ゴルフ部

春季対抗戦直前ロングインタビュー

一昨年、昨年と主将を務め、チームの大きな支柱でもあった三崎が抜けた今年、新たな一歩を踏み出すこととなった立大ゴルフ部。彼が果たすことのできなかったBブロック昇格の夢。想いを引き継ぎ、前を見据える2015年度主将の青木友翼選手、エースとしてチームを支える高橋晋伸輔選手に、今大会にかける熱い思いを聞いた。

主将・青木友翼(営4)

――昨年1年間を振り返って
   目標にBブロック昇格っていうのを掲げていて、「やりきれなかったな」という思いと、女子にBブロックを先に越されたなという悔しい思いがあります。圧倒的に男子の方が上手さでいうと上手いのですが。男子ゴルフと女子ゴルフだとレベルの差があるので、男子がなかなかBブロックに上がれないという現状があって。

――男子はブロック数が多いですよね
   はい、AブロックからFブロックまであります。女子はAブロックからDブロックなので。男子が、女子と比べると負けているんじゃないかと思われるのが嫌なので。今年こそは絶対にBに上がりたいなと思っています。

――昨秋はCブロック5位という結果でした
   結果は5位だけど、一昨年3位になったときはスコア差が初日に5位とか6位で残留ギリギリだったのが運よくその後巻き返して3位になったのに対して、昨年の秋は初日7打差で終わった分、一昨年の3位のときよりも去年の5位のほうが優勝の可能性を感じていたので、スコア的に見れば良かったと思っています。

――だんだん力がついているということですかね
   メンバーが固定化されているというのが大きいです。ここ2年間、メンバー構成がほぼ同じで固定化していて。今年も同じようなレギュラーでやっているので、みんなが上手くなっていって、いい感じで階段を上っているなと思います。

――昨秋からここまで意識して取り組んだことは
   個人としては、秋にスイングの改善にとにかく取り組んでいたのですが、その後就活が始まって調子を落としてしまいました。でもまた練習を3月の後半から再開したら、調子が戻ってきて去年の秋のときよりよくなって。就活が入っても練習はやめないということは常に意識していましたね。

――チームとしての状態も上がっているのでしょうか
   上がっていると思います。特に3年生の高橋と馬場の2人は就活などがない分、ちゃんと練習しているしタイの合宿にも行っているので。タイ合宿でみんなレベルアップしたと思います。

――タイ合宿では部員同士の仲も深まったと伺いました
   タイ合宿は結構きつかったです。トレーニングした後にラウンドするっていうのはあまりしないので。1ラウンドするときもハーフが終わった時で疲れ切っているんですよ。それで後半のハーフをやっているときに体中がつりそうになっていて。暑くて体を鍛えこんだ後に打つという、普通じゃありえない内容だったので、いい経験になったと思います。チーム全体としてもタイ合宿にいって暑いところから寒いところに戻ってきた分、スコアは多少悪くはなりましたが、体の状態はよくなりましたし。暖かくなり始めてからスコアも伸びてきて、やっぱりタイの合宿は大きかったのかなと思います。

――主将を務められていますが、三崎さん(前主将)とお話しなどはされましたか
   そうですね。どうやっていけばいいかとか相談しました。三崎さんのときと違って人がかなり増えてきていて。最初僕が入った時は23人しかいなかったのですが、今は46人いて倍になっていてマネジメントが大変になっているので。

――三崎さんの頃から引き継いできていることなどはありますか
   三崎さんが大切にしていたことが、授業にちゃんと出るということで。普段はちゃんと授業に出る分、休みのときに必ずゴルフを入れる。朝練も必ず出ようってこととか。僕が1年生のとき、4年生は朝練に出ていなかったんですよ。だけど全員で出ようじゃないかってことになって、今もみんなで出ています。

――主将としてこころがけていることはありますか
   後輩に見られている自分がどうあるべきなのかとか、客観的に見てチーム全体を把握することと全体にどう思われているかっていうのを大切にしています。

――どう思われたいですか
   やっぱり尊敬されたいというか、尊敬されるべき要件を満たしていたいなと思います。ルールをきちんと守るとか、ゴルフはある程度上手いとか。三崎さんと違ってカリスマ的センスがあまりないと思っていて。僕は地道にやっていくしかないなと思っています。三崎さんは面白いことを言うのが得意で場の雰囲気を盛り上げることができるのですけど、僕はそういうことはできなくて、場を締めることしかできないので。逆に三崎さんができなかったことはそれかなと思って。僕の同期は場を盛り上げるのが得意な人が多いので、その分僕は締める方向でいこうかなと思います。

――チームとして、昨秋からどんなところがよくなっていると感じていますか
   雰囲気としては、今まではBブロック昇格というのが夢物語的な感じだったのですが、現実味を帯びてきているのかなと。みんなが昇格を意識しているので、自己暗示じゃないですけどそういうのが増しているのかなと思います。レベルも上がっていますね。今まではC、Dブロックの入れ替わりだったんですよ。そのスパイラルを抜け出してきているので。どんどんレベルが上がっていますし、下の学年とか付属校の中高生も育っていますし。他大学と違って立教はアスリート選抜で選手を取れないので、付属からの上りがとても大事で。付属校のあがりがチームを作っていくといっても過言じゃないです。

――Bブロックに上がったら、監督をプールに落とすという話がありますよね
   そうですね(笑)。それを最後にやったのが14年くらい前で。自分は息子としてその現場にいたのですが、僕だけがあの現場を見ている人間なのでそれをもう一回やりたいっていう思いは強いですね。

――今回の試合会場(=富士カントリークラブ)は個人的なイメージではどういったコースですか
   トリッキーなコースだなと思っています。東京(=東京ゴルフ倶楽部)と違ってアップダウンがあって疲れやすいですし、狭いのもありますし、OBも広いので。東京と違ってちょっと曲がった時のリカバリーが難しいので正確性が求められて。一回はまってしまうとどんどん悪い方向にいってしまうので、その辺は気を付けないといけないなと思います。

――富士カントリークラブを攻略するためにしてきたこと
   ドライバー以外のティーショットです。普段はドライバーが得意なのでそればっかりやるんですけど、今回は3番アイアンとか、ティーショットでよく使う他のクラブの練習を結構しました。去年の春のコースはドライバーをよく使うコースだったので、それを中心に練習してきたのですが、今回はティーショットがかなり重要なコースなので今はそこに的を絞って練習しています。

――手応えは
   3番アイアンが打てるようになってきているので、そこには手応えを感じています。昔3番アイアンは難しすぎて打てなかったので、練習の成果かなと思います。

――今回、意識しているライバル校などはありますか
   今回は日体大、富士大、中大、東海大、拓大、学習院大、青学大と戦うのですが、学習院と青学が落ちるといわれているので僕らの相手は日体大と東海と中央かなと思っていて。そこに勝てればチャンスはあると思います。

――勝つためにはどういったことに気を付けないといけませんか
   やっぱり曲げないということですかね。確実にちゃんとパーで上がるということが大事ですね。バーディが簡単に出るところではないので、無難にパーで回っていくことが大切です。今回の会場は東京と違って傾斜が多くてパットが入りにくいので、かなり気を付けないといけないですね。

――青木さんの得意なところはなんですか
   ドライバーとアプローチです。今回は嫌なことにアプローチもドライバーも使いにくいコースなので、自分にとってはかなりのリスクですね。

――不得意なところは
   アイアンショットです。でも今回のコースではグリーンが大きいところで、ちょっと曲がっても上ってくれるのでそんなに必要ないかなと。バーディは取れないけれどパーは比較的取りやすいコースだと自分的に思います。ただ、グリーンを外した後のアプローチが難しいです。

――今からでもまだ改善したい点などはありますか
   メンタルや自信面です。「このホールは苦手だ」という意識があるせいで、同じコースでボギーを叩き出していて。それを克服しないとスコアは出ないかなと感じます。

――切り替えは上手い方ですか
   切り替えは下手な方です。精神的な面をうまくコントロールしないとできないタイプなので、平常心を保つために悪いことは考えないようにしてプレーに臨んでいます。例えば、「これ右に曲がっちゃうんじゃないの?」、「左に曲がっちゃうんじゃないの?」といったマイナスなことを考えると本当にそうなってしまうので、いいことを想像してそれに向かって打っていくイメージでやっています。

――先日女子の大会が行われました。応援へ行って、何か感じたことはありましたか
   他校が女子しか来てない中で、立教は男子も応援に来ていて。それが私たちの風習なのですが、女子からしたら心強いみたいで、いい文化だなと思いました。男子の大会の時も女子が来てくれるので、応援が多い分、力になって嬉しいです。

――今回唯一、1年生でレギュラー入りした芹川君について教えてください
   大学に入って最初のリーグ戦は、雰囲気に圧倒されてスコアが出にくい風潮があるので、そこをどれくらい踏ん張れるか楽しみにしています。70台後半で耐えることができればいいかなという感じです。彼には2日間出てもらいたいので、初日を米で終わること(=スコアとして採用されないこと)がないように頑張ってほしいです。

――青木さんにとって今年はラストイヤーになると思うのですが、1年の目標を教えてください
   一番の目標はBブロックに上がること。次の目標としては、個人戦で上に行きたいなと思っています。

――では最後に、大会へ向けての意気込みをお願いします!
   個人としては2日間出ることが目標です。特に初日に70点台前半を出して回りたいです。まだ1回も出せたことがないので。主将としては、みんなで初日にロケットスタートをしたいです。今までやってきて、2日目に追い上げるのが立教は苦手なので、最初上の順位で回らないと厳しいと思っています。初日で370点台が出ればチャンスがあるかな。今回上がれば、秋で落ちることがなく1年間はBで試合ができるので(1年間の出場停止で、自動的にCブロック降格と決まっている大学があるため)、後輩にチャンスをあげるためにも必ず春でBブロックにいけるよう頑張ります!!

―ありがとうございました!




高橋晋伸輔(済3)
――昨年1年間を振り返って
   自分が入った時は三崎さんが主将だったのですが、四年生がいなかったので、そのまま2年続けて三崎さんが主将をやられることになり、レギュラーのメンバーも主将も変わらない勢力で挑めた1年間でした。

――昨秋の結果をどう受け止めていますか
   初日が自分の中でベストなプレーができ、個人としてもCブロック3位で終われたので、出来ればメダリストを取りたいって思いがあって、「攻めのゴルフ」で2日目に挑んだのですが。それが逆にあだとなってしまい、行ってはいけないところに行ってしまったりして落とすという結果になってしまって。自分の中で149というスコアは納得できていないです。

――秋が終わって、意識して取り組んだことはありますか
   ゴルフって1日競技じゃないんですよ、4日間とかなので。1日だけスコア出しても意味が無いので。4日間、リーグ戦であれば2日間ずっとスコアを出し続けるように体力トレーニングを意識しました。あとはクラブ。重いものを使っていたらそれを4日間使い続けられるかが重要なので。軽いクラブだったら初日の1番ホールと4日目の最終ホールでも同じスピードで振れるじゃないですか。でも重すぎると疲れてきちゃって、同じスピードで振れなくなっちゃうので。クラブの重さを変えたりとか、クラブセッティングの改良と体力面強化をしたりとか。あとは変わらず練習していますね。

――前年度と比べ続けていきたい点、また変えていきたい点を教えてください
   男女が仲良くなったというのはあります。それは続けていきたいです。昔は常に礼儀があってその中にゴルフがあるって感じだったのですが、今みたいにオンとオフが激しくなるとずっとオフの部員とか出てきちゃって。どうやったら、ゴルフをする時にみんなでちゃんとしていけるかなと。例えば応援の時も、レギュラーに入れない人って絶対いるじゃないですか。男子部員約30名中8人とかで。他の人たちはどういうモチベーションで行けばいいのかっていう。レギュラーを決めるためにいくつか選考会があるんですけど、それを全力で臨むことによって心から応援出来るようになる。ゴルフに対して真面目っていうんじゃないですけど、上手くなるっていう心を常に持ってほしいし、伝えていきたいです。

――三崎さんが引退されてから、チームの雰囲気は変わりましたか
   変わりました。頼れる先輩だったので。あの人は一番オンとオフがはっきりしていました。部活の時は厳しく、でもオフの時は色んな話をして下さったりして。だからついて行けました。青木さんは、皆でBブロックに上がろうって気持ちが強いので、チームの事を考えてくれて。面談をひとりひとりにしてくれました。自分が面談した時は2年生だったんですけど、礼儀とかいろいろ教えなきゃいけないじゃないですか。ゴルフとか。2年生が1年生に教えたことはどんどん引き継がれていって、結局自分も含め7年間くらい、教えたことが伝わるわけで。「お前が今教えていることは今後何年も続いていくんだから、もっとしっかりと教えた方が良い」とか、「ちゃんと目標を立てて練習していこう」などと声をかけて下さいました。

――面談で意識はあがりましたか
   自分はもともと意識高い方なんで(笑) 部活全体でいうと、青木さんは「ゴルフを毎月していこう」という方針で。冬とか寒くてゴルフができない中でも、クラブとかコース間を忘れないように練習しよう、となって。そういうのを見ていると、ゴルフに対して意識が上がっているのかなと感じました。後輩とかからも練習行きましょうという連絡が増えたりしましたね。

――寒い時期はどのような練習をされているのですか
   ゴルフボールはゴムなので、冬になると一気に飛ばなくなるんですよ。冬には冬のゴルフがあって、球が飛ばない分グリーン周りから拾っていくっていう。そういう小技面っていうのはどんなに調子が悪くても変わらないと思っているので、そういう所に重きを置いて練習していました。

――部活で辛いときはありますか
   同期と後輩のキャリーバックを合わせて3つ持って走っているときですね(笑)

――富士カントリークラブはどのようなコースですか
   坂がやばくて、正直やりづらいです。下っている分にはグリーンが見えるのでいいのですが、上っていると球は見えないし、落ちどころすらわからないので。見えていたら、「ここにあるから次はこういう風にしていこう」などと考えられるのですが、見えないのは厳しいです。いつも平らな所でしか練習をしていないので…。ああいう傾斜があるのは慣れなくて、苦手です。

――他大学の人たちもやりづらい環境下でやる中で、どのように戦っていこうと思っていらっしゃいますか
   耐えていくしかないですね。バーディがとれるコースである一方でボギーも出やすいので、どれだけボギーをとらないでいくかということが重要かなと思います。

――今回の大会での目標を教えてください
   Cブロック優勝です。個人的には、2日間トータルアンダーでいきたいです。

――そのために練習してきたことはありますか
   パターですかね、最後は結局パターで沈めるので。

――秋からプレー面でよくなったところはありますか
   飛距離ですかね。冬のトレーニングのおかげだと感じます。

――高橋さんのプレー面での強み、また弱みはなんですか
   強みはショットですね。アイアンショットが得意なので、それでできるだけピンに寄せてバーディを狙っていこうと思います。弱みとしてはドライバーとアプローチが苦手です。最初のショットが曲がってしまうとグリーンを狙えないので。ドライバーはそういう点であげました。得意なアイアンショットでグリーンを外してしまったときに、どうやってパーをとっていくかというとアプローチなので、それも大事にしていきたいです。

――チームとしての強みはなんですか
   仲がいいことです。応援は力になります。

――弱みがあれば教えてください
   試合慣れしていない人とか上のレベルで戦っている人がいなかったので、上手い人とまわってしまうとその人に気をつかってしまって自分のプレーができない人とかが出てくるので。もっと自分に自信をもってプレーしてほしいと思います。

――意識しているライバル校はありますか
   中央大学、日本体育大学です。日体大は昨年落ちてきたばかりなので強いと思います。

――他校や立教で注目している選手はいますか
   中央大学の峰岸さんです。峰岸さんは基本球が曲がらなくて、今回の場所はそういう人が強いコースなので、確実に好スコアで上がってくると思います。後輩だと芹川に期待していますね。中高でゴルフをやっていたみたいなので経験が長いし、全国大会とか上のレベルの大会にも出ていたので実力もあって楽しみです。

――それでは最後に、大会への意気込みをお願いします!
   口だけで終わらず、Bブロックに上がれるようがんばります。

―ありがとうございました!


「Bブロック昇格」。その言葉の重さ、難しさを誰よりも知っているのはこの2人であろう。厳しい戦いにはなるが、成長し続ける彼らにとって、昇格が夢のような話では決してない。新チームとして大きな一歩となる今大会。彼らの活躍に期待は増すばかりだ。



(5月24日・編集:斉藤麗央、インタビュアー:赤津亮太、大岩洸太、斉藤麗央、西村南海子)












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