振り返っていただけますか
    群馬のただの進学校から入ってきて。もともと自分は野手だったんですけど、たまたま前の大塚監督(昭57卒=岐阜)が「ピッチャーやらないか」みたいな話をしてもらって、それで大学入ってピッチャーやって。3年の時にけがをしてしまって、1年間ずっと何も出来なかったんですけど。今年の春になって今度また野手とピッチャー両方今年はやっていて。でもどういう形であれ、もともとピッチャーやることも考えていなかったことですし、ピッチャーやり始めてからは、もう1回野手としてバットを振るということも考えてなかったですし。何が起こるのか分からないんですけど、大学入っていろいろ、野手やったりピッチャーやったりっていう経験が出来たのはすごく自分の野球人生でも貴重な経験が出来たと思いますし、立教に来て良かったなと思っている一面もあります。
自身のアピールポイントとして「全力プレー」を挙げた川端大翔選手


――宮崎キャンプではどのような点を重点的に取り組んだか
    とにかく自分の持ち味は人よりも強い打球とか遠くに飛ばすことが出来るっていうのが他の人には出来ないことだと思っているので。まずはその点を伸ばすというか、得意なところを伸ばすために思いっきり、力強く振ることを数多くするじゃないですけど。流れでいっぱい振るよりも、1本1本全力で体力つけるということは念頭に置いてやってました。

――ピッチャーとしては
    ピッチャーとしてだと、ずっとピッチャーとしての練習をしてたので、どうしても野手の練習がウエイトとしては今の時期だと多くなってしまって。ピッチャーの練習をするのはほとんど実戦、試合での実戦と紅白戦、シートバッティングとか、ほとんどピッチャーとしての練習をして試合に臨むということが出来なかった。その点だと試合でしかピッチャーの方はアピールすることが出来ないので、野手をやっていながらも野手の目線じゃないですけど、野手やってるから考えられること、こういう時にはこういう球を投げたらいいんじゃないかみたいなことを考えながら実戦で1つ1つ試すというか、練習できない分実戦を練習と実戦とって両方を自分の中では位置づけて取り組みました。

――理想の投手像はどんなものですか
    聞かれていつも答えるのは、2つ上の先輩で小室(12年度卒=日野)さんっていう人がいたんですけど、小室さんはどういう形であれ点を取られない、負けないピッチングを持ってやっていた。勝つんじゃなくても負けないピッチングというか、どんな形でもいいから絶対にホームを踏ませないっていうピッチングを。三振取らなくてもいいし、どんなアウトの取り方でもいいんで、ちゃんと次の三つのアウトをしっかり取って帰るって言う気持ちでやっています。

――投手と野手で活躍されていますが「こっちの方がいい」というようなものはあるのですか
    ずっとけがして出られてなかったんで、出られる方で出ていたいって言うのも個人的にはありますし。それこそチームが必要としてくれる方ならどちらでも準備して活躍したいなっていうのがあるんで。どっちがいいっていうよりもどっちでも、どっちも活躍したいって言うか、そういう気持ちの方が強いですかね。

――ラストシーズンですが、何か思うことはありますか
   本当に色んな人にずっと期待してもらったりとか、けがしたときは病院の先生だったりリハビリの人だったり、もちろん周りのチームメイトだったりに支えてもらってたんで。口で感謝するのは誰でも出来ると思うんですけど。こういう立場にいるんで。プレーで感謝を伝えるじゃないですけど、しっかり最後までやりきりましたっていう姿をそのお世話になった人たちに見せたいと思っています。

――秋季リーグ戦に向けての意気込みをお願いします
   ;バッターとしてはチャンスで打つこと、打点を挙げることを期待されて出していただけるときは出していただけると思うので、チームのチャンスでは自分が打って点を取って勝利打点取れるようにというのと。投げるときは逆にチームのピンチで投げることがあると思うので、チームのピンチを自分の活躍できるチャンスだと思って逆に相手に点をあげさせないように、点を取られないようなピッチングをしたいなと思っています。

――「全力プレー」。その心を教えて下さい
   バッティングでも常にフルスイングで行けと言われてるんで。それが持ち味だとも思ってるし、それで三振でも、中途半端なスイングするよりは期待が持てるんじゃないかって言う、みんながそう言ってくれてるんで。投げる方でも持ち味はその他のピッチャーとかと比べて力強い速い球で押して行くっていうことが出来ると思うので。

――ありがとうございました!


◆川端大翔(かわばた・ひろと)1993年3月16日群馬県生まれ。経済学部4年。右投右打/内野手/沼田/190a100`


第5回は、大城滉二選手(コ3=興南)と佐藤拓也選手(コ2=浦和学院)です。お楽しみに!
(8月30日・取材=永野伽那子、赤津亮太、唐澤大/編集=赤津亮太)





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