「戮力同心」

春季リーグ戦直前

野球部智徳寮インタビューC


笠松悠哉選手、飯迫恵士選手


    レギュラー争いが激化する今季。主将の熊谷(コ4=仙台育英)以外で昨季からの経験を武器に戦えるのは、おそらくこの2人だけであろう。ともに、下級生の時からチームの中軸を担った、笠松悠哉(コ4=大阪桐蔭)と飯迫恵士(文3=神戸国際大附)。左右の大砲が語る、優勝に必要な打撃とは――。

◆笠松悠哉 (コ4=大阪桐蔭)◆

――昨シーズン振り返っていただけますか
   昨シーズンは春秋ともにあと一勝のところで負けてしまったという悔しさしかないです。同じグラウンドで戦っていて、あと一勝の重みというか、力が足りなかったなというのを実感させられました。

――4番として、警戒される部分も多かったのでしょうか
   去年は変化球が多くて、外の変化球で振らされたりすることが多かったので、今季はなんとかついていけるように対策していこうと思っています。自分の中ではバッティングを変えているつもりではあるので、そういったものをこの春に生かしていこうと思います。
悔しかった思いを吐露する笠松


――偉大な先輩方が卒業されて何か感じるものはありましたか
   去年のチームは個々の能力がとても高くて素晴らしいチームだったとは思うのですが、その中でも優勝できなかったというのは、どこかが足りなかったというのがあると思います。ですが、試合に出ていた人間として人間性というのはとても力になると思いましたし、そういう意味では先輩方にすごく励まされたというか、ミスをしても次に切り替えて前向きな言葉をかけてくださって、そういう面ですごく助かっていたなと思います。

――3人の先輩がプロの扉を叩きました。ご自身の心境になにか変化はありますか
   学年も一つしか違わないですし、同じグラウンドでプレーしていた者としてすごく刺激をもらいましたし、自分も頑張らないといけないなと思いました。

――4番へのこだわりは
   自分はあまり4番という器もないのですが、バッティングには自信もあるので、そういう意味では責任感は持っています。ですが、今のチームは「チームのために」という姿勢を持って個々でプレーはしないですし、全員で同じ方向を向いてプレーするというのが今のチームなので、どこを任されてもいいようにチームのために打席で何とかするというのを今は考えてます。そういう意味では自分の中では4番を打ちたいっていう気持ちはありますけれど、どこを任されても大丈夫だという心持ちでいます。

――では、打席内で本塁打へのこだわりを持っていますか
   去年はホームランを打てるバッターがたくさんいましたが、今年はそう簡単に大きい当たりは出ないと思います。ただ、大事な場面や一発を狙えるところで打っていくと、チームの勢いも変わると思いますし、そういう点ではホームランは大事ですしこだわっていきたいと思っています。

――打席で心がけていることはありますか
   自分の持ち味はフルスイングだと思っています。そこは欠かさずにどんな球にもやっていこうと思っています。ちょっと当てにいくバッティングになってしまうと自分の悪いところが出てなかなか打てない状況が続いてしまうと思うので、合わなくてもフルスイングでいこうという点にこだわっています。

――新チームの雰囲気はいかがですか
   誰かがミスをしても個人の問題ではなくチームの問題として捉えて、どこが駄目だったのかというのをチームで考えて、コミュニケーションをとれているということが大切な点であり、今よくできている点だと思います。スローガン通り一つのことにみんなが一緒になって取り組んでいくというのはいい方向に行っているのではないかと思うので、明るさはもちろんなのですが、そういうことができていれば試合にも活きていくと思います。

――最終学年になって、変えたことなどはありますか
   技術的な部分でもそうですが、最上級生になってからわかることもあって。Aチームにいるメンバーが去年とは変わっている中で初めての選手もいますし、そういう意味では自分がプレーで引っ張っていかないといけないという状況だと思っています。そういった場面での責任感というのが自分の一番の課題だったんです。人とのコミュニケーションであったり積極的に声を出したりというのが苦手だったので、最近は当たり前ですけど声出しや、チームを背中で引っ張るぐらいの姿勢が自分の中で大事にしています。その点は個人的に変えたところです。技術で引っ張るのはもちろんのですが、初めての人が多いのでまずはそういった部分から変えて、自分が経験してきたものを下にわかってもらうというか、気持ちを楽にさせてあげるということを心がけないと、いざ打席に立ったら緊張すると思うので、今のうちからそういう意識でやっています。

――リーグ戦の具体的な目標はありますか
   とにかく勝てれば良いです。欲を言えばホームラン5本、打点は10を超えたいと思っています。打率は2割後半で、盗塁は2、守備はそろそろ1シーズンノーエラーで終えたいですね(笑)
自分が打つ「ホームラン」を見ろ! と宣言した笠松


――では最後に今シーズンの意気込み、応援してくださるファンに一言お願いします
   去年もあと少しというところで優勝を逃して、ファンの方にも「惜しかったね」や、「もうちょっとだったね」と言われて、慰めてくれているようではあるのですが、選手としてはもう言われたくないと思いました。優勝してファンの方々に「優勝おめでとう」と言いたいです。何よりもファンの方の声が自分たちの一番の力になっているので、そういう意味ではファンの声援も借りながら優勝するのが恩返しになるというか、「あと一勝だった」っという昨季を打ち破ってしっかりとしたご報告をしたいと思います。今回は絶対優勝するという気持ちを持って挑むので応援してください!

――どうもありがとうございました!

◆笠松悠哉(かさまつ・ゆうや)1995年9月28日大阪府生まれ。コミュニティ福祉学部4年。右投右打/内野手/大阪桐蔭/181a85`


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◆飯迫恵士(社3=神戸国際大附)◆

――昨シーズンはどんなシーズンでしたか
   去年は自分の役目の再確認というか、チームでどういう存在かが分かった年で、チャンスメイクというよりはランナーを返すというのが自分の役割だと思ってそれを十分に発揮できた年だと思います。そこで満足ということではなくて、打率が2割7分〜8分しか残せなかったのでチャンスメイクという面でも今季は打率を上げていきたいと思います。昨年の記録プラスチャンスメイクもしていきたいと思っています。

――昨年から出場機会も増えたと思いますが、それ以前と何か変えた点はありましたか
   特に何も変えてはいないのですが、自分が調子の波があって、調子が悪い時はトコトン悪いのですが調子が上がり始めてからは一定期間調子が良いと思っています。去年は調子がいい期間が丁度リーグ戦と被っていた感じがあったので、今年は冬、春と調子が悪かったのですが、調子が上がってくると思っていましたし、上がってきました。準備としても、調子が上がってくると昨年分かったのでやりやすいですね。調整として自分が何をしたらよいかが分かってきたので、自分でもやりやすいです。

――チャンスに強いイメージがありますが、チャンス時の打席の入り方で意識している点はありますか
   意識というか、チャンスでない時と比べて、楽しめるくらいですね。変わったことは一切しないのですが、気合いが入りますね。
昨季の活躍を振り返る飯迫


――昨季は3番打者を任されることもあった
   去年は3番に立てるとは思ってなかったので、OP戦でも調子いいから(3番で打席に)立てているだけだろうという感じでやっていました。いざリーグ戦に入ったら本当に3番だったので、逆にびっくりしました。今まで通りやるかという感じでプレッシャーとかも感じなかったですね。(――後ろに強打者がそろっていたからでしょうか)そうですね。(田中)和基(2017年度卒=現楽天)さんや(佐藤)竜彦(2017年度卒=現Honda)さんが後ろを打っていて、自分が3番にいてええんかと思っていました。

――打席で常に意識していることはありますか
   フリーバッティングならどんな形でも良いからヒットゾーンに落とすということです。あとは、甘いボール球に手を出せそうであれば打って、ストライクゾーンの厳しい可能性があるリーグ戦に向けてヒットに出来るボール球を増やそうかなと思っています。 (――ゾーンを広げるということですか)そうです。ゾーンを広げるということ、低めのボール球を拾えたりだとか高めのちょっと甘いところをセンター前に落とせたりだとか、そういう練習をしていますね。

――誰か参考にしている選手はいらっしゃいますか
   基本は自分で考えています。参考にしている選手は特にはいないですが、角中選手(現ロッテ)はボール球を打つのが上手いと思うのでみていますね。粘れてホームランも打てて、あのような選手になりたいですね。

――大学3年目のシーズン、意識の変化はありますか
   今までついていく立場だったからこそ、今年は引っ張っていかなければならないなと思っていますね。プレーであったり、まだまだできていないはいないですけどね(笑)。まだついていってる感じがあります。そこを変えることができたらもう一個レベルアップできると思っています。
「4割越え」する自身の成績を見てほしいと宣言した飯迫


――最後に応援してくださるファンの皆さんに一言よろしくお願いいたします。
   目標としては今年のリーグ戦は首位打者とりたいなと思ってます。なのでこれからガンガン調子上げていこうと思います。たくさんのファンの皆さんが神宮球場に来てくれると思うのですが、チャンスで自分に回ってきたら絶対ランナーを返して打点をあげるので、安心して見ていてください!

――どうもありがとうございました!

◆飯迫恵士 (いいさこ・けいと)1996年10月1日兵庫県生まれ。社会学部3年。左投左打/内野手/神戸国際大附/170a72`


第5回は、市原一樹学生コーチチーフ(コ4=富士学苑)、井上浩太主務(コ4=福岡大大濠)です。お楽しみに!



(3月24日 取材・浅野光青、久保田美桜、関根綾香/編集・川村健裕)