独占インタビュー

〜日本一の立役者・田中誠也@〜



   六大学優勝、そして全日本制覇。怒涛の勢いで勝ち進んだ立大野球部。その中心にいたのは田中誠也(コ2=大阪桐蔭)だ。三勝、55回1/3、834球、43奪三振をあげ、チームをけん引してきた。日本一のチームのエースピッチャーとなった男がその胸の内を語った。

――3勝、55回1/3、43奪三振、834球などどの数字が一番自信になりましたか
   三勝というよりは投球数と、投球イニング、三振数というのは自分の中で少し手ごたえがありました。

――どの試合が一番印象に残っていますか
   やっぱり明治戦の三戦目。あの試合は自分の中でも一番一皮向けられたというか。初回から思い切り投げられた試合だったと思います。



――泣いていましたよね
   いや泣いてないです(笑)

――今まで経験してきた試合と何か違うところはあったのでしょうか
   やっぱり優勝もかかってきたなかだったので、気持ちがだいぶ違うというか。だからといってリーグ戦前半のほうの気持ちが劣っているとかではなくて。勝ち上がっていくからこその気持ちで、初回から思い切り投げた結果、相手に気持ちでは負けなかったと自分の中では思っているので。やっぱり初回の三者連続三振とれたのではないかなと思います。

――1安打完封の試合もあったが、あれではないんですね
   あれもやっぱり放っていくなかでの段階としては良かったと思いますけど、あれは最初なので。ビギナーズラックくらいの考え。たまたまできたくらいの気持ちです。

――誰が一番対戦していて楽しかったというのはありましたか
   勝負なので、自分は楽しいとかいう気持ちはあまり。楽しいとかいうのは、あまり好きじゃないですね。

――では全部全力でバチバチという感じで
   そうですね。楽しんでたら勝てないのかなと、自分の中では思います。高校から言われているんです。「楽しんでいたら勝てない」って。

――それは高校の監督から?
   そうですね。楽しむとか試合前にコメントする人よくいると思うんですけど、そういう気持ちでは、勝ちにきていない、自分の中では絶対に勝つというか、その一戦をものにするというか。一人のバッターをまず一人ずつ抑えていくところが大事かなと思っています。

――では、今期一番の球はどの球種というのはあるか
   やっぱりチェンジアップじゃないですかね。ちょっと投げすぎたかな(笑)今度秋に見られてくるんじゃないかなと思うので、まっすぐを磨きたいですね。

――ストレートと変化球で相手を手玉にとるという感じ?
   そうですね。他にもスライダーも良かったですね。まんべんなく放れたかなという感じですね。やっぱり追い込んでからの三振とりにいくのにはやっぱり変化球、チェンジアップが一番多かったと思います。秋になったら相手もそれを待ってくると思いますし、そこでどうかわすかっていうのが、かなり重要な課題ではないかなと思います。

――捕手の藤野選手が今季からレギュラーだが、どのくらい話をしましたか
   かなりしていますね。バッターのことであったり、自分のピッチングのことであったり。球の質、配球のことは試合前に話さないと、自分は後悔すると思うので。できることはやって試合の臨まないと、ああしておけばよかったこうしておけばよかったっていうのは、今後本当に後悔すると思うから、できる限りの話はしているつもりです。

――藤野選手のリードはどうですか
   今季の藤野の自分と組んでいたときの傾向としては、リスクをだいぶ低くしたいようなリードをしていたので、そういうのも相手にわかってきたと思います。秋は攻めるリードを自分も求めていきたいと思います。自分からも指示を出したり、藤野の話を聞いたりして、組み立てを変えていくことが、一度勝った者として必要じゃないかなと思います。



六大学優勝、全日本制覇の立役者
――改めてリーグ優勝の瞬間はどういう気持ちだったのでしょうか
   リーグ優勝の時は自力優勝ではなかったので、それも自分が一戦目自力で勝てなかったことが要因であって。そりゃとても嬉しかったですけど、次優勝するときは自力で優勝したいっていう気持ちは強いですね。

――明治の一回戦はやはりプレッシャーは感じましたか
   少し(笑)一戦目の先発はやっぱり、しんどい。しんどいというか、気持ち的にはつくり方が難しかったですかね。気楽に放れるものではなかったですね。

――それは周りに何か言われたからではなく、自分の中で?
   それはもう、自分の中で勝手に考えてしまいますし、「これ負けたら…」とか。なんやかんや、自分はそういう性格というか、考えてしまうことが多いです。試合になったらそんなことはないですけど、試合前とかしんどいですね。自分がしんどい。こういう性格はちょっと難しいですね(笑)


――東京ドームはどんな球場でしたか
   かなりマウンド自体が投げやすくて。すごく良かったです。野手はフライ見えにくそうでしんどそうでしたけど。自分的には、室内だし、キャッチャーのミットの音も乾いて良い音なりますし。応援もだいぶ立教多かったですし。とてもやりやすくて、よかったですね。

――マウンド自体違う?
   土とか違いましたけど、逆に良かったですね。

――いつも気持ちを前面に出すピッチングが多い気がしますが、全日本ではあまりそうではない印象でした
   気持ちに余裕あったら吠えないですよ!しんどいから吠えるんですよ。自分をたかめないとしんどいから。ピンチのときほど吠えてると思うんですけど。ランナーなしで三振とかとっても、淡々とした方が楽ですし。気持ち的にも、ここ一番で自分が気持ち見せることで、野手にも影響がでると思いますし、ベンチにも、帰ってきてからの攻撃にも、応援にも。見てくださっている皆さんを立教の味方にできるようなピッチングをしたいです。

後編に続く!!






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