勝〜"一"にこだわれ〜 @

春季リーグ戦2015

溝口監督ロングインタビュー


   昨秋、リーグ戦制覇をあと一歩のところで逃した立大野球部。悲願の優勝へ、勝負の六大学春季リーグが11日に開幕した。全5回にわたってお伝えするこの企画では、学生野球最高峰の舞台ですべてを野球に懸ける男たちに熱く語っていただいております。   第1回となる今回は溝口智成監督です。


☆溝口智成 監督(90年度卒=湘南)

春リーグでの個人的な目標として 「徹底」
という言葉を挙げた溝口智成監督
――監督初年度を振り返っていかがですか
   やはり春は手探りだったなと思っていて、やっている最中はそんなに思わなかったんだけど、春が終わってまた秋、リーグ戦を戦っている時にこんなことも見えていなかったんだとか、春も踏まえてこんなことも見えるようになったんだなっていうのがありましたね。最初のシーズンの春はチームも新しいチームだったし、監督も新しかったので、かなり…。何がどうという訳ではないけど、色々噛み合わない部分とか選手も経験が少ない中で、ごちゃごちゃしながら進んだみたいな印象は、後から思えばありましたね。

――昨秋は優勝まであと一歩のところでした
   春はさっき言ったように後から思えば色々経験のない選手がいたのも合わさって上手くいかなかったというのもあるんだけども、春から夏にかけては自然と経験が蓄積した部分と、選手が4年生を中心になんとか春の二の舞を踏まないように意識をすごく高く持ってくれたので。技術がガーっと伸びたというよりは、一個一個の意識とか、練習に対する姿勢だとかが土台になったとは思いますね。ただそれだからと言ってあそこまで行けるとは思っていなかったし、春も行けるぞとは思っていたんですけど、あと一歩のところまで行くというのは当然やってみないと分からない部分ではありますけど。でもそういう風にああいうのがなぜもたらされたのかと言えば、意識が変わったなというか、4年生中心に練習していたなとか、良い雰囲気でやっていたなというのはあります。

――新チームが始動してから新たに取り組んでいることはありますか
   やっぱりあの悔しさは忘れちゃいけないし、あれを乗り越える。悔しさであれだけの涙を流した訳だから、人間って喉元過ぎると忘れちゃうんですよね。悔しさだったりを。日々練習しているからずっと意識しているのは無理だし。やっぱり優勝するためには「あの悔しさを二度と味わわないために」っていうことを思おうぜとは言っていますね。変わったことは何かと言えば、すごく抽象的な事にはなるけれどプレーの精度を上げるとかっていうことなんですよね。一つ一つの精度を上げる。もっと大きな事を言うと、「徹底度」。例えばここはフライではいけない場面で全員が本当にその意識を持てたかどうか、ヒットエンドランでゴロを打たせない場面でゴロ転がしたら死んでしまうぐらいの気持ちでやれているか。バントだったら顔に当ててでもやるつもりでいるか。そういう徹底度合いがまだまだ足りないなと思っているので、それにチームで取り組んでいるところですね。 (徹底というのは今年のスローガンにもつながってきますか) 徹底っていうのは後から出てきたんだよね。『"一"にこだわれ』の中なんだけれど、スローガンとは別の。まあ同じような事なんだけれど、それと必ずしもリンクしているわけではないです。例えば一にこだわるっていう事に徹底する、とにかくスローガンに徹底していこうぜっていう、そういう意味合いですね。

――チームの状態はいかがですか
   競争は激しいですよ。内野も外野も相当激しいですね。一つのポジションを取る取らないっていうのは本当にプレッシャー感じて紅白戦や練習をやっていると思うし、やっぱり「エラーしたら終わり」っていうのもあるし。2試合連続で打てなければ次使ってもらえないぞっていう雰囲気もあるから、激しい競争になっているとは思います。別に仲が悪い訳ではないし、だけど悪いプレーに対してはようやく選手間で少し厳しい声も出だしたから。チームとしては少しずつ戦う集団になってきたかなって感じです。高めあって、もしくはけなしあって。仲良しクラブではなく、勝つためにそれでいいのかっていうのを出し始めてたかなっていう。まだまだですけど。

――2年目のシーズンですが、1年前と比べて心境に変化はありますか
   やっぱり秋に、本当にあと一歩で優勝だったじゃないですか。優勝というものが絵に描いた餅ではなくて、すぐ手にできると実感できたのは変化だと思います。あそこの一勝で優勝だったんだっていう現実としてあるから、あれを越えるためにはどうしたらいいのかとか具体的に考えられているっていうのがすごく大きな違いですよね。当然就任した当初も優勝目指してやってはいましたけど。監督としての優勝は言ってみれば想像でしかなかったし、そこまで手が掛かるっていうのは大きいですね。

――春季リーグ戦に向けて展望をお願いします
   秋も決して楽な戦いではなかったんだけど、7連勝までいって。楽だった訳ではないけど、春は春でもっと厳しい戦いを想定しておかなきゃいけないかなと思っていて。あんな7連勝が起こると思っていてはいけないし、1勝1敗でどう3戦目を勝っていくかというのが起こってくるだろうし。勝ち勝ちで繋げなきゃいけないっていうこともあるだろうし。この間のスタートダッシュは特殊だと思うから、ああじゃなくてもいける、負けで始まっても盛り返せるとうのを想定していかないといけないとは思っていますけどね。そういう展開を予想しているというか、しようとしている。そっちを想像しといた方がいいと思います。

――最後に意気込みをお願いします
   当然、優勝の目の前まで行ったので目指すんだけども。本当に始まったら優勝って簡単にできる話じゃないから、5チームと戦っていかなきゃいけないから。もちろん優勝のためになんだけども、始まったら目の前の戦いに全力でぶつかっていく。目の前の相手というところに全員で入り込んで地に足をつけてやっていきたい。上手くいくこともいかないこともあるだろうし、そういうものだと思って、目の前のところをしっかりとやっていきたいなと思いますね。

――ありがとうございました!



第2回は、本田智徳主務(コ4=高畠)と高尾雅之学生コーチチーフ(営4=明善)です。お楽しみに!




(4月11日、取材=久保友香、唐澤大/編集=唐澤大)





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