学生の日本一を決める大会、日本インカレが大阪の地で行われた。暑さが残る中、標準記録を突破した者たちが激しい戦いを繰り広げた。立大からも女子を中心に数多くの選手が出場。入賞などの好成績や来シーズンにつながる記録など、全国レベルでの経験は貴重なものとなったはずだ。そんな彼らのレースをインタビューから振り返ってみた。(※日本インカレの試合戦況・結果はコチラから!!)

●女子4×100mR

   1走・金山ひかる(観1)
「アップの段階ではすごく調子が良かったのに本番ではピッチが上がらなかったので、初めての全国区の試合で圧倒されてしまったかなという感じです。でもすごく楽しく走れたので良かったです。 私以外みんな2年生でこれまでにも全国区の試合を経験していたので、ここで失敗してはだめだなと思って思い切ってスタートしました。(今後は)関カレの標準を切りにいくことと、リレーでは足を引っ張るのではなく中心のメンバーになれるように頑張ります。」



2走・吉田実結(社2)
「目標としていた関東インカレで出した47秒15や日本選手権リレーの46秒80というタイムに全然及ばなくて、みんな悔しさでいっぱいです。8月の初めに合宿があって、そこからメンバーを決めてバトン練習も始めて、顧問がいないので自分たちでバトンパスの仕方とかも考えたりして、みんなで一丸となって頑張ってきました。レースとしては個々の走りもまだまだインカレのレベルには及ばない走りでしたし、バトンパスもただ渡すだけになってしまって、もっと良い流れで渡してもっと良いリレーができたらいいなと思っています。」

2年生を中心に高校時代から全国経験のあるメンバーで臨み、日本選手権リレーの標準を目指していたメンバーたち。今大会こそ結果は奮わなかったが、このチームはまだ下級生中心のチーム。個々の走力が向上すれば来シーズンは好成績が生まれるはずだ。


●女子1500m


加藤美菜(コ1)
「気持ちの面ではスタート前は良かったです。でももっといけると思ったのですが、ダメでした。練習したことが全部結果に出てしまうので、レースというよりもその前の練習で粘れなかったことが反省点だと思います。だから2年生になって結果を残せるようにしたいと思っているので、冬季練習でしっかり積んで頑張りたいです。目標は4分30秒切りです。」



関東インカレは決勝に残ったものの、ルーキーにとって大学の全国レベルの壁は厚かった。1年生ということもありすべては経験につながるはずだ。練習を確実に積むことで、冬季シーズンや春先のトラックにつながるのではないだろうか。

●女子100m、200m

阿部彩花(コ2)
「私はレースの後半に上がってくるタイプなのですが、今回は上がりそうなところで上げられなくて両方のレースでそのまま一定のスピードで走って終わってしまったので、もう少し感覚を戻したいなと思います。(この夏は)スタートに関して男子と一緒に走って、競うというよりも追いかけるような形で重点的に練習していました。今年は全然走れていないので自己ベストを更新することや決勝に行って優勝するなどの結果を出したいと思います。」

昨年の日本インカレでは200mで準決勝進出を果たすなど、立大の短距離エースとして存在する阿部。今年こそ上位進出はならなかったが、経験は多く積んできている。来シーズン、上級生としての彼女には期待ができそうだ。

●女子5000m、10000m


出水田眞紀(コ2)
「(10000mは)表彰台を狙うというのが目標だったのでそれは達成できたのですが、1秒差ぐらいで2位だったので1番を獲りたかったです。手が届きそうだったのでもう少しあとちょっと何かが足りないのだなと思いました。10000mと5000mを同じ大会で走るのは初めてだったので、ほんと手探り状態でこれまで練習してきてどちらも完璧な満足のできる結果ではなかったのですが、思ったよりも良い順位が取れたので次につながるレースになったのかなと思います。日本インカレに向けてはユニバーシアードも走ってきて、10000mを一番の目標にしてきたので、とにかく5000mのことは考えずに走ろうと考えて練習をしてきました。10000mも走り慣れていなかったので、疲労がかなりあって5000mの前は筋肉痛で足が全然動かなかったのですが、何とか気持ちで走り切りました。」


昨年の日本インカレから飛躍的に結果が向上した出水田。ユニバーシアードのハーフマラソンを経験した彼女には最後の競り合いでも負けない力があった。いよいよ大学陸上生活も後半戦へ。来年こそは頂点にのぼる姿を見ることができるかもしれない。


●女子400mH

香坂さゆり(済2)
「最低でも59秒台を出して決勝に行くというのが今回の目標だったのですが、中途半端な結果になってしまいました。自己ベストは出せたのですが、ちょっと悔しい結果になってしまいました。だんだん調子が上がってきていて、関カレが終わってからは全カレに向けてあとは記録出すことしか考えてなかったです。でも、400mHは歩数が重要になってくるので自分のイメージしている歩数と少しでもずれてしまうとタイムに出てきてしまうので、今回はそれが課題でした。」
池田菜月(社1)
「去年この大会の標準記録を越したので、去年頑張った分今年いい経験できるので経験しに来ていい試合になることを目標としました。反省としてはこの試合までの練習で上手く合わせられなかったことと、前半からスピードがなかったことと、脚を合わせられなかったことです。夏は少しケガをしていて練習できなかった時期があって、合宿でハードルなどの練習をみんなと同じようにこなせなくて、夏の取り組みは自分の中で満足できてないので、来年頑張ります。」

昨年の日本インカレでは200mで準決勝進出を果たすなど、立大の短距離エースとして存在する阿部。今年こそ上位進出はならなかったが、経験は多く積んできている。来シーズン、上級生としての彼女には期待ができそうだ。


●女子4×400mR


1走・角名亜衣美(社4)
「最後なので悔いなく走ろうと思って最初から一生懸命頑張ったら最後苦しくなってしまったのですが、違う学校の人も応援してくれて呼んでいる声が聞こえたので、最後足が止まったのですが、頑張って走りました。ここまで来てくれた同期が本当に心強いです。同期が来てくれたことが一番の原動力になったと思います。出られなかった人の分まで頑張らなければと思っていたので、来てくれてすごいほっとしたし、安心しました。(同期の)標準記録に届かなかった瞬間もその試合の応援で見ていたので、そういうときは自分が絶対に走らなきゃなとずっと思っていました。(後輩たちには)来年は絶対に関カレも全カレも決勝に残ってほしいです。」
3走・門間彩(コ2)
「2走からバトンをもらったときに、そのままずるずると行かないで、200mぐらいまで前についていけたのが良かったと思います。200mまではついていけるのですが、300mに入るときのコーナーで離されて後ろにも追いつかれてそこからずるずると後半タイムも落ちてしまったので、そこは力をつけないといけないと思いました。夏は体のつくりを変えることで補強などをやり直して、400mなので練習内容も長めの距離を走って、本数を重ねるメニューを多くしました。」

2走には香坂、4走には池田と同日に2度走る選手が2人いる中、積極的なレースを見せたマイルメンバー。唯一4年生で出場した角名の果敢な走りやそして毎年定期戦を行っている同大からの声援もあり、感動的なレースでもあった。今後は下級生たちが、伝統を引き継ぎ期待に応えていくはずだ。

●男子10000mW


平田准也(コ3)
「状態として8月に怪我をしてしまって体調を崩したりして、調子を戻すことを意識して練習をしていました。万全の状態ではなく自信を持ってスタートラインに立てなかったので、それが結果につながったのかなと思います。良くも悪くも今の状態を出せるレース展開をしようと思ったのですが、それにしても遅いペースで歩いてしまったかなというのはあります。もうちょっと速くいっていれば失格もしていたかもしれないのですが、まだあんな早くには失格してはいないと思っています。遅すぎて警告が出されたとは思うのですが、ちょうど良い自分のペースをつかみ損なったというのもありますし、大きい大会だったので、少し怖くなってしまって思い切っていけませんでした。実際には強い人たちと戦ったことはありますが、強い選手たちとの差をまだまだ実感させられた感じはしたので、ここからまたこの舞台に立って戦えるかをもう一度考えてやっていこうと思いました。また標準記録を切らないと日本インカレには出られないので、こういう形で日本インカレを終わらせてしまうのは納得がいかないのですが、まだあと1年あるので、もう1回死ぬ気でやっていきたいと思います。」


立大から男子は平田のみの出場となった。そのプレッシャーは非常に大きいものがあったはずだ。夏に多くの合宿を積み、調整も非常に大変だったに違いない。日本インカレでこそ結果は出せなかったが、夏の成果はここから大いに発揮されるはずだ。冬季シーズンのトラックや20`競歩に目が離せない。




   4年ぶりの地方開催となった日本インカレ。難しい調整の中でそれぞれ選手が持ち味を発揮した。そして出場したメンバーは下級生が多く、来年度にもつなげることができる大会となった。次の日本インカレは埼玉の熊谷で再び開催予定。さらに出場選手が増えて立大で盛り上がる姿が見られることを期待したい。


(10月10日・取材=石原佑太、遠藤大作、小花優衣、藤井俊/編集=藤井俊)



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