〜これまでの道のり〜
   今年は王座進出も果たし、充実の夏を過ごした彼女たち。迎えた秋季リーグでは、春よりも着実に進化した立大の姿があった。
   秋季リーグ戦1回戦の相手は、春に0−14と大差で敗北を喫した強豪・駿河台大。試合は相手に終始押される苦しい展開に。しかし、夏合宿で強化したディフェンス面が存分に生かされる。ただ守りに徹するのではなくオフェンス陣と連携を図り、チームの強みを生かした戦術で失点を6に抑えることができた。選手たちは春からの確かな成長に手応えを掴んだ。さらなる成長の余地を感じさせたのは2回戦。少数気鋭の東農大に対し無失点を目標に掲げた立大だったが、終わってみると0−4と失点を重ねしまった。しかし、相手のペナルティエリア内で何度も粘りのプレーを見せる場面もあり、「攻めを自分たちでも試せた」と棚橋(社4)。チームの攻撃の形を強い相手に対しても見せることができた一方、決定力に課題の残る一戦となった。そうした中、リーグの合間でBインカレ優勝という、立大史上初の快挙を遂げた彼女たち。その後行われた3回戦の対武蔵大、チームは確かな自信とともに試合に臨んだ。開始直後、相手に1点を取られ先制を許したが、ここで闘志が燃えた立大。1年生ながらチームの要として戦う高久(文1)のポイントで波に乗ると、前半は3−1で折り返す。後半、攻め込まれる場面でも攻撃の手を止めることはなく、多くのシュートチャンスをものにし、6−2で試合終了。ようやく、今年のチームらしさが結果と結びついた瞬間だった。
   そして迎えた今日の順位決定予選。Bインカレで4−0と快勝を収めた東大相手に、前半から攻めのプレーで臨む立大。ショートコーナーから決めた1点目をきっかけにリズムを掴むと、3−0で前半終了。続く後半、追加点はなかったものの、攻撃に徹する東大に対し落ち着いて守り、3−0で勝利を収めた。


〜時をかける思い〜
   明日行われるリーグ最終戦の相手は慶大。立大にとって慶大は、とりわけ特別な対戦相手だ。
   立大は2011年の秋季リーグ入れ替え戦で上智大を下して以来、強豪校の集う1部リーグに籍を置き続けている。経験者は他の大学に比べて少ないが、それを補うだけの練習量とチームワークで2013年の秋には史上最高順位の5位にまで上り詰めた。しかし現在の順位からもう1つ上げることができないのは、慶大の存在があるからだ。慶大には1部昇格以来一度も勝ったことがない。試合の内容は決して悪いものではなく、実力はほぼ互角と見える。それでも毎回1〜2点の差で惜敗するなど、悔しい思いをさせられてきているのだ。特に現在チームの主力となっている4年生は、1部に昇格してからの立大のすべてを見てきている。毎回あと一歩で勝てなかった先輩たちの悔しさを、彼女たちは見てきている。だからこそ、より一層「勝ちたい」という思いが刻み込まれている。長年「打倒慶応」を掲げてきた立大。これまではディフェンスを強みとしてきたが、「今年は点を取れるチーム(飯塚=済4)」。春こそ出だしの悪さから大差負けしてしまったが、大量得点をしたBインカレ・対武蔵大戦を考えれば十分射程圏内だ。
   「1年生からの目標を4年目に叶えたい(飯塚)」。選手たちは、慶大に勝つという目標を果たせなかった先輩たち、試合には出られない部員たちの思いを背負ってグラウンドに立つ。果たして積年の思いを晴らせるのか。注目の一戦になることは間違いない。


◆試合日程◆
11月8日(日) 対慶大 10:45〜 早大東伏見グラウンド



(11月7日 編集=大西恵理子、小林早紀)



Copyright (C) 立教スポーツ編集部, All Rights Reserved.