3月に行われた全日本学生競歩で粘り強い歩きを見せる平田

戦力の充実
   関カレは各大学で一定の標準記録を突破した選手が3人まで出場できる。しかし、この標準記録というものは簡単に突破できる記録ではなく、立大の選手も標準記録の壁を越えられない者は少なくはない。そこで今回は3人フルエントリーしている充実した戦力で臨む種目を見ていきたい。
   まずは男子800m。立大からは先ほど挙げた内田、そして高橋侑希(理4)小野瀬 泰誠(コ1)が出場予定。高橋は東京六大学対校戦で部内最高位の6位入賞、4月25日に行われた日体大長距離競技会では1分53秒20の自己ベスト、そして関カレA標準突破と非常に波に乗っている選手の一人だ。昨年、準優勝を果たした鹿島(26年度卒)に続いて、表彰台へのチャンスは非常に高い。そしてルーキーながら選手に選ばれた小野瀬。昨年の高校総体北関東大会では7位入賞、自己ベスト1分54秒28と実力派の選手として、上位への進出が期待される。部内でも非常に争いが激しい800mではレベルの高い戦いが繰り広げられるはずだ。
   10000mWは3人のウォーカーが全員出場だ。昨年の関カレで8位入賞した平田准也(コ3)は2015年に入り、日本選手権や全日本学生競歩といった20kmでトップレベルの選手と勝負をしてきた。棄権や完歩で精一杯といった苦しいレースとはなったが、関カレは半分の距離の10000m。積極的な歩きを武器にして、昨年を大きく上回る結果が期待される。そして平田と共に歩んできた西口克洋(理3)杉田光平(文2)は平田が出場したトップレベルのレースを間近で感じ、自らの糧に変えていった。西口は3月末の春季オープン10000mWで47分08秒89の自己ベストを更新。日々成長を遂げる先輩たちに杉田も必死に食らいつき、3人の力で上位進出を狙っていきたいところだ。
   そして女子の400mHでは副将の角名、香坂さゆり(済2)池田菜月(社1)と層の厚いメンバーで臨む。香坂は昨年準決勝進出。今年は決勝進出を狙い、チーム入賞に貢献する走りが期待できそうだ。また新入生の池田は強豪・埼玉栄高出身。昨年のインターハイでは400mH7位の結果を残している。59秒79の自己ベストを持ち、上位で戦うことができる選手となるのは間違いない。
  同種目から多くの人数が出場することは、チームにとっても大きな力になり、また種目内の選手同士で刺激し合って戦うことができる。総力戦で戦い抜き、上位への進出に期待したい。

昨年の関東新人において勢いよくバーを越える根岸
最強の女子
   今年の女子には期待」と原田昭夫監督(79年度卒)が太鼓判を押すほど、今年は女子の選手が強い。年々女子選手のレベルは高くなり、トップレベルの選手と対等に戦う姿が多く見られそうだ。
   まず、4月18日に行われた私学六大学対校戦で走高跳において1m63cmで関カレ標準を突破した根岸志帆(法3)に注目したい。1年次は新入生ながら関カレに出場。高い実力を持つ彼女だが、長い間不調が続き2年次は出場できず、今回2年ぶりの舞台となる。4年生女子のフィールド選手は不在で、根岸が先頭に立ち結果を残し始めている。大舞台での輝かしいジャンプが見られそうだ。
昨年の関東新人において疾走する阿部
  阿部彩花(コ2)は1年次から安定した結果を残している。今大会は100m、200m、4×100mリレーに出場予定。中でも200mでは昨年の関カレ、全日本インカレで準決勝進出。今や短距離のエースとなりつつある阿部。力強い走りで昨年以上の結果に期待したい。
  その阿部も出場する4×100mRには是非注目したいところだ。1、2年生の編成予定だが、実力を持った選手ばかり。昨年のトワイライトゲームスで4年生1人1年生3人のメンバーで47秒40の立教記録。今年も2年生となったメンバーが残る。日本選手権リレー出場も視野に入れる中で、強豪校との激闘が期待できそうだ。
3月に行われた全日本学生女子ハーフマラソンで集団を走る出水田
  そして昨年5000mで準優勝を果たした出水田眞紀(コ2)が今年は悲願の優勝を狙いにいく。出場予定種目は1500m、5000m、10000m。昨年の関カレ以来、タイムでは満足のいく結果は残せていないが、世界クロカン出場、ハーフマラソンでユニバーシアード出場決定と大事な試合で結果を残し、勝負強さを見せている。世界の舞台を経験し、積極的なレースをさらに自分の武器とする出水田。非常にレベルの高い長距離種目での優勝を今年こそ勝ち取ってほしい。
  関東のレベルで留まらず、全日本の舞台でも強豪選手と渡り合う女子選手たち。成長を続ける中で臨む今大会での記録が楽しみだ。

実力派ルーキーたち
   今年は有力な新入生が例年以上に入部した。小野瀬、池田といった選手も勿論、高校時代から活躍する選手が勢揃いした。   まず、100mに出場予定の荒井アンバー(文1)。自己ベスト11秒99と部内の女子選手の中では、阿部をも越える自己ベスト保持者である。2013年の高校総体南関東大会では見事に優勝。立大に入学し、まだ目立った記録は出していないが、大舞台での結果に期待ができそうだ。
4月に行われた兵庫リレーカーニバルでトップ選手に食らいつく加藤
  1500mではスーパーエース、加藤美菜(コ1)が出場する。4分22秒63の自己ベストを持つ彼女は、1つ先輩の出水田と同じ白鵬女子高(神奈川)出身で昨年のインターハイ1500mでは準優勝。冬場は満足のいく練習が積めていなかったようだが、4月26日に行われた兵庫リレーカーニバルでの大学初公式レースを経験した。それを自らの糧にして、入賞を狙っていきたいところだ。
  そして今年は走高跳から男子2人、女子1人の新入生が出場予定だ。男子からは篠原楓雅(コ1)杉本丞(観1)が大舞台へ挑む。篠原の自己ベストは2m00cmで一昨年、昨年と2度もインターハイに出場している。一方杉本も2m01cmの自己ベストを持ち、2013年には日本ジュニアユースにも出場した選手。立大の新兵器となっていざ、より高いジャンプを目指して上位を狙いに行く。女子は根岸とともに、飯田夏鈴(法1)が出場。自己ベストは1m68cmで、篠原同様インターハイには2年連続出場していた。立教記録(1m63cm)更新も目と鼻の先にある目標だ。それに留まらず、関カレでは頂点を目指して戦っていくことになるだろう。
  走幅跳には宇和野七海(観1)が出場予定。彼女も昨年インターハイに出場しており、自己ベストは5m88cmと関カレで入賞できるほどの記録を持つ実力者だ。そして関カレで走幅跳に出場するのは久しい立大。新たな開拓者としてチームに大きな貢献をすることが期待できそうだ。
  このように今年の新入生は多種目に渡って実力を持つ選手が揃った。特に走高跳、走幅跳などのフィールド種目での活躍は立大の新たな武器になるのではないだろうか。ルーキーたちが上級生を刺激する活躍を見せることを期待したい。


  上記以外にもたくさんの注目選手が揃っている。「男子1部昇格、女子1部入賞」を毎年目標に掲げる立大。今年はより目標に近づくことができそうだ。関カレで結果を残すために日々の厳しい練習を乗り越えてきた部員たち。「自由の学府」の下で自らが考え、主体的に競技へと励んできた。伝統ある大会で"勝利"をつかみ取ってほしい。今の彼らなら必ずやってくれるはずだ。






(5月11日・藤井俊)
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